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「はつ恋」伊原剛志さん 緊急インタビュー【後編】

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「はつ恋」伊原剛志さん
緊急インタビュー【後編】

伊原さん...いえ。
三島先生インタビューの前編、いかがでしたでしょうか?
後編では「三島の部屋でのキスシーン」「バス停で泣く緑をそっと抱くシーン」など、名シーンの裏側や、登場人物の心の動きについて、伊原さんとスタッフが熱く語ります。
ドラマについて、三島について、もっとよくわかるインタビュー後編。それではお楽しみ下さい!

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というわけで、今回も能書きはナシ!
いきなりインタビュー本編に入ります!

言葉を失った三島について...
編「でも実際、5話からは言葉が出ないわけですよね」
伊原さん(以下、伊原)「これはね。まず、僕は三島役を受けると決めてから、手術の見学に行ったんですよ。そうしてスーパードクターの三島を作っていった。そして今度は、リハビリセンターに見学に行って、実際に失語症の患者さんとお会いしたんです。そこで、ある人に言われたんです。『この病気になって、一つだけいいことがあった。昔の僕はワガママで、僕のことをみんなが怖がっていた。今は、凄く優しい自分になれている。人といい時間が作れる』って言われて。それがすっごく僕の中に残って...」
編「なるほど」
伊原「そして、三島を演じてみてわかった。あれだけのキャリアがある人物が、言葉がしゃべれない、言いたいことが言えないというのは、本当にツライんですね」
編「見学と撮影を通じて、三島のキャラクターが出来たんですね」
伊原「そしてだんだん伊原自身もツラくなってきて、リハビリ室から出るたびに、木村さんとしゃべりまくるようになっちゃった(笑)。だからこそ、苦しい・情けない・言葉にならない・自分を責めたい、そういう感情を伝えたいと思いましたね。6話はそれが出ています」
編「視聴者の方にも『ここで緑にこう言えば...でも言葉が出ないんだ...』と、感情移入していただけるかもしれませんね」
伊原「そうですね。あと、ひとつ面白いと思ったのは、普段の撮影と違ってセリフが無いので、相手の言葉を集中して聞けるんですよね。言葉って感情から出て来るものだな、芝居ってそういうことなんだな、ということを確認するいい機会でした」
編「しかし、6話以降はみどころがいっぱいですね」
一木ディレクター(以下、一木)「いま、7話を編集しています。やっぱり伊原さんがセリフを喋った後、相手が何を言うかっていう部分。この真剣さがハンパじゃないですね。言葉数が少ないので、研ぎ澄まされた本質が出て来る。伊原さんが話した後の緑の表情、その後の受け答え。これが物凄い真剣なんです。これはもう、あり得ないくらいのドラマチックさになっています」
小松プロデューサー(以下、小松)「知りたい、伝えたい、の真摯さが...」
一木「相手を見る目が物凄いです。三島さんも緑さんも、瞳孔が開いちゃってるのかと思うくらい。黒目が大きくなってると思いますよ」
小松「これは、違った意味でのラブシーンなんです。家庭、そして子供がいるのに、三島に対する気持ちにあらがえない緑。この心の動きを見ていただきたいです」

三島派と潤ちゃん派
編「しかし男性的には、潤ちゃんが可哀想というか...三島の部屋で潤ちゃんと三島が会うシーン、これは気が悪い?ですよねえ」
伊原「そうだよね。男の人の声があんまり聞こえてこないドラマだから、そういう声も聞いてみたいね。夫婦で見ている人とかから」
小松「このドラマは面白くて、必ず『誰かに感情移入して見る』ドラマなんですね。この番組の男性スタッフは、みんな初めは潤ちゃん派。でも最近は...(笑)」
伊原「前はけっこう、女性は三島で男性は潤、ではっきり別れてたのにね」
編「三島の弱さというか、背景が解ってきて、三島を許して応援するようになってきたんですかね」
伊原「そうだね。過去に苦しんだというか、大きな力にあらがえなくて、今の状況に追いやられた、というのもあるし...」
小松「大学の中の人間関係、みたいなことがたまに出て来ますよね。あれは男性からすると、三島に共感できるというか、何かを察することが出来る部分なのかもしれませんね。そして、そういった仕事のしがらみを緑に話さない、という部分も...」
編「あとは子供、も大事ですよね。潤ちゃんと緑に子供がいなかったら、全然違った話になってましたよね?」
伊原「またあの子が可愛いからね。あのチビがもう、芝居じゃないくらい自然だから。ほんと、あの家庭が壊れると思うとキツいですよ」
編「三島は『相手の家庭が壊れる』という背徳感を持っていると思うんですが、それが緑とのドラマチックな緊張感を出しているのかも知れませんね」
伊原「それもあるよね。でも、『緑の幸せな家庭を壊したくない』っていう言葉は本心からだろうとも思う。だけど一瞬、運命が二人を近づけて、あとで後悔せざるを得なくなる。そういうのがリアルさを出している。そして、4話で三島が緑を抱きしめてしまうんだけど、あれはもう仕方ないんですよね。そして抱きしめ返してくれると、もうキスしてしまうんですよね」
小松「あれはしょうがない」
一木「しょうがないですよね」

編「あそこでキスしなかったら、逆にないだろう、って話で」

三島の部屋でのキスシーンについて
伊原「あのキスシーンだけど、撮影前に僕と、第4話の井上監督と、木村さんの3人でよく話しあったんですよね。どんなキスシーンにしようかって。その時に『美しくしよう、大人のキスというより、触れるだけで精一杯の、高校生みたいな儚いキスに』って声が出た。でもいざ始まってみると、僕自身が『ちょっと違うんじゃないかな』という気になってきて...」
編「普通はそこで監督さんの意見を聞きますが...」
伊原「うん。でもやっぱり女性からの意見を聞きたいと思って、男性の井上監督ではなく、女性の一木監督に聞きに行ったんですよ。そしたら一木さんは『ちゃんとしたキスのほうがいいと思います!』って言ってくれた。だから、ああいうキスシーンが出来た」
編「三島が主導的に、緑をグッと引き戻しましたよね。あのグッ!が凄く大事だと思います」
伊原「そうそう」
一木「ですね。で、あのグッ!からギュッと抱き返してきたら、もう自分なら、そこでガッチリ捕まえてほしいですよね」
小松「一木さんからの指導は相当熱が入っていたらしいですよ」
編「あのー、井上監督の回ですよね(笑)」
一木「いやー、まあそうなんですけど(笑)」
伊原「僕も井上監督に失礼だと思ったんだけど、女心は女にしかわからない!っていうことで。一木さんの『ちゃんとしたキスのほうがいいと思います!』には、みんな大爆笑で、井上さんもそうかそうかと納得でした(笑)」
編「あのギュッ!グッ!は大正解だと思いますよ」
小松「あそこは緑も一瞬抵抗するんだけど、すぐに自分から...」
一木「そうそう。緑が手を伸ばしたじゃないですか。そしたらもうガブッ!ガブッ!と行ってくれと。行ってあげてくれと。女性ならそう思うじゃないですか!」
編「でも、もう一歩でいつも邪魔が入る」
小松「そうそう、いつもの野田!(笑)」

抱きしめのコントラスト
編「力強いキスシーンの三島と、バス停のシーンでおそるおそる緑に手を伸ばす三島は、なんというか対照的ですね」
伊原「あれはもう、色々と考えました。手が肩にギリギリかかる距離を逆算して、三島の座る位置を決めたり。そうしないと、三島の気持ちは表現できない」
編「ぐわっ、とではダメですね」
伊原「そうそう。ぐわっと行ったら、もう2人でどこかに行っちゃう。あの距離で、あの抱き方だから、決別なんですよ。だからこそ、また戻ってきたときに運命を感じるわけです。あの時の三島は、もうここで終わりだと本当に思っていた」
編「それから緑はメールを消して、10ヶ月経って、第5回のラストに...登場人物の心境は、揺れに揺れますね。確かに伝わってきます」
伊原「そうそう。うちの女房に言われたんだけど、あのメールを消すシーンはグッとくるみたいだね。あの削除のボタンを押す間とか、風呂場でダンナと子供の声が聞こえてくるところとか、もう何とも言えないらしい(笑)」

第6話以降のみどころも...
編「このあたりで、第6話以降の見どころを教えていただきたいのですが...」
一木「そうですね、今まで持っていた、スーパードクターのオーラをそぎ落とした三島。言葉を研ぎ澄ました三島。そういう彼に残る、人間としての本質。彼はいったい何を求めているのか。そして緑は、母性と女性の葛藤に戦う...それが6話なんですよね。そうして7話につながって...」
伊原「7話は一木さんの担当だからね。これだけ女心を知り尽くした一木さんの(笑)」
編「伝説のグッ!に続く名シーンが見られますか?」
一木「さらにドキドキしてもらえると思います!」
編「三島先生的にはいかがですか?」
伊原「6話は、本当に三島が切ない回ですね。情けなくて...見ている人も、きっと『三島先生』から『三島くん』に呼び方が変わると思います」
小松「本当に『三島くん』になりますよ。三島のピュアな部分がどんどん出て来ます。それを目の当たりにした緑の反応も切ないんです。そこは母として、言語聴覚士として、一線を引かなければならない自分がいる。でも三島くんの目や、表情が、そうさせない...この緑の葛藤は、もう、なんというか『見ちゃう』と思います」
伊原「今まで役者をやってきて、ここまで人間の弱さを出したのは、三島役が初めてじゃないかなと思います。それを表現できたんじゃないかと思います」

最後に、皆様にメッセージを...
編「最後に一言ずつ、ホームページをご覧の皆様にメッセージを...」
一木「掲示板、見ています。映像とか、お芝居とか、色々褒めていただいてありがとうございます。素晴らしいお芝居をする役者さんと、それを一気に撮りきれるスタッフ。奇跡的なコラボレーションが出来ていると思います。それがラストに向かって、緊張感のあるドラマを作り出しています。ご期待ください」
小松「ドラマを作っていて面白いのは、役者さん同士のやりとりが、思わぬ方向に展開していくところだと思います。今回は恋愛ものなので、役者さん自身にも解らない→理屈では整理できない色んな感情が、やりとりの中にあらわれてくる。65話以降、それがもっともっと強まっていきます。ぜひ、最後までご覧下さい。あと、皆さんからの掲示板の投稿、すごく参考にしています」
伊原「多くの人が見て下さっていて、嬉しく思います。今は本当に、凄くいい環境で芝居が出来ています。役にスッと入れる環境です。一番いい演技を映像に残してもらっていると思います。丁寧に気持ちを込めて作っているドラマなので、今後ともよろしくお願いします!」

いよいよ第6話、7月3日放送です!
というわけで、三島先生緊急インタビューはいかがでしたでしょうか。
インタビューにもあるように、これから緑と三島、そして二人をとりまく色々なものが、大きく変化を始めていきます。ぜひぜひ、お見逃し無く!
第6話は2012年7月3日放送予定です!

 

→記事の前編「はつ恋」伊原剛志さん 緊急インタビュー【前編】
ドラマ10「はつ恋」HP


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