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ドラマ「名探偵 赤富士鷹」(あかふじ・たかし) 12月29日・30日放送!


「名探偵 赤富士鷹」は、2005年12月に放送された、過去の番組です。

以下は放送開始前にご案内した過去の情報で、日付・予定などは現在のものではございません。




本格ミステリー 年末2夜連続放送!
複雑な事件、広がる謎・・・果たして犯人は誰だ?
"ミステリーの女王"アガサ・クリスティーの名作2作品のドラマ化

アガサ・クリスティーのご存知「名探偵ポワロ」シリーズから「ABC殺人事件」と 「ゴルフ場殺人事件」をドラマ化。
事件の時代設定は、アガサ・クリスティーが「ABC殺人事件」を出版した昭和11年(1936年)。ヨーロッパでさまざまなジャンルの芸術が花開いていたこの時期、日本ではまだ戦争ムード一色ではなく、大衆が西洋文化を貪欲に吸収していた。その時代状況を存分に活かして、複雑にからみあった難事件の糸を、名探偵・赤富士鷹(あかふじ・たかし)が解きほぐしていく――。
昭和の日本を舞台とする「金田一耕助」シリーズとは対照的に、ヨーロッパテイストあふれるファッショナブルなミステリー。

【放送】総合・デジタル総合
第一夜 2005年12月29日(木) 午後9時15分〜10時45分
第二夜 2005年12月30日(金) 午後9時〜10時30分

【原作】アガサ・クリスティー
【脚本】藤本有紀
【音楽】服部隆之
【出演】伊東四朗 塚本高史 大杉漣 杉本哲太 山崎一 音無美紀子 中原果南 山崎樹範
     吹石一恵 多岐川裕美 星野真里 柏原収史 佐野史郎 名取裕子 益岡徹 ほか

ドラマのあらすじ
 東京・芝で古書店を営む赤富士鷹は、名推理で幾つもの難事件を解決した素人探偵として巷に知られている。古書店といっても、とても日本では手に入らないような西欧の奇書なども当たり前のように並ぶ一筋縄ではいかない品揃え。赤富士は、本当は商売などする必要のないくらい裕福だともいわれているが、その正体は謎。ただ、好奇心にあふれ、人間に興味を持ちその上世話好きな人柄は、出会った人を必ず「赤富士ファン」にしてしまう不思議な魅力となっている。そして、事件が起きた――。

第一夜「ABC殺人事件」
 昭和11年、赤富士鷹(伊東四朗)が営む古書店に、親友の忘れ形見、如月大正(塚本高史)が訪ねてきたとき、犯罪をほのめかす謎の手紙が届いた。赤富士が心配していると、長年のパートナーである警視庁の木暮刑事(益岡徹)から電報がくる。案の定殺人事件が発生し、頭文字Aの町でAさんが、頭文字Bの町でBさんが殺されていく。赤富士の元に送りつづけられる殺人の予告状、果たして犯人の狙いとは…。

第二夜「愛しのサンドリヨン」(原作:ゴルフ場殺人事件)
 如月が「サンドリヨン(シンデレラ)」の本の買取りの依頼に来た美女(吹石一恵)に一目ぼれしたとき、事件がおきた。被害者は大きな洋館に住む画商の夏木和之進(佐野史郎)。使用人によれば、犯人は夏木の妻・絹子(名取裕子)を縛って猿轡をかませた中国人で、夏木が近所に住むクリーニング店・羽立志摩子(多岐川裕美)と関係を持ったための天罰だという。赤富士がふと過去の事件を思い出したとき、再びサンドリヨンの美女が現れる…。

■登場人物
赤富士鷹(あかふじ・たかし)…伊東四朗
 かつてヨーロッパに遊学していたという噂もあるが、正体は謎で独身。今は亡き大衆作家・如月慎次郎は親友。二人でコンビを組んで事件の捜査に協力しているうちに名推理が評判となり、警察からも頼られる存在となる。新聞の報道では、どんな難事件でもさっそうと現れて必ず解決する美男子探偵と、なぜか紹介されてしまう。

如月大正(きさらぎ・たいしょう)…塚本高史
 如月慎次郎の一人息子。子供の頃、父を病で失い、母とともにパリに移住。大学を卒業後、父のルーツを調べるべく日本にやってきた。赤富士の元で世話になるうちに、やがて赤富士のよき相棒となっていく。なぜか、美女に弱い。

木暮松実(こぐれ・まつみ)…益岡徹
 警視庁刑事。赤富士の人柄と才能に惚れ、事件が起きるたびに赤富士を頼るが、赤富士も警察の権力を笠に着ない木暮の誠実さを信頼している。慎次郎とも顔見知り。現場一筋で、なぜか出世にはあまり縁がない。

■スタッフから
脚本家のことば…藤本有紀
 イギリスが舞台である『ABC殺人事件』をいかにして『ABC殺人事件』のまま日本に置きかえるか。それが私の直面した最初の難関でした。ここで安易に「いろは殺人事件」にしてしまったら、きっとあらゆることが将棋倒しに安易になってしまう。それだけは決してしないと心に決めました。
 そしてその難関を突破したとき、ごく自然にこのシリーズの世界観が決まっていきました。時は昭和初期、日本が暗黒の時代へと進む靴音が聞こえはじめている。主人公は書物を愛し、ラジオを愛し、平和を愛する赤富士鷹。温かな手をした、知性と品性にあふれる男。彼の亡き友。その友の面影を持つちょっとキザでお調子者の青年。青年を通して見え隠れする赤富士と友との友情そして青春時代・・・。『ABC殺人事件』を最初の作品に選ばなかったら、このシリーズはまったく別の世界観の中で展開してしまっていたかも知れません。
 殺人事件をエンターテインメントにすることには少なからずうしろめたさがありましたが、まさに適材適所のすばらしいキャスト・スタッフの皆さんのおかげで愛あふれるヒューマンドラマとなりました。多くの人に愛される作品になってくれればうれしいです。

制作にあたって…安原裕人(制作統括)
 ミステリー小説の中で、犯人探しもののことをパズラーというそうです。アガサ・クリスティーの堅牢な骨格を土台に、我々はフェアプレイのトリック遊びとしてのパズル作りに挑みました。
 ヒッチコックは、作品の現実性、テーマ性の弱さを指摘する一部の批評に対して、「ある種の監督たちは人生の断片を映画に撮る。私はケーキの断片を映画に撮る」と言いました。そして、こうも指摘しています、「ミステリーにはユーモアが必要不可欠だ。ただ、軽すぎず重たすぎず、その配分が難しい」。
 上品なユーモアがちりばめられた藤本有紀さんの脚本、膨大な台詞量と格闘された伊東四朗さんをはじめとする芸達者で一癖も二癖もあるキャスト、ミステリーというジャンルを心から愛している服部隆之さんの音楽 ――年忘れの究極メニューだと自負しています。
 年末のひと時、是非ご堪能ください。

演出にあたって…吉川邦夫(演出)
 アガサ・クリスティーの探偵小説の舞台を日本に置きかえる。複雑なミステリーに、さらにもうひとつ難題をプラスするかのようなこの企みをどうやって解けばいいのか…。
  事件の鍵になる小道具や交通機関などを考えると、時代設定はやはりほぼ同時期がベストです。とは言え、1930年代の日本というのは大戦に向かって激しく傾斜していく時期。当時のストイックな日本は、ヨーロッパ調のミステリーには雰囲気がそぐわないのではないか。当初そんな先入観がありました。
  ところがよく調べてみると、日本で当時流行していたデザインはとてもカラフルでおしゃれ。パステルカラーの頬紅が発売され、長髪の男性もいて、外国曲のカバーヒットも多い。思いこみに反して海外文化に今以上に自由で敏感な日本人の姿が見えてきました。その一方で、旧来の日本文化への誇りも高く、二つを無理なく融合させた和洋折衷の色彩豊かな文化が花開いていたのです。昭和初期は、まさにアガサ・クリスティーの空気を移植するにふさわしい時代でした。
  戦争の気配はもちろん漂っていて、様々な事件も起きていますが、だからこそ大衆は楽しみを貪欲に求めていたのかもしれません。そう考えると、現代の社会情勢に通じるようにも思えてきます。
  そんなことを演出の表裏に織り込みながら、藤本有紀さんのウイットにあふれた脚色をキャスト・スタッフのみなさんと楽しみ尽くして、一風変わったレトロモダンなミステリードラマができました。ありっこ無さそうだけど、あったかもしれない、ちょっとおしゃれなファンタジーを楽しんでいただければ幸いです。

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