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演出にあたって…榎戸崇泰
NHKエンタープライズ エクゼクティブ・ディレクター
このドラマの主人公は、殺人者である。彼は暴行を受けたため、携帯していたナイフで相手を刺して死なせてしまった。公判では殺意の有無が争点となったが、判決では傷害致死罪ではなく、殺人罪が適用された。
このような人間が、果たしてドラマの主人公たりえるのか。大前提を自問する日々があった。が、「もしそんなふうに追い詰められたら、思わずそんなことをしてしまうかもしれない自分」を、かなりの人がもっているのではないかと思えるようになった。罪を犯した人間だが、わかる部分もあると思った。だから、やれる、やろうと思った。
ドラマだから勿論フィクションではあるが、あるケースとして、ドキュメントを撮っているつもりで描いた。勧善懲悪・因果応報・信賞必罰のドラマではさらさらない。
どれだけ多くの人がこの主人公に関心を持ち、彼の日々に寄り添ってくれるか、楽しみである。 |