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山崎育三郎さんに凸撃!「昭和元禄落語心中」ロングインタビュー その2

ふたたび、ドラマ部新人ADの渋谷はな子です!

「昭和元禄落語心中」第2回、見ていただけましたか?
物語の過去と現在を結ぶキーパーソン、有楽亭助六(初太郎)を演じる山崎育三郎さんに、あれこれ聞いてきちゃいました!
菊比古と助六、そして実際の岡田さんと山崎さんの関係とは…?


渋谷はな子
渋谷はな子:
ドラマ部新人ADの渋谷はな子です。
まず最初に、原作を読まれた感想を聞かせてください!

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
大変に面白くて、一気に読み終わりました。どきっとするシーンがすごく多かったです。そして「ほんとにこれを、自分がやるんだ?」と。これは覚悟が必要な作品だな、といちばん始めに思いました。
落語を演じている場面を、「それっぽくごまかして撮る」のでは無く、実際の落語の口演として、ひとつひとつの場面を撮る・・・そういうことを出来ないと、ドラマとして面白くならないだろう、と思いましたし、そのためには落語を僕が自分の中に入れ込まないと、この役は絶対出来ないと思いました。
これは、今まで自分がやらせていただいた役の中でも、もしかしたらいちばん覚悟と努力が必要な役になるのではないか…と、いうのがはじめの印象です。

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渋谷はな子
渋谷はな子:
助六はどんな人だと思いましたか?

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
助六は、幼少期に親と離別しているという悲しい経験があります。その後に落語との出会いがあり、落語に自分の生きがい、目標、夢といったものを見つけて、それに向かってすごく前向きに、いつも突っ走っている。青春の真っ只中にいるようなキャラクターだと思います。男らしくて、男臭くて、がさつだけれども心根は優しいというか暖かい人物です。
自分が演じるということを抜きにして、山崎育三郎というひとりの男としても、すごく惹かれます。

渋谷はな子
渋谷はな子:
助六を演じるうえで、こうしたいな、こうなったらいいな、と思うことはありますか。

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
助六は落語への愛情がものすごく強い。その助六を表現するのに、僕自身がまず「落語を好きになる」ということから始めたいと思いました。実際に寄席にも何度か見に行かせて貰いましたし、今も時間があれば色々な過去の名人の動画を見ています。
あと扇子を常に普段から持ち歩くようにしています。落語の師匠からも「落語家というのは扇子が命。ちょっと握ったり持ちかえたりするだけでも、本物かどうかすぐばれてしまう。とにかく普段から持ち歩きなさい」と言われていますので、なるべく普段から扇子を握って、自然に使えるように心がけています。

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渋谷はな子
渋谷はな子:
落語の稽古はどうでしたか?

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
僕は舞台の仕事もよくやらせていただくので、普段は全身を使って表現をすることが多いんです。なので、どうしても落語を演じるときも体が動いてしまいます。どうしても動かしたくなるというか(笑)。
だけど落語はそうではなくて、もっとリラックスした状態で、力が抜けた状態で座布団に座って、顔の向きや言葉で表現していくことがいちばん大事、と師匠方に言われました。
確かに、色んな落語家さんを見ていて、名人になればなるほど一見、何もしていないように見えるんです。本当にそぎ落とされていて、シンプルに演じているように見えます。それでお客様に物語を想像させたり、噺の世界に連れて行くというのは、本当にすごいことだと思いました。
ただ、僕はまだ若い助六という落語家を演じるので、若さに溢れて感情的に動きながら落語をやることが多いのですが、そういう発見はすごく勉強になりました。

渋谷はな子
渋谷はな子:
落語のシーンは大変そうですが、やっていて楽しいこと、苦しいことはありますか?

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
連続ドラマの制作期間で、ひとつひとつ落語の演目を自分なりに作り上げていくというのはもの凄く大変です。実際に、お芝居として演じる台詞の分量よりも遙かに多い落語の台詞を覚えなくてはいけない。その苦労というのは、岡田くんも竜星くんも、みんなあると思います。ただその苦労以上に、落語の演目、噺が自分の体に入って、それがあるところを超えて、そしてその噺を演じてみると、ちょっと楽しくなってくるんです(笑)。 
そのくらいの状態に、全部の演目を持って行きたいという思いがあります。自分自身が面白がって落語を演じるというところまで行かないと、なかなか視聴者の皆様にその噺の魅力が伝わらないと思います。
特に僕が演じるのが、「天才落語家」と呼ばれている助六ですから(笑)。「俺はこの噺が好きなんだ!面白いだろう!どうだ!」という気持ちに持って行きたいと思って稽古しています。ただ、そこまで仕上げていくのが、ものすごく大変です。まだまだ落語のシーンも残っているので、緊張感はありますが、とにかく自分が面白がりたいと思っています。
そして、実際の寄席の場面では、エキストラの皆様、つまり寄席のお客様が入ります。そうなると、「台本に書いてある場面を演じる」というよりも、そこに来ているお客様に、本当に楽しんで貰いたい、と感じます。その空間で、ある意味ではリアルに自分の演目、助六の落語を、目の前のお客様に届けていくということを、大事にして演じて行きたいと思っています。

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渋谷はな子
渋谷はな子:
助六らしい落語をするために、なにか工夫はありますか?

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
助六らしい癖というか、助六と言えばこういう仕草だ!というような芝居は、監督や落語監修の師匠方とも相談させていただいて、プロの落語家の皆さんが見てもおかしくない範囲で工夫して作っています。
例えば、袖をまくりあげて、ぐいっと手を突き出して、「黙ってあっちに一円おくれっ」と言う落語の演じ方をしたのですが、これはスタッフと相談してこだわって、演じました。

渋谷はな子
渋谷はな子:
菊比古(後の八代目八雲)は、どういう人だと思いますか?

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
菊比古はすごく内向的な部分があると思います。自分が抱えている色々な思いをなかなかオープンに出来なくて、心を閉ざしてしまう、人に対して壁を作ってしまう性格だと思います。
ただ、助六にだけは本当の自分の姿を出せる。助六を演じる僕は、そういう菊比古のすごく魅力的で、可愛らしいとも言える姿を見ているので、すごく愛すべきキャラクターだと感じています。
そして菊比古の内向的な性格や、どこか影があるような佇まいに、女性の皆さんはすごく魅力を感じるのではと思いますし、見ていてすごく、菊比古ならではの色気を感じます。

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渋谷はな子
渋谷はな子:
そして、菊比古と助六の関係って…どう思いますか?

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
助六と菊比古の関係は、月と太陽のようだと思います。対照的です。
ドラマの中で平田満さんが演じられている師匠からも言われますが、ほんとうに正反対の性格で、それでいて仲が良い。もし菊比古が女性だったら、ふたりはすごく良い夫婦になるのでは、と思うくらいです(笑)。
布団も並べて寝たり、くすぐりあって「やめろよ~」とじゃれ合ったり。ひざまくらまでしますから。僕の感覚では、男性とひざまくらっていうのはちょっと考えられない。「大丈夫か?」と思うこともあります(笑)。
そんな大親友のふたりが、落語という芸を巡っては最大のライバルでもある。本当に不思議な関係だと思います。家族のような、家族よりも濃いような関係で、ひとりが欠けたらもうひとりは生きていけないのではと感じるくらいの間柄だと思います。

渋谷はな子
渋谷はな子:
男性とひざまくら!
菊比古、助六の前では可愛らしいところもあるんですね。

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
菊比古は、普段はあまり笑顔がないんです。後年、八代目の八雲になってからはもっと笑顔が無くなるのではと思います。そんな菊比古が、恐らく世界でただひとり、助六といるときだけは、心からの笑顔が思わず出てしまう。その笑顔は、とっても胸にキュンと来ます。
そんな菊比古と過ごす時間というのは、助六にとってもいちばん癒やされる時間だと思いますし、自分らしく居られる貴重な時間なのではと思います。

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渋谷はな子
渋谷はな子:
実際の岡田さんと山崎さんの関係はどうですか? 

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
岡田くんは今回初めて共演させて貰っていますが、普段からとても穏やかで優しい人柄で、仲良くさせていただいています。
役柄上、当然ながら岡田くんとの場面がいちばん多いので、撮影の待ち時間などでもふたりで色々な話をして盛り上がっています。年齢は岡田くんが僕よりちょっと下なんですけど、もう同級生のような感じです。

渋谷はな子
渋谷はな子:
第3回から、菊比古と助六、そしてみよ吉の三人の関係が描かれますが…!

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
助六は、基本的には菊比古とみよ吉のことを応援していると言うか。見守っているような感覚です。ただ、助六もどこかで、みよ吉の女性としての魅力も感じています。
やがて三人の関係がこんがらがってしまうのは、助六が優しい人、ひょっとしたら優しすぎる人だからなのでは、と思うんです。色々なことで傷ついているみよ吉を、つい支えてあげたいなと思ってしまう。その思いが、強くなりすぎてしまったのではないかと思います。

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渋谷はな子
渋谷はな子:
撮影したなかで、印象に残っているシーンはありますか?

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
岡田くん演じる菊比古と、助六がふたりでかけあいをしながら、一つの演目を演じる場面が印象に残っています。僕たちは「連弾落語」と呼んでいるのですが、プロの落語家さんでも滅多にやらないそうです。この「連弾落語」をやるのに、何度もふたりで稽古をして、ふたりで言い合って作り上げていきました。僕たちのその連弾落語を、子供時代の小夏がにこにこして見ている場面が印象に残っています。
「父ちゃん日本一!」と言いながら見てくれている小夏のために、助六と菊比古が、あうんの呼吸で演じる。本番のときに、菊比古とふたりで楽しみながら、面白がりながら演じることができました。
あと、その子供時代の小夏が「野ざらし」という演目を演じるのを、横で助六が見ている場面も印象に残っています。小夏ちゃんがものすごくかわいくて。その撮影現場は、まだ酷暑で大変で、スタッフ皆さんも疲れもあったのですけど、子供の小夏が「すちゃらかちゃん・・・」と演じ始めると、可愛くて愛おしすぎて。みんなの疲れも一気にまぎれてしまうくらいでした。これもぜひ皆さんも楽しみにしていただきたいです。

渋谷はな子
渋谷はな子:
最後に、ざっくりとしたドラマのみどころをお願いします!

山崎育三郎
山崎育三郎さん:
わくわくする濃い人間ドラマで、すごく切なかったり、泣きたくなるようなはかない物語でもあります。そして、それぞれのキャラクターがとても丁寧に魅力的に描かれています。それに加えて落語のシーンがあることで、落語の魅力も味わえて、これまで落語に縁がなかった方もこの作品を見たらきっと興味をもっていただけると思いますし、すごく幸せな気持ちになれると思います。描かれる時代も昭和の戦前から平成までと幅広いですし、10代20代からご年配の方まで広く楽しめる作品だと思います。
そして、僕自身が今このドラマの撮影をしながら、これは面白い作品だと実感していますし、最終回まで、放送を見るのが楽しみでわくわくしています!
ぜひ、皆さんにも楽しんでいただければと思います!

渋谷はな子
渋谷はな子:
ありがとうございました!


…というわけで、有楽亭助六(初太郎)を演じる山崎育三郎さんのインタビューでした!
文中にもありますが、第3回から菊比古と助六、そしてみよ吉の三人の関係が描かれていきます。
昭和から平成へ、時代を超える愛と憎しみ、そして友情の物語。ぜひ、ご期待ください!!

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岡田将生さんインタビュー
「昭和元禄落語心中」番組ホームページ


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