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このドラマについて

 故郷・出雲をあとにして、阿国 (菊川怜)たちの一行は大坂へ出稼ぎにやってきた。 神事でにぎわう天満宮の境内で憑かれたように踊る阿国を、秀吉の側近・梅庵 (織本順吉)が見出す。梅庵のもとに身を寄せる鼓打ちの三九郎(堺雅人)と恋に落ちる阿国。秘すべき恋の苦しみに身を焼かれながら、阿国は出雲に帰らないことを決意し、三九郎のかたわらで踊る。それは、恋に生き、踊りに生きた、阿国の人生の旅の始まりだった…。


制作にあたって…谷口卓敬(チーフ・プロデューサー)
 日本の近代以前の歴史に名を残す数少ない女性のひとり、阿国。

 歌舞伎の祖として知られる阿国の波乱の生涯を描いた有吉佐和子さんの「出雲の阿国」をドラマ化します。

 どれほど恋をしても満たされることのない、阿国の心の孤独。その孤独が、阿国の踊りを輝かせ、彼女を不世出の踊り手にしていきました。出雲をあとにして、大坂に上り、京の都の四条河原で踊って名声に包まれていく阿国の生涯は、生きる理由を探しつづけたひとりの女性の心の軌跡でもあります。

 舞台の上に生きた芸人たちが、何を思い、何を求めて、時代の変わり目を生きたのか。長い旅ともいえる一生を生きた阿国は、その旅の終わりに何を得たのか。

 人生を生ききった者たちの姿は、私たちの胸を深く打ちます。生きることの貴さを伝えるために、阿国はいま私たちの前にいる。その思いを胸に、私たちは日々、撮影に臨んでいます。謎に包まれた阿国の生涯を感動深く描く金曜時代劇「出雲の阿国」。どうぞご期待ください。


脚本家のことば…森脇京子(脚本)
 若かりし頃、劇団に所属していた。田舎に住む両親は、そんな娘は要らんと突き放した。娘の平凡な幸せを望む気持ちは、痛い程、分かっていたが、自分を押さえることは出来なかった。芝居に夢中だった・・あの頃を思い出す度、今も、胸が熱くなる。

 有吉佐和子氏は、「出雲の阿国」を執筆中、小説を書くことが一体、何の役に立つのかという思いと、正面から向き合われたという。 小説や芝居やテレビドラマが、一体、何の役に立つのか・・。

 「踊って何が残る?」ドラマの中で、阿国もまた悩み、そして、「楽しんだ心が残る」ことを、知る。それが、とても大切なことであることを・・。

このドラマをご覧になった方が、一人でも多く、楽しんで下されば、私にとって、それ以上の幸せはない。

演出にあたって…渡邊良雄(チーフ・ディレクター)
 "阿国"と聞いて、あなたは何を思いますか。「踊りに身を捧げた女」「歌舞伎の創始者」「出生も含めて謎の多いその人生」「恋に生きた女性」―― そういった様々なイメージで語られてきた阿国をドラマの主人公に据えることができる。その大きな喜びとともに難しさをかみしめています。多忙なスケジュールの中、一所懸命に踊りを稽古してきた菊川怜さんは、難しい役だけど思う存分演じてみたいと言ってくれました。他の出演者の皆さんも、熱い思いで収録現場に集って、何かを生み出そうという巨大なエネルギーを作り出しています。そのエネルギーが、新たな「阿国」のイメージの誕生に繋がっていくことは間違いありません。金曜時代劇ならではの「出雲の阿国」にご期待ください。



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