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年末年始は時代劇三昧!時代劇スペシャル「母恋ひの記」~谷崎潤一郎『少将滋幹の母』より~

時代劇スペシャル「母恋ひの記」~谷崎潤一郎『少将滋幹の母』より~
【放送日時】総合テレビ 2008年12月13日 午後9時~10時14分

■番組のあらすじ
20082009b.jpg平安初期、50才以上も年の離れた稀有な夫婦が実在した。23歳の絶世の美人妻・北の方(黒木瞳)と、77歳の夫・大納言国経(大滝秀治)。二人の間には、7歳の息子・滋幹(谷端奏人)がいた。滋幹は母を慕い、至福の時を過ごした。
突然、悲劇が訪れた。正月の宴の最中に、時の権力者・左大臣の時平(長塚京三)が、北の方を奪い去ってしまう。理不尽にも母と引き裂かれてしまった滋幹は、美しすぎた母の面影が忘れられない。
時が流れ、27歳の青年となった滋幹(劇団ひとり)は、少将の位にあった。母は人伝てに、息子の出世を聞き喜んだ。しかし、滋幹とは異父兄弟にあたる敦忠(川久保拓司)は、母の気持ちが他に向かうことが我慢ならなかった。敦忠は滋幹が母と会えるチャンスを悉く邪魔し、滋幹が母に出した手紙も密かに破り捨ててしまう。母への想いを募らせる滋幹は、妻(内山理名)を淋しくし、妻は敦忠と情を通じてしまう。滋幹の中には、次第に母への疑心暗鬼が生じてくる。「母はもう、自分と絶縁したいのではないか」と。
やがて滋幹は、比叡山を訪ね、生死のはざまをゆく荒行にのめり込んでゆくのだった。果たして、息子は母と再会出来るのか・・・。

【原作】谷崎潤一郎「少将滋幹の母」
【脚本】中島丈博
【音楽】窪田ミナ
【演出】黛りんたろう(NHKエンタープライズ)
【出演】黒木瞳 劇団ひとり 内山理名 川久保拓司 大滝秀治 長塚京三  ほか

『念願の仕事』…脚本・中島丈博さんからのメッセージ
以前から、谷崎の『少将滋幹の母』をドラマ化したいと念じていた。今回、その機会が巡ってきて、脚本家として、これほどの冥利はないと思っている。時代背景となる物の怪の跋扈する平安中世のおどろおどろしいムードをもっとたっぷり盛り込みたかったけれども、七十四分という時間枠の中で、それが充分に果たせたかどうか、些か心残りではある。甘縄少将の女右近や、父違いの弟藤原敦忠の名は原作にも散見されるけれども、右近が滋幹の妻となっていたり、当代の名だたる歌人である敦忠が滋幹と母の愛を競うといったシチュエーションは、私が勝手にでっち上げたものなので、谷崎フアンからはお叱りを頂戴するかもしれない。しかし、初稿から削いで削いで、到達した形なので、充分見ごたえのあるものになったと、信じている。

■おもな登場人物
北の方(黒木瞳)
…大納言・藤原国経の正妻。50歳以上も歳の離れた夫の寵愛を受け、ようやく授かった一粒種の滋幹とともに平穏な暮らしを送っていた。たが、滋幹が7歳の正月、京で並ぶものがないと噂される美貌を聞きつけた、左大臣・藤原時平により略奪されてしまう。以後、身分の違いから二度と息子と会うことを禁じられてしまい、悲運を辿っていく。

滋幹(劇団ひとり)
…7歳の正月、左大臣・藤原時平により最愛の母・北の方と引き裂かれてしまう。以後、時平の慰みで少将にまで昇り、右近を正妻に迎えるのだが、美しい母の面影がどうしても忘れられない。ひたすら母との再会を願うのだが、義弟の敦忠らの策略で叶わない。やがて、母への想いを断ち切るべく、厳しい修行の道に身を投じていく。

右近(内山理名)
…藤原季縄(すえなわ)の娘。契りを結んでいた藤原敦忠の助言で滋幹の正妻となるが、母への想いを断ち切れない滋幹とそりが合わない。敦忠への想いも断ち切りがたく、滋幹の行く手を阻む存在に。

敦忠(川久保拓司)
…左大臣・藤原時平の三男。和歌や管絃に秀で、三十六歌仙の一人に数えられた貴公子。母親である北の方の愛情を独占すべく、義兄の滋幹に嫉妬の炎を燃やし、その運命を狂わせていく。

国経(大滝秀治)
…藤原北家ながら出世が遅く、74歳で大納言となる。実直に役所勤めを果たしてきた人生で、唯一の宝物が美貌の妻・北の方であった。余命わずかにして、北の方を藤原時平に奪われて後は、孤独により身を狂わせてゆく。

時平(長塚京三)
…藤原北家の繁栄を担った優れた政治家。菅原道真を讒言して大宰府へ左遷させ、政権を掌握。栄華を極め、国経の妻・北の方を謀略により奪い去り本院に幽閉。だが、道真の祟りにより短命に終わったとされる。


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