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夏美は盛岡の老舗旅館、加賀美屋の若女将として奮闘中。ある日、シンポジウムでリゾート会社代表の高木寿之と出会う。高木は自然の力を活かし、経営難の旅館を建て直すリゾート再生の第一人者だった。高木から、加賀美屋も改革をしないかと提案があり、柾樹と伸一は高木が手がける青森の旅館を視察。環境に優しい施設作りに加え、おもてなしのマニュアルで仲居教育をする方式に感銘を受け、導入に賛成する。しかし女将の環や夏美は、それが本当のおもてなしにつながるのか疑問を持っていた。「目に見えるおもてなし」を求める高木を探るため、高木の故郷、遠野に向かう夏美。その頃、高木が手がけていた青森の旅館が…。
ドラマの中には、その土地から生まれる物語があります。
まさに、この「どんど晴れ」がそうです。これは民話の故郷岩手が生んだ日本人の心を描いたドラマです。初めて岩手を訪れた時、それまで頭の中で描いていた東北のイメージとはまるで違い、原風景のような緑の田圃、清い川の流れ、あたたかな人たちの笑顔。まるで自分の生まれ育った土地に帰ってきたような気持ちになったのを今でも覚えています。
今回、その「どんど晴れスペシャル」が放送されることとなりました。
ドラマの舞台となった盛岡、遠野をはじめ、被災された東北の方たちが、少しでもこのドラマを観て、心をホッとさせたり、なごませたりして下さればと思います。
主人公の若女将である夏美は何かあると、岩手山を背景に凛と立つ一本桜を見上げます。私たちも、そんな夏美と一緒に、東北の皆さんを思い、一日も早い復興を願っています。
4年ぶりに復活する「どんど晴れスペシャル」(前・後編)の成立の経緯は、まさに奇跡的でした。企画が立ち上がったのが昨年11月末。12月からはスケジュール調整と台本作りを開始し、1月にロケ・ハン、2〜3月で収録、そして4月に放送という、綱渡りの進行でした。果たして成立するのかという不安もありましたが、多忙の中でも快く引き受けてくれた比嘉愛未さんをはじめとする出演者の皆さんや、地元の皆さんの熱いサポートのお陰で、何とか制作・放送にこぎつけることができました。
震災が発生した3月11日は、2度目の岩手ロケへ出かける前日でした。ロケは中止。悲痛なニュースが連日伝えられる中で、私たちには何ができるか、必死で考えました。至った答えは、できる限りのことを精一杯やる、ということでした。
「人は一人じゃない。家族、そして仲間みんなの和があれば、どんなことでも何とかなる」。ドラマの中の言葉です。ロケができなかった分、背景などが少し繋がっていないかもしれません。ですが、携わった全ての人間の思いの詰まった「どんど晴れ」です。ささやかかもしれませんが、私たちの思いが、大変な状況の中におられる皆さんの笑顔の素になればと、出演者・スタッフ一同願っています。
今回の震災で、お世話になった方々が想像を絶するご苦労をされていることを思うと、胸が締め付けられます。この作品は、まさに岩手の皆さんと一緒に作り上げた作品です。皆さんのご協力がなければ絶対に出来なかった作品です。
粉雪の舞う2月11日、震災のちょうど1か月前に「どんど晴れスペシャル」の盛岡ロケが始まりました。
4年ぶりに訪れた盛岡ですが、市民の方々が本当に温かく迎えてくださり、出演者・スタッフ一同、故郷に戻ったような気持ちでクランクインしました。公会堂での撮影では、実に500人を越える皆さんに、神子田朝市でも朝早くから大勢の皆さんに参加していただき、熱気を強く感じました。雪明りまつりでも、夜遅くまで手伝ってくださいました。南昌荘や岩手大学など、行く先々で盛岡の皆さんの「おもてなし」を、本当にありがたく感じました。その後の遠野ロケでも、美しい雪景色の中で無事に撮影が終えられたことは、地域の方々のご協力があったからにほかなりません。
今度はわれわれが恩返しをする番です。この作品を、被害にあわれた岩手県をはじめとする各地の方々に捧げたいと思います。勇気と希望を持って前に進んでいけるよう、「どんど晴れスペシャル」が少しでもその一助となれば幸いです。
【作】小松江里子
【音楽】渡辺俊幸
【主題歌】小田和正「ダイジョウブ」
【語り】草笛光子
【制作統括】内藤愼介
【デスク】釜坂治幸
【演出】木村隆文(前編)・一木正恵(後編)
【放送予定】前後編・各75分
4月24日(日) 午後3時30分から前後編連続放送
5月6・7日(金・土) 午後7時30分から二夜連続放送
※「どんど晴れ」総集編を、5月3日〜5日の各日午後4時45分から放送いたします。なお広島局のみ、5月4日の午後3時30分より、総集編第2・3回を連続放送いたします。