25分 私が初めて創ったドラマ
「父、帰る。」

ドラマ演出経験のないNHK内外の若きディレクターたちが脚本を書き、演出した3本のドラマ。普段の現場を離れ、ほとばしる情熱を傾けた渾身の作品を、衛星ハイビジョンで3夜にわたって放送します。
【あらすじ】
もうすぐ子どもが生まれる夫婦。引越しのためこれまで住んでいた部屋を掃除していると、夫の父親の遺品が届けられる。子どもの頃に家を出て行った父。
その遺品は、父が晩年暮らした部屋の、平凡極まりない家財道具だった。父に対する怒りや恨み、複雑な感情が“父の生活の痕跡”に触れるうちに変化していく。
夫婦は遺品のなかにビデオテープを見つける。それは、父が映したもので…。
【脚本・演出】
小山和行(AX-ON)
【音 楽】
椎名邦仁
【出 演】
鳥羽 潤 大路恵美 水谷百輔ほか
【演出のことば 小山和行】
脚本を書き始めた当初、
このドラマのタイトルは「20年後のキミへ」でした。
若い夫婦が、休日の昼下がりに、
これから生まれて来る我が子に向けて
「ビデオメッセージ」を延々と撮影する、という内容です。
明るく希望に満ちたメッセージを撮るうち、
ふと夫が漏らします。
「…なんだかこれ、遺言みたいだな」
窓の外はもう夕暮れ。
未来を見つめていたはずの夫婦の姿は、
途端に遠い昔に死んでしまった人々のように見え始める…。
そんなネライでした。
その後、ドラマの内容はどんどん変わってゆきました。
けれど「我が子へのメッセージを撮る」という部分だけは
いまも残っています。
やがて、彼らの子供が大きくなった時、
このビデオを見て一体何を感じるのか?
あるいは、もう誰も撮ったことすら覚えていないのか?
…そんな想像をしながら、このドラマを演出しました。
【そのほかの 「25分 私が初めて創ったドラマ」】
3月20日(金)「GAP the BAG」
3月21日(土)「藤川道場物語」

