NHKドラマ 天使のわけまえ

ドラマのみどころ

【ドラマのあらすじ】

 くるみ(観月ありさ)は結婚を約束した和也(細川茂樹)に全財産を持ち逃げされた。新居は契約されておらず、仕事もやめたばかり。両親と縁薄く、田舎の祖父(大滝秀治)には頼れない。

 呆然とするくるみを見かねて声をかけたのは、工事現場の交通誘導員のおっさん(イッセー尾形)だ。くるみは和也のために作った手製のおはぎをおっさんに渡す。ひとつつまんだおっさんの目に驚きと同時に大粒の涙が浮かぶ。ここから、孤独なくるみの再生の物語が始まった。

 おはぎ→お弁当→料理教室→ホームパーティのケータリングと、わらしべ長者のように人と人との出会いに支えられ、「ごはん」を一生懸命作っているうちに、食で人生を切り開く手ごたえをつかんでいくくるみ。

 一方、くるみの前に和也の息子、中2の康太(野村周平)が現れた。「なんで?!」とぼやきながらも行き場のない中学生を追い出すわけに行かず、一つ屋根の下に暮らし始める二人。思わぬ事態にぶつかり合いながら、寄る辺のない者同士、いつしか家族のようになっていく。しかし「必ず帰る」と言った和也の行方はようとしてつかめず…

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作者のことば…吉田紀子

 フリーで仕事をしていると、時々ふと「よくぞ私はここまで行き倒れることなく生きてこられたな」と、不思議に思うことがある。

 一介のOLだった私が、シナリオと出会い、今日まで仕事を続けてこられたのは、ひとえに"人のご縁"のおかげである。これは、大げさでもなんでもなくそう思う。


 ひとつの小さな出逢いが、人生を思いもよらぬ方向へ導き、豊かにしていく。そんなドラマが書きたかった。

 そのきっかけが、主人公のつくる「おはぎ」だったら、どうだろう? そんなところから、この物語は始まった。


 「食」「縁」「待つこと」「孤独」「家族」「情」「愛」。

 ドラマの中に、私なりに様々なキーワードを散りばめたつもりである。ドラマを見た人が、登場人物の誰かに自分を重ね合わせ、それらの「言の葉」に、ふっと心を揺らしてくれたら素敵だなと思う。なぜなら、それもまた、ひとつの出逢いであり"ご縁"に違いないからだ。

演出のことば…佐藤峰世(NHKエンタープライズ)

 "自分の周りにいる人々を幸せにし、その人々の笑顔によって自分も幸せになり、明日を生きる勇気をもらえる" そのきっかけが料理だったら!人が生きて行くうえで大切な「衣食住」のなかの「食」を重要な要素とした作品です。料理は、おかゆ、おはぎ、唐揚げ、太巻き、ロールキャベツなどの普通の料理。優しい人の輪が広がります。

 35歳の女性が「結婚」という夢に破れ、「食」を媒介とする人間関係を新たに作りながら、自分の居場所を見出して行く物語です。彼女は母親に捨てられた幼児体験を持つ故に、責任感が強く、人を信用できずにいるが、またそれ故に人を信じたい願望にとらわれている。人は時に嘘をつくが、思いのこもった料理の味は嘘をつきません。

 料理を作る過程も丁寧に撮影しました。暖かいドラマをご賞味下さい。

制作のことば…岡本幸江(NHKエンタープライズ)

 精一杯がんばっているのにうまくいかないこと、ありませんか?もう自分の力ではどうしようもなくて途方にくれること、ありませんか?そんな時、そこに踏みとどまるためにできるのは「ごはんを食べること」と信じて作ったのがこの作品です。一歩踏み出せなくても踏みとどまれさえすればいつか晴れ間が見えてくる。そう信じたいと強く思います。また飯島奈美さんが手がけてくださった普段着の料理の数々を見て、私自身家族や友人と食事をともにした何気ない、でも幸福な時間をいろいろ思い出しました。人は誰かと何かを分け合ってこそ生きていける。くるみのゆっくりとした、それでいて力強い再生の旅にお付き合いいただければ幸いです。

NHKドラマ 天使のわけまえ

NHKドラマ 天使のわけまえ

総合テレビ 毎週火曜午後10時

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