時として倫理と法は違う。現在でもそうなのだから、覇権を争った昔は尚更である。武士の剣とは人を斬る道具。天下の為とは我が家安泰の口実。その矛盾を胸の内でどう消化するか。そこに男の物語が生まれるのである。 さて、「柳生十兵衛七番勝負」は津本陽氏の原作と村上弘明さんという大きな材を得て、新たに創り出した男の物語。十兵衛が徳川家の為に剣豪達と斬り結ぶ。それは真に正義なのか?毎回、十兵衛に命題を課し、悩みながらも戦ってもらった。戦いの果てに十兵衛が見たものは?何だか誰かさんの「痛みに堪えて・・・」みたいに。とはいえ、これは痛快娯楽時代劇。皆様、どうぞお楽しみ下さい。
村上弘明さんとは十二年前の「腕におぼえあり」以来のおつきあいです。 あの頃は二番手演出でやり残したこともたくさんあり、今回はお互いに一味違うチャンバラ劇をやろうと話し合いました。 テーマは「痛みのある殺陣」 斬られ役が痛いのは当たり前の表現ですが、人殺しが日常茶飯事であった時代だからこそ、斬る方にも心の痛みがあるはずです。昨今、様々な事件でナイフや包丁が安易に使われている時代に時代劇だからといって、気持ちよく人を斬ってはいかんと、かねがね思っておりました。 視聴者の皆様に、「痛い!」と感じていただける時代劇を目指して、危険の伴う立ち回りにこだわっています。 近衛十兵衛、千葉十兵衛に次ぐ三代目、村上十兵衛にご期待ください。
金曜時代劇では久々の本格チャンバラ時代劇をお送りします。NHKの金曜時代劇といえば「腕におぼえあり」、かの名作の主役・村上弘明さんが12年ぶり、満を持しての登場です。今回は完璧に男たちのドラマ、真剣勝負で戦う中でしか判り合えなかった時代を生き抜く男たちの濃密なドラマです。この時間帯は高いハードルを求める大人の視聴者の皆さんからの熱い支持を得ています。その期待に応えるべく、内容はじっくり吟味し手間をかけ、連続6回でも七番勝負分、いやもっと中身の詰まったシリーズになりました。骨太な津本陽さんの原作に、脚本界随一の歴史の博覧強記・池田政之さん、今や世界の映画界から注目を浴びる作曲家・梅林茂さん、最後を締めくくるのは亡き松田優作さんの渋いバラード「戦い続ける男たちへ」、このラインナップは伊達じゃありません。
エンドテーマ:「戦い続ける男達へ」(歌・松田優作) 制作統括:古川法一郎 演出:長沖渉 大原拓 小林大児
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