「まぼろしのペンフレンド」は「中学一年コース」に連載された作品で、
僕の記録によれば 第一回を書いたのが1966年の1月27日、
最終回の脱稿が11月3日となっている。

当時、中学生たちの間でペンフレンドを持つことが結構流行していたようで、
編集者と相談の結果、 物語のきっかけはそれで行こうということになったのだ。
幸いこの作品は読者に好評だったとのことで、
のちのNHKの「少年ドラマシリーズ」にも加えてもらうことになった。

今回、新しくドラマ化されるとなると、やはり時代が経過しているという気がする。
ペンフレンドの言葉自体そんあものがあたのかと言われかねない。
(だからハルキ文庫でこの作品と「閉ざされた時間割」の二作を
収録するとなったときも、書名は「閉ざされた時間割」になったのだ)

また、その頃の一万円札の値打ちは、今とは比較にならないほど大きく、
それがひとつのねらいになったのだけれども、もうそんなことは期待できない。
しかし、物語の中での人間関係は、時代が変わっても、原点であっていいはずで、
このあたり、今度のドラマでどんな 新しいかたちで生きてくることになるのか、
原作者としては大いに期待し、楽しみにしているのである。

○原作者プロフィール

眉村 卓(まゆむら たく)
本名・村上 虎児

昭和9年10月20日大阪市生まれ。
昭和32年大阪大学経済学部卒業。
同年、大阪窯業耐火煉瓦(株)(現ヨータイ)入社。
昭和33年(株)大広の嘱託コピーライターとなる。
昭和40年9月契約解除。昭和35年同人誌「宇宙塵」に参加。
昭和36年第1回日本SFコンテスト第2席。
昭和38年「燃える傾斜」を東都書房より刊行。
昭和54年「消滅の光輪」で第7回泉境花文学賞を受賞。
その他の著書、「謎の転校生」「ねらわれた学園」
「ぬばたまの....」 「夕焼けの回転木馬」「不定期エスパー」
「引き潮のとき」ほか多数。
日本ペンクラブ常務理事。日本文芸協会会員。
大阪芸術大学教授。



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