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ユースケ・サンタマリアさんに直撃! 「悦ちゃん」『すごく気に入ったから、一字一句変えずにやろうと』

アシスタント・プロデューサーの岸本麻衣が、主人公・碌太郎を演じるユースケ・サンタマリアさんに「悦ちゃん」の魅力について聞きました。


岸本:
初めて『悦ちゃん』の台本を読んだ時の印象はいかがでしたか?

ユースケ:
自分のことを棚に上げて、脚本にはうるさいんですよ。脚本家の方にもいろいろ制約があることは分かっているから、そういうことを差し引いて台本を読むようにしているけど、最近面白いと思える作品が少なかった。でも、『悦ちゃん』はすごくいいなと思いました。連続ドラマにしたら面白くなる話になっていた。

プロットの段階から、すごく気に入っちゃってね。脚本家の櫻井剛さんは、豊かですごくすてきなセリフを書かれる方です。脚本と小説は違うし、文章とセリフも違うし、読む分にはいいセリフが、口に出したら絶対にこれおかしいよってこともあるんですよ。

プロの役者なんだからやれって言われればできるけど、でもこのセリフおかしいでしょってことはいっぱいあるから。そういう面では、とてもしゃべりやすい、一度読むと覚えた気になっちゃうような脚本なんです。面白いからするする読めてしまって、それ実際に演(や)ってみようとすると、覚えてないってなるんだけど(笑)

 

岸本:
土曜時代ドラマに枠名が変わって、初めての「昭和」時代ですよね。

ユースケ:
なにより話の内容もものすごくいいし、いま、こういう話はありそうでないです。時代劇をやっていた時間枠で、時代物とはいっても昭和10年の物語は、懐かしい気持ちにもなるし、新しいとも思うし。なかなかやるチャンスないからね、昭和初期なんて。戦争モノは結構あるけど、その前のモボモガの時代なんてなかなかないじゃないですか。僕もこれまでやる機会なかったから。

すごく気に入ったから一字一句変えずにやろうと思いました。話の展開もすごく良いし、回を重ねるごとに、どんどんどんどん面白くなっていっている。「悦ちゃん」ってタイトルも、タイトル題字の字体にハートがあしらってあって、それだけで暗い話ではないだろうなってことは分かる。だけど、しっかり大人の話も盛り込まれていて、「悦ちゃん」というタイトルと、悦子の存在が、いろんなものを面白く変えてるんですよ。

悦子がいなかったら、普通の昭和ラブストーリーみたいになってしまうんだけど、悦子というフィルターを通って違うものになる、面白いものになっていると思います。

外出先から柳家へ帰ってきた碌太郎(第1回より)

岸本:
完成した第1回を見て、台本を読んだ時との印象に何か違いはありましたか?

ユースケ:
脚本が面白いから、もちろんもっとよくなった。

監督がやっぱりこの「悦ちゃん」の魅力をすごくよく理解してくれている。第1回で碌太郎と悦ちゃんが喧嘩するシーンがあるんだけど、俺は最初、悦ちゃんをやんわり怒る言い方にしたんだよね。そしたら監督に「もっと本気で怒ってください」って言われて、強く怒鳴る言い方に変えました。

碌太郎と悦子って親子だけど、友達というか、相方というか。普通の親子の関係ともまた違う。

 

岸本:
ここに注目してほしい、というポイントを教えてください。

ユースケ:
たくさんあるけど、個人的には女性キャラクターですかね。悦子、鏡子、カオル、春奴は、特にみんなキャラクターが違っていて面白いですよ。

男が女性に求める要素は母性、ミステリアス、色気と3つあると思うんですけど、それぞれがその役割を担っている。包み込んでくれるような、まさに母性の人であるのが鏡子。何考えているか分からなくて、手が届くのか届かないのかも分からないミステリアスさをカオル。そして、少しセクシュアルというか色気があるのが春奴。春奴との関係は恋ともまた違って、友達というか何でも言い合える仲って感じですけどね。

本当にみんな、いいキャラクターですよ。

ぐっすり眠る悦子の寝顔を眺めている碌太郎も幸せそう(第3回より)

岸本:
女性目線で見ると、碌さんみたいな人はいるというか、そんなに「しみったれ」には見えないのですが、ユースケさんから見て、碌太郎はしみったれですか?

ユースケ:
本当にしみったれているわけではなくて、このキャラクターたちの中ではしみったれ担当ということだと思います。

しみったれってどういうことですかって聞かれたりするけど、明確に言葉として説明は俺にもできないですし。だけど、俺の中では「生乾きの洗濯物」のイメージですね。だからカラッと乾いているときもあるけど、じめじめしているときもある。むかし「もっと泣くわよ」でヒットを飛ばしたときは、乗りに乗っていたけど、それから比べたらいまはしみったれている時期。だから、碌太郎は根本的にしみったれているわけではないと思うんです。

「悦ちゃん」って雨のシーンで始まるでしょ?それもすごくよく心情を表していると思うんですよ。だから、「よし、頑張るぞ!」って思ったときは、晴れて大きな虹もかかっていますしね。

墓参りの帰り道、雨の止むシーンではそれまでの雨が嘘のように本当に止んだ(第1回より)


最終回までに、碌さんの心に大きな虹はかかるのか!?
ますます目が離せない土曜時代ドラマ「悦ちゃん」。
次回は8月12日(土曜日)の午後6時5分から。引き続き、お楽しみください!

→「悦ちゃん」番組ホームページへ


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