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よくある質問

忙しい現代に取り残されてしまった貴方に…

ゆっくりコミュニケーションしませんか?

 携帯電話にEメール。コミュニケーションツールはどんどん便利になっています。なのに、こうしたデジタルなコミュニケーションには「何かが欠けている」と思うことはありませんか?

 ニートや引きこもりと呼ばれる、働く意欲を失った若者の増加が問題になっています。そんな若者たちを訪問して社会に復帰するよう働きかけ、成果を上げている女性たちがいます。人とのコミュニケーションを絶って引きこもった若者たちの心を彼女たちが開く秘訣は・・・「アナログなコミュニケーション」。

 手紙を書き、訪ねていって話す。そしてお互いの顔を見て、言葉の外に隠れている本心を探り、共感し許容します。驚くべきことに、それだけで多くのニートや引きこもりが社会に復帰するのです。「人の心を動かす力」とは何でしょう。その答えの一端が、この仕事から見えてきます。

 主人公の未散(みちる)は、体当たりで若者たちの心の扉にぶつかっていきます。

 体当たりでないと、人の心は動かせません。本来、人が人に思いを伝えるのはとても難しいことなのです。だからこそ私たちは、「面と向かって話す」現代に失われつつあるこの原始的な方法が持つ力をもう一度見直してもよいのではないでしょうか。「親と子」「上司と部下」「友人」など様々な関係の中でコミュニケーションに悩む全ての人々に、解決のヒントとなるようなドラマをお届けします。


劇中に登場する「スロースタート事務局」とは…

 引きこもりやニートの若者を支援する架空のNPO法人。親からの依頼を受けて、若者たちを訪問する『レンタルスタッフ』を有料で派遣する。訪問活動を通して若者たちと交流を図り、外へ連れ出すのがレンタルスタッフの仕事。しかし事務局の仕事はそこで終わりではなく、若者同士で共同生活を送る『若者寮』、そして様々な仕事を体験して自らの適性を見つける『職業体験』など、彼らが実際に自立して生活していけるようになるまでをトータルで支援している。

 「スロースタート」は架空の事務所だが、このようなニート・引きこもり支援のNPO法人と、訪問活動を続けている人々は実在する。


脚本家のことば…浅野有生子

 取材で、実際に引きこもっている青年に会った。

 布団を頭まで被り、私たちが何を言っても反応しない。引きこもり始めたのは高校生の頃からだという。それから十年余り。彼は外へ出ていくことも、家族以外の人と会うこともなく、閉め切ったカーテンのなかで暮らしている。 帰り際玄関で靴を履いていると、私たちがいなくなったと勘違いしたのか、突然、部屋から出てきた。初めて見る、彼の顔。驚く私と目が合ったのに、まるで「自分以外の人間は誰もいない」様子で過ぎていく。私は、愕然とした。このときの衝撃をどう表したらいいのか、適当な言葉が見つからない。能面のような、と表現するだけでは足りない。無表情なだけでもない。

 『生きた』顔ではなかったのだ。

 人はなぜ、働くのか。その問いの答えは、人それぞれだ。答えなどなくたっていい。ただ、生きることをあきらめないでほしい。人とつながることを、あきらめないでほしい。このメッセージが、引きこもりやニートの人たちだけじゃなく、ドラマを観てくれたすべての人に、今、そこにいるあなたの心に届くことを、願っている。


制作統括のことば…チーフプロデューサー・遠藤理史

 この物語はもちろんフィクションですが、引きこもりやニートの若者の社会復帰を支援する組織は日本各地に実在します。浅野有生子さんは、自らその現場に幾度も足を運んで取材を重ねた上で重厚な脚本を書き上げてくださいました。それを読んで、久しぶりのテレビドラマ出演となる水野美紀さんをはじめ、杉本哲太さんや近藤正臣さん、萩原聖人さんといった個性的で実力派のキャストが集いました。皆さんが力強くも繊細な演技で物語を綴った映像に、牟岐礼さんが冷徹さと暖かさを併せ持った音楽を書いてくださいました。

 皆さんの力と情熱を結集し、現代社会の問題に正面から向き合う「社会派」と胸を張って言えるドラマが完成しました。ぜひ御覧下さい。


演出のことば…ディレクター・勝田夏子

 取材で沢山の「引きこもり」「ニート」の若者たちに会った。彼(女)らはしばしば「コミュニケーションが下手なんで」と口にした。人づきあいがうまくできず、社会にとけこめないということを自嘲したり、恥じているかの様に。

 だが私は、そうやって彼らを萎縮させているこの国の何かが気になっている。

 コミュニケーションとは、元来スリリングなものだ。自分とは違う相手と向き合うのだから、多少の摩擦は当たり前。伝わるはずだと思っても伝わらないことも多い。だからこそ、どうすれば心に届くのかを探る必要がある。

 それを忘れて、相手を「理解できない」と思った途端に一方的に排除し、叩こうとする大人が増えている気がする。そんなムードの中で萎縮した若者がドロップアウトすると、更にバッシングを受けてしまう現状を見るにつけ、他者と向きあうことがヘタクソになっているのは「フツーの大人」たちの方だと思えてならない。

 このドラマのヒロイン・未散の姿が、この国の一筋の希望につながれば幸いである。


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