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木村多江×平井真美子(音楽) "ボク妻"女性陣がホンネを語る

木村多江×平井真美子(音楽)
"ボク妻"女性陣がホンネを語る

余命6ヶ月を告げられた男は、遺していく妻や子どもを思い、妻の婚活を始める―。
発想は突飛だけれど、その裏にある深い深い愛情が胸を揺さぶる、プレミアムドラマ『ボクの妻と結婚してください』が5月10日からスタートしました。
余命いくばくも無いとはいえ、夫が妻の婚活をするって正直どうなの!?というわけで、ドラマで妻・彩子を演じる木村多江さんと、劇伴音楽を手がけた平井真美子さんをお呼びして、緊急対談を実施。番組のプロデューサー2人がホンネを聞き出してみました!

 



左から後藤P、平井真美子さん、木村多江さん、黒沢P。

後藤P:
何度か出演者やスタッフの女性陣から指摘されたことなんですが、今回のドラマは、原作者に始まり、脚本家も監督も、主演の内村さんも全員が男なんですよね。 そのせいか、男目線で語られることが多いストーリー展開じゃないの?といわれるんですが、女性から見ると、第1話の修治の決断はどう映っているのでしょう?

木村多江(以下、木村):
ありえないです!!
病気のことを妻に言わないなんて。ひとりで抱え込まないで分けてほしいと思いますね。夫婦なんですから。すべてを話してくれたうえで妻の婚活をするのなら、「仕方ないなぁ、許してやるか」となりますけど(笑)、何も言ってくれないのは悲しいですね。

平井真美子(以下、平井):
確かに、ともに歩んでいくはずの夫と苦悩を分かち合えないのは辛いですね。第三者の目線でなら、家族を思う修治の決断は尊敬できるし、カッコいいと思います。でも、私が彩子の立場なら、やっぱり許せないでしょうね(笑)。

木村:
修治は彩子のことが大好きなので、頭では残される自分たちを思ってのことだとわかっているんです。それでも、心が追いついていかないんですよ!

後藤P:
ううっ、辛い。でも男ってねぇ、弱いんですよ。脚本の岡田惠和さんもおっしゃっていましたけど、男は逃げるんです。重要なことならなおさらに...。

黒沢P:
もし、修治と彩子の立場が逆だったとしたら、女性はどういう行動に出るんでしょうね。

木村:
私なら、誰にも言わずに自分の周辺整理をしますね。想い出の詰まった物が残っていると、 それを見るたびに悲しくなると思うんです。実際、父が亡くなった時の私がそうでしたから。なので、さっさと断捨離をして(笑)、 残された人が後ろを振り返らずに、前へ進んでもらうために準備をしたいなと。

平井:
私の母がまさにそうでした。大病を患った時に自分の物をどんどん捨てたと言っていました。 幸い、病に負けず母は今も元気ですが、自分が死んだ後のことまで自分で取り仕切ろうとする母の思いに、家族としては少し寂しい気持ちになりました。

黒沢P:
なるほど。女性は自分できちんと人生の幕を下ろす段取りをするんですね。強いなぁ。 ドラマなんかだと、死を覚悟した男は「残り少ない人生、自分の好きなことをやるぞ」なんて言い出したりしますけど(笑)。

後藤P:
やっぱり逃げるんですよね、男は...。男の弱さをしみじみ感じます(笑)。 でも実際、再婚相手を妻の自分が知らないうちに選ぼうとする夫をどう思いますか?

平井:
そこはやっぱり、自分で選びたいです(笑)。

後藤P:
ですよね(笑)。

木村:
それが修治の愛情なんでしょうが、納得がいかない(笑)。

後藤P:
というような女性の反発にも配慮して...というわけではありませんが、 今回の劇伴音楽は多くの女性から共感を得ている平井さんにお願いしました(笑)。 ところで、今回は、どういうイメージを描きながら作曲されたんでしょうか?

平井:
原作と脚本を読んで、真っ先に浮かんだのは晴れた空を見上げる清々しくて優しい気持ちでした。命が消えてしまう悲しい話なのに、 笑顔がいっぱいあって、あたたかな空気がそこにあるのを感じていたので、それを音楽で表現したい、と思ったんです。

木村:
撮影現場に行く車の中で、毎日ずっと平井さんの音楽を聴いていたんです。ふわっとあたたかくなれて、とても気持ちよく撮影に入ることができました。

平井:
ありがとうございます。今回、ドラマの音楽を初めて担当させていただきましたが、 映画のように完成した映像に当てて作るのではないやり方に最初は少し途惑いました。

黒沢P:
連続ドラマでは撮影と同時進行で音楽録音するので、完成映像は前もって見れません。 だから、イメージをつかむのが難しいかもしれませんね。

平井:
はい、そのあたりは深川監督と何度も話し合ったり、撮影現場に足繁く通ったりして、みなさんとイメージを共有できるように努力しました。

木村:
ほんと、あんなに現場にいらっしゃる作曲家の方はじめてでした(笑)。

平井:
度々おじゃまして、すいませんでした(笑)。 でも、内村さんと木村さんのお芝居を実際に拝見して感じた、修治と彩子がこれまで過ごしてきた、 重ねてきた「夫婦の時間」をいろいろな曲に込めたつもりです。

後藤P:
みなさん、お気に入りの曲とか、ありますか?

木村:
私は、修治が余命を告知されて家に帰ってきた時に流れる曲が好きですね。 どことなくユーモラスな響きがあって、悲しいけれど悲しくない感じ(笑)。 悲しい気持ちが音楽によってほどけて、日常に引き戻してくれる気がします。

平井:
あの曲が、あんな感じで使われるとは、実は考えていませんでした。

【番組ホームページで「人生の日暮れ」を再生する】

黒沢P:
僕は「どうせうどん」の音楽が好きですね。

後藤P:
あ、盗られた(笑)。

黒沢P:
「どうせうどん」というのは、劇中で彩子が修治のために作るうどんのことなんですが、夫婦愛の深さ、絆の強さを感じますね。

【番組ホームページで「どうせうどん」を再生する】

平井:
「どうせうどん」の曲は、脚本を読んですぐに作った一曲です。 その後しばらく寝かせておいて、改めて聴いてみると「どうせうどん」のシーンのイメージとピッタリ重なったんです。 シーンに合わせて描いたわけではなかったんですが、これだけはどうしても「どうせうどん」のところで使ってほしくて

後藤P:
私はこの「どうせうどん」という言葉が大好きなんです。「なに食べる?」「うーん」「どうせ、うどんでしょ?」「なんだよ、どうせって」 「じゃ、なに食べる?」「じゃ、どうせうどんお願いします」「はい、どうせうどんね」 という夫婦の会話が第1話であるんですが、これほど端的に、しかも深く愛を表現した言葉はドラマ史上に類を見ないと思うんです。 そういう意味では、このシーンを撮れただけでこのドラマをやってよかったと(笑)。

木村:
そんなにですか(笑)。

後藤P:
はい!それに、このシーンの木村さんがとにかく可愛い。 それはもう、びっくりするくらいに。さらに、平井さんの曲が夫婦愛のかけがえのなさを増幅させるんですよ。 「どうせうどん」についてなら、あと3時間は語れます(笑)。読者のみなさん、「どうせうどん」はドラマ後半でもグッとくる場面で登場しますから、 ハンカチをご用意してお待ちください。

平井:
思い入れがすごいんですね。曲も気に入っていただけて何よりでした(笑)。

後藤P:
しかし、音楽のチカラは大きいですね。シーンを盛り上げるだけでなく、ドラマ全体の良し悪しに大いに影響しますから。

平井:
責任重大ですね。
今回は、私も現場で一緒に参加している気分を味わいながら、イメージを膨らませていきました。 その中で、ふとサックスを使いたいと思いついたんですが、監督とお話した時に、「サックスなんかイイと思うけど」と言われて、 「あ!同じイメージだ!」って、すごくうれしいかったし、作曲の方向性に自信が持てました。かなり自由にやりたいことをたくさんやらせていただけたので、 曲がどんどん溢れてきて、誰かに止めてもらわないと、曲制作が止まりませんでした(笑)。

後藤P:
監督の話題が出たところで、木村さんにお伺いしたいんですが、深川監督は、役者さんから見てどんな監督でしたか?

木村:
監督自身が現場に入る前にいったん自分の中でそれぞれの役の心情を体感して、それから演出をなさる憑依型と言いますか(笑)。

黒沢P:
現場で見ていると、テストが終わるたびに役者さんのそばに行って、耳元でボソボソと何かささやいているようですが、あれは何を?

木村:
私たち役者がちょっと迷っているような時、とても具体的な言葉で今表現するべき感情はこうじゃないか...という指示を与えてくださるんです。 たとえば、「薄い氷の上を歩くような感じで」みたいな。

後藤P:
まさにアーティストという感じですね。

木村:
ええ、それに役者に寄り添いながら、つねに謙虚に接してくださいますね。でも、最終的には自分の思い通りに進める人です(笑)。

後藤P・黒沢P:
(木村さんのコメントになぜかうれしそうに、ウンウンとうなずく)

木村:
じつは、サディスティックなところもあるんですよ。ドラマはシーンを細かく区切って撮影することが多いんですが、深川監督の場合、長回しでカットをかけないから、アドリブを延々と続けなくちゃいけなかったり。心の中で「使わないでしょ―!!」って叫びながら、必死でアドリブを絞り出していましたよ(笑)。案の定、使われませんでしたし(笑)。 でも、長回しで思わぬ感情が生まれたり、アドリブが自然に出るくらいに彩子を自分の中に作っていくことができたと思います。

後藤P:
ありがとうございました。
では最後に、2話以降の見どころをひと言ずつお願いします!

黒沢P:
台本のタイトルを見て「こんな大きなお世話、主婦にはウケないわよ」と言っていた妻が、第1話の放送を見て泣いていたので、 思わずガッツポーズしました(笑)。素晴らしい役者さんやスタッフのお陰で、皆さんの心に響くものができたと確信しています。

平井:
日曜日の夜に、リラックスして見ていただきたいですね。「今週も楽しかったな」「また来週も楽しくいこう」と思えるパワーになれたらいいな、 と思います。自分の音楽がどんな風にドラマに色を添えているのか、私自身も楽しみながら観たいと思います。

木村:
とても心を揺さぶられるドラマですし、とてもHappyなドラマです。私自身、これほど笑ったドラマはないというくらい、 ずっと笑っています。泣いても笑っています。人生を楽しんで生き抜いた人、 これからも生きていく人たちのドラマを、ぜひ、見守ってください。

後藤P:
笑いと涙は表裏一体と言います。死というシビアな問題を描いていますが、死という悲しい運命に抗って笑って前を向いて生きていく 人々を見てほしいですね。そして、「どうせうどん」をお見逃しなく(笑)。このシーンを見れば、 夫婦っていいなあ、結婚したいなあって思うかもしれませんね。

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結局、「どうせうどん」に注目!が結論? いえいえ、他にも見どころが盛りだくさんなのです。妻の婚活に奔走する夫の終活とその結末を、 どうぞ、見届けてください。
プレミアムドラマ『ボクの妻と結婚してください』は、BSプレミアムにて、毎週日曜、午後10時から放送中です!!

第1話 再放送:5/16(土)午後11時45分~ BSプレミアム

『ボクの妻と結婚してください』番組ホームページへ


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