ドラマトピックス

難病の子を抱える家族の絆を描く「風をあつめて」

kaze063_058.jpgNHK厚生文化事業団が主催するNHK障害福祉賞は、障害のある人や障害のある人を支援する人たちの体験手記を募集しています。この賞の過去の受賞作の中から、第31回(1996年)最優秀賞受賞作「私たち夫婦の普通の家庭」(浦上誠 著)を、このたびドラマ化します。
ふたりの筋ジストロフィーの娘と向きあいながら、いつしか幼い命に自分たちが生かされていることを知る夫婦の姿を描く、実話に基づく単発ドラマです。

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【あらすじ】

熊本に暮らす浦上家。老人ホームに勤務する誠(安田顕)と攝(中越典子)に生まれた待望の第一子に、医師から福山型筋ジストロフィーであるとの診断が下される。誠と攝は衝撃を受け、二人のコミュニケーションにぎこちなさが生まれはじめる。父母それぞれの遺伝子の特性ゆえ、二人目の子どもができたとしても同じ病になる可能性は高い。しかし、誠は健康な子どもをもつことへの希望を捨てきれない。二人の選択は・・・。

 

【登場人物】

浦上 誠(うらかみ まこと)・・・安田 顕
特別養護老人ホームに勤務しながら、新しいクリニックの設立にも取り組む情熱家。待望の第一子が誕生するが、福山型筋ジストロフィーだったことにショックを受ける。

浦上 攝(うらかみ せつ)・・・中越 典子
病気の子どもの介護に全力で取り組む日々を送る。仕事に逃げ道を求める誠とのコミュニケーションの回復を望み、交換日記を始めることを思いつく。

 

【脚 本】

荒井 修子
大学卒業後、ドラマ制作会社勤務を経て、2001年に脚本家としてデビュー。連続ドラマ、単発ドラマを問わず、第一線で活躍。主な作品に、NHKではドラマ8「ふたつのスピカ」、民放では「パパとムスメの7日間」(TBS)、「モンスターペアレント」(関西テレビ)、「FACE MAKER」(讀賣テレビ)など多数。

■「家族をつなぎ止めるものとは」 ...脚本 荒井修子
世の中は、多くの人の目に触れることのない、ひたむきに生きる人の感動的なワンシーンにあふれている。そういった一瞬、一瞬を切り取り、ドラマにすることが、私の仕事であり、使命である。このドラマは、そういったことを改めて実感させていただくことが出来た、私にとってもとても大切な番組です。
脚本を書かせていただくにあたり、体験手記を執筆された浦上さんにお会いしました。厳しい現実の中を強く明るく、凛々しく生きていらっしゃる浦上さん、そして奥様の攝さん、娘さんの杏菜さんに、私自身が生きる力をいただいた思いがしました。浦上さんご夫妻が、娘さんに注がれている思いは、「愛情」という言葉では表しきれない、かけがえのない輝きに満ちていました。それは、現代の家族に失われている「何か」なのではないかと思ったのです。
浦上さんご家族の葛藤、悲しみ、そして喜びが、どうか一人でも多くの方に届きますように。そんな思いで書かせていただきました。また、浦上さんの手記の脚本を書く機会を与えていただいたことを、心から感謝しています。
人は、理不尽な、逆境とも言えるような状況に陥った時、どう生きるのか――
家族をつなぎ止めるものとは何なのか――
浦上さんご一家の姿を通して、それを感じていただければ、これ以上の喜びはありません。

 

【音 楽】

羽岡 佳
テレビドラマ、アニメーションなどの音楽のほかに、東方神起など歌手への音楽提供も行うなど、幅広く活動している。おもなドラマ音楽として、NHKでは土曜時代劇「オトコマエ!」、「チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋」(CX)など多数。

 

【スタッフからのメッセージ】

■「"読後感"のある作品に」 ...制作統括 谷口 卓敬
NHK厚生文化事業団が主催する「NHK障害福祉賞」は昨年45周年を迎えました。この催しは障害のある方、また障害のある方を支援する方たちから体験手記を募集するもので、開始いらい今まで胸を打つ数々の作品が寄せられています。賞が45周年という節目を迎えたこのたび、過去の受賞作の中から、熊本県在住の浦上誠さんの書かれた第31回(1996年)最優秀賞受賞作「私たち夫婦の普通の家庭」をもとにしたドラマを制作します。
病気のお子様とともに生きるご家族の絆、その貴さを伝えたい。このドラマの制作にあたっての思いは、そのひと言に尽きます。
とある町に暮らす、ひとつの家族。その家族の今をごらんいただき、生きることのかけがえのなさを感じていただければ、このドラマは役目を果たせたことになります。
決して長くはないドラマですが、"読後感"のある作品だと思います。どうぞゆっくりとご覧ください。

 

■「悲しみの果て」 ...演出 真鍋 斎
福山型筋ジストロフィーは現代において不治の病です。その病をもって、浦上さんの二人の娘さんは生まれました。
公園を走り回る子どもたち、そんな日常のありふれた景色を、浦上さんはかつて、ある悲しみと悔しさをもって眺めていたといいます。
その悲しみ、絶望はいかほどのものであったのか、どこまでその思いに肉薄できるのか。それでありながら、ドラマの中に一抹の希望を与えるためにはどうすればよいのか。
浦上さんの話をドラマにする我々は、絶望の深さにおののいていました。
しかし、その戦慄を解消してくれたのも、他ならぬ浦上さんご自身でした。彼は言いました。
「私たち親子は助け合わなければ生きていけない。その分、他の健常者の家庭より、子どもとの濃密な時間を過ごすことができた。そういう考え方を娘たちは身をもって教えてくれたのだ。」
この言葉を聞いたとき、様々な苦悩を乗り越えて小さな光にたどり着けるような、美しい物語が紡げるのではないかと確信しました。この言葉がドラマに希望を与えてくれたのです。
家族とは、痛烈な愛情と不断の努力によって存立し得るものであることを、このドラマを通して感じていただければ幸いです。

 

 

【番組名】特集ドラマ「風をあつめて」
【出演】安田顕、中越典子、吉田羊、上田耕一、平田満、ほかの皆さん
【脚本】荒井修子
【音楽】羽岡佳
【放送日】2011年2月11日(金・祝) 総合 午前8:20~9:19(59分単発)
【収録】熊本県阿蘇山ほか都内近郊でロケ
【演出】真鍋斎
【制作統括】谷口卓敬(NHKドラマ番組)

★「風をあつめて」スタッフブログ
http://www.nhk.or.jp/drama-blog/1070/ (PC)

 


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