「歩くということ」…鈴木聡(作者)
「お遍路のドラマを書いたよ」と言うと同世代の友人たちは一様に興味を示す。「いつか一度してみたい」という声が多い。かといってお遍路について詳しく知っているわけではなく、山間の道を、海沿いの道を、ただ黙々と歩くことに漠然と憧れを抱いている。
かくいう僕もその一人で、どちらかというとウキウキと、取材のため、(ほんの少し)遍路道を歩いた。想像以上にハード。というより過酷。その道を、団体ツアーのおばあちゃんたち、定年旅行と思しきご夫婦、再就職を前にした一人旅の中年男性、若い女性の二人連れやインド放浪でもしそうな若者たちが歩いている。
みんな、懸命に歩きながら、何かを懸命に探している、と思った。それはこれからの人生かもしれないし、ともに生きてきた夫婦の答えかもしれない。その姿は、生き方を迷い、自分の正体を探しあぐねている、現代の僕らそのものであるように思った。
歩くことは考えること。探すこと。自分と向き合い、大切な誰かと向き合い、未来へつづく道を見つけること・・。「ウォーカーズ〜迷子の大人たち〜」というタイトルにはそんな思いをこめました。さまざまな年代の人に見て貰いたい。特に「いつか一度してみたい」人は是非。 |