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アラフォーだから美しく写る! 「ビターシュガー」3女優と江森康之流写真術

アラフォーだから美しく写る!
「ビターシュガー」3女優と江森康之流写真術

まだ30代なのに「プロフィール写真が40代後半に見える」と言われた、女優兼ライターの芳賀めぐみです(泣)。
新ドラマ「ビターシュガー」のエンディングの写真を見た時、何だか体験したことのない驚きがありました。
そう、「女優さんたちに"年齢を感じさせる"自然な美しさがある!」と思ったんです。アラフォー世代だからこその美しさが出ているんですね!!

私も、あんな風に、等身大に、自然に美しく撮られたい!!
...というわけで、カメラマンの江森康之さんご本人をお招きして、「江森流の写真術」を伺いながら、写真うつりが良くなるヒントをちゃっかり盗んできました!


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江森さんの撮影した、鈴木さん・りょうさん和久井さん。
三人それぞれの個性が、自然な感じで浮き出ています!


ラフな髪と、印象的な目。
まるでご本人と語り合っているような気分にさせてくれます。


和久井さんといえば「ちりとてちん」の糸子さんのイメージの方が多いかもしれませんが、
こちらは「おかあちゃん」という感じではなく、一人の凛とした女性。


いま何を考えているんだろう?
自然な鈴木さんがそこにいる、と感じた一枚。

同じようなポージングなのに、やはりそれぞれの「美」が出ていますよね。
こんなふうに撮られるアラフォー女性って、素敵過ぎます…!

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インタビューの当日。番組プロデューサーの後藤さん(以下、後藤P)といっしょに、江森さんがNHKドラマ部に現われました。
「とても物静かだけど、眼に力がある方だなあ!」というのが第一印象です。

江森さんの写真には、その人の自然な魅力が浮き出ているという特徴があります。良い意味での"年齢を感じさせる"美しさがあるのですね。
の年齢だからこその美しさを、確実に切り取るコツとは何なのか? 女優として、写真うつりが悪いと言われ続ける1人の女性として、インタビューにも俄然力が入る私なのでした!

■3女優の写真から「魅力の引き出し方」を学ぶ

芳賀 りょうさん、和久井さん、砂羽さん。それぞれ素敵な女優さんですが、江森さんがファインダーを通して見た、三人それぞれの印象を教えてください。それから、撮影の際のエピソードや、撮影のポイントなんかも知りたいです!

江森さん りょうさんは、フィーリングが合ってくると雰囲気が柔らかくなる人でしたね。とっても真面目な方だと思うのですが、その部分が出てしまうと少し堅い気がします。 そこから崩れていった肩の力が抜けて柔らかい感じ、それが自分にとっての、りょうさんの写真のゴールでした。

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肩の力が抜けた柔らかい感じ、が素直な美しさに溢れた写真につながったのですね。撮られる方も過剰な演出をしない! 堅苦しくならない! ことが大事ですね。

江森さん 和久井映見さんからは、なんというか「私は"まり"」という女優魂を感じましたね。和久井さんの撮影は銀座の街中で行ったのですが、ただ歩いてもらうより、何かシチュエーションを伝えた方が生き生きするだろうと考えました。 要するに、"まり"という「役」の素顔を撮ろうと思ったんですね。

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役を通しての素顔、という考え方にまず驚きました! カメラの前では緊張してカタくなってしまう...という方は、「何かの役になりきってみる」というアプローチの方法もあるかもしれないですね。 そして余談ですが、江森さんは銀座での撮影中、鏡になっているショーウィンドーの前を通るように和久井さんにお願いしたそうです。理由はもちろん、いい光が回るから。 この「いい光を見つける」というセンスも、プロの技なのですね!

江森さん 鈴木砂羽さんは、ずっと「普通」でいられる人でした。 「この写真本当に使うの?」とか、思った事を全部口に出されるのも、実はやりやすい面があります。写真家として、どこかで対等でいたいという気持ちがあるのですが、砂羽さんには「そのポーズはやり過ぎ」とか素直に言えて、フランクにコミュニケーションできる、という感覚でした。

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気の置けない雰囲気・活発なコミュニケーションがあればこそ、生き生きした写真が撮れたようです。私も、もっと自然に自分をさらけ出していこうと思います!

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■「自然な美の秘密」をさらに掘り進む

3女優のエピソードを通じて、写真を撮る・撮られるヒントが出てくると同時に、江森さんのお人柄や「自然な美の秘密」がジワジワと伝わってきます。
写真論について、さらに深くお伺いしようとしたのですが、「写真のこと話すのって、苦手なんですよね...」と、あくまで控えめな江森さん。では代わりにと、後藤Pが江森さんについて話してくれました。


最近、ダイエットに成功した後藤P

後藤P 江森さんは、集中力の高い方だと感じました。ドラマの撮影の合間の3~5分、という時間のない状況で撮影してもらったのに、どれもこれもが役者の魅力を最大限に引き出しているのにビックリして。3分でここまで凝縮したものが表現出来るのなら、俺たちはもっとやらなくてはと思いましたね(笑)。

芳賀 ...と、後藤Pがベタ褒めされていますが、江森さんは写真を撮る前に、まず静かに被写体に話しかけられるそうですね。

江森さん そうですね、その人の魅力を引き出すためにはどうすればいいのか?と考えた時、呼吸が整った状態、穏やかな状態でいて欲しいなと思うんですね。 なので、まずは目を閉じてもらって、撮る前の時間をたっぷりとって、語りかけて、相手が「良い状態」になってから撮るようにしています。

芳賀 先ほど「まず穏やかな状態を作る」とお伺いしましたが、その後は一転して、江森さんも被写体も、動きながら撮る事が多いそうですね。

江森さん 被写体の動きが止まっていると、だんだん慣れてきて"ポーズ"になってしまうんですが、動いてもらうと、そのうちポーズが甘くなって、肩の力が抜けて、その人の「日常」が出てきます。 僕としてはポーズではなく、何もしない素の状態を作って欲しいので、どんどん動いてもらって、その人の底にある何かが出てくる瞬間を待つんです。

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確かに、緊張していると力が入って、肩が上がっちゃいますね。 思い返してみれば、私もこれまで、思いっきりポーズをとっていました。
「実物の方が良い。メガネかけてると+10歳」
と言われるのはそのせいだったのか... そして体がカタい...止まって、そしてほぐす。これですね。


芳賀 女優さんだけでなく、ロケ先の町の人々や、テストで撮影したという後藤Pの写真も、凄く素敵ですね。江森さん的に「こういう人をこう撮りたい」という好みはおありですか?


後藤Pを使ったテスト撮影と、本番の写真です。
テスト版もテストなのに十分素敵...すごいですね!

江森さん 撮りたい人、というのは特にいないのですが、撮りたい瞬間はあります。 (先ほどの後藤Pが写っている)テスト写真を撮った時も、最初に後藤さん達と向き合って、十分にコミュニケーションをとってから、相手の静かな何もしない輝く瞬間を待ちました。輝く瞬間は誰にでもあるんです。過ぎちゃったと思う時もありますが、それならば、その瞬間をまた待ちます。

芳賀 「準備して、とことん待って、何も考えず出てきたものを撮る」のですね。 ドラマのスチール撮影ですと、撮影の合間のガチャガチャした、あまり良い状況ではない中での撮影かと思いますが、苦労されたのではないでしょうか。

江森さん (スタッフさんに)「今から江森さんタイム!」と言って貰えて、「今は写真の時間だから」と現場の皆さんが居場所を作ってくれたので、短い時間でもいいものが撮れました。スタッフのみんなが同じ方向を向いていないと、時間がかかってもいいものは撮れないんですよね。

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■「撮る」ほうのコツも解ってきました!

芳賀 今までの話から「コミュニケーションをとって信頼関係を作る」のが、いい写真を撮る・撮られる第一歩なのだなと感じました。であれば、家族の日常風景なんかを自然に撮れば、いい写真が撮れそうですよね。

江森さん そうですね。日常の隙間の、なんの気ない一瞬の写真がなんかがいいな、と思います。たとえば、子供が移動する瞬間とか。 うまく撮るとか、綺麗に撮るとかは考えずに、「撮りたい」という欲求だけで十分だと思います。構図やポーズなんかは狙い過ぎると臭くなるので、結果として「見ていて飽きる」写真が出来てしまいます。ずっと見ていられる写真っていうのは、自然な一枚であることが多いですね。 余計な指示をしないで、その人の素が出るのを僕は待ちます。撮られる方もカメラを向けるだけで変わってしまうので。

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記念写真のようなガチガチのシチュエーションより、日常の瞬間を狙え!ということですね。たしかに、スタジオで大きなストロボを使って「ピシッ」と撮るより、街中で「ふわっ」と撮ってもらった方がリラックスできますね

芳賀 そのほかに、技術的なコツなどはありますか?

江森さん ライティングはこだわりますね。外で撮っていても、「なんか雰囲気がいいな」っていう時は、だいたいその場所の光が良いんです。ストロボとかの照明がなくても、顔の向きを変えて、光が当たる位置を探すだけで全然違う写真になります。

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大がかりな照明が使えなくても、日常にある良い光を探して、その中に被写体を置くのですね! 携帯のカメラなんかで自分撮りをすることも多いのですが、その時にも応用したいと思います!!

江森さん 風景の場合もそうなのですが、自分の勘を信じる事が大事だと思います。 たとえば「目の前にある凄い風景をどう切り取るか」という時には、あまり考えすぎずに、なんとなくこの辺がいいな、という自分の勘を信じてみてください。

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素直に、自分の勘を信じることが大事なのですね。 狙い過ぎるとくさくなるそうなので、本能に従って思い切ってシャッターを押したいものです。撮られる側としても、自分を信じて素の私をさらけ出したいと思います!!!

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■最後に芳賀が撮ってみました!

江森さんのお話を伺って、「親子や恋人のような、対等で心地よい関係性を瞬時に作れるのがプロ」なんだな~としみじみ感じました。そして、
「ビターシュガー」の三女優の写真が、どうしてナチュラルで美しいのか
も、よく解りました。
江森さん、本当にありがとうございました!

そして最後に、「いま学んだ江森流の写真術を活用して、芳賀が写真を撮ってみる」ことにしました。
モデルはもちろん、江森さん(中央)と後藤P。そしてインタビューを見守ってくれた「ビターシュガー」スタッフの前田さんにも加わって頂きました。

いかがでしょうか?
素敵なおじさま・お兄様の写真になったと思います!

「人間を撮りたいんです。写真って何なのかっていつも考えているけど、ぶっちゃけ何も分からないし、話せないものなんですね」

...と話しながらも、じっくり考え、真摯に答えてくださった江森さん。
みなさんも番組に登場する、江森さんの入魂の写真をチェックしてみてくださいね!

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【関連リンク】
よる☆ドラ 「ビターシュガー」
総合 毎週火曜 午後10時55分から
よる☆ドラ 「ビターシュガー」 HP

 


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