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ドラマのみどころ

御宿かわせみ「忍ぶ恋」の秘密―

 幼い恋を育んで、互いに意中の人と思い定めた、るいと東吾。それが、なぜ「忍ぶ恋」となったのか……。

 始まりは、鬼同心と言われた、るいの父・庄司源右衛門の不遇な晩年です。

 るいの父は金座銀座の贈賄事件から、幕閣の大物の不正摘発に乗り出して、奉行所ぐるみの反発を買い失脚。失意のうちに急な病で亡くなります。

 折しも、東吾は長崎遊学中の身で、周囲の誰もが、るいに婿養子を迎えて、庄司の家を継ぐよう勧めるのですが、るいは東吾との恋を貫くために、日陰の身を覚悟します。奉行所や幕府に、るいの父・庄司を疎ましいと思う人々がいる限り、恋が露わになれば、東吾や通之進に迷惑がかかってしまう・・・そう、るいは考えたのです。

 身を退いて、「忍ぶ恋」を全うしよう、るいは同心株を売って、庄司の家を潰します。そして、株を売ったお金で、大川端の隠居所を購入し、改築して宿屋を開業。るいは自立して、長崎帰りの東吾を迎えることになるのです。

 そして更に、東吾を慕い続ける七重(吉本多香美)が、るいの恋敵となって、一層「忍ぶ恋」が深くなってしまうのです。神林家の後見人を自認する、七重の父・麻生源右衛門(井川比佐志)も、長女・香苗と通之進に、跡継ぎができないままでは、神林の家が絶えてしまう。ならば、次女・七重が東吾と夫婦になるのが近道と、七重の恋を懸命に応援するのです…。


スタッフから

制作のことば「忍ぶ恋が終わる!」…菅野高至

 人々の生きる哀感を描く人情時代劇「かわせみの物語」が、三度(みたび)、大川端に帰って参りました。その「第三章」もまた、歳時記の如く、真冬のロケから撮影が始まりました。高島礼子さん、中村橋之助さんをはじめとする俳優の皆さんの、寒さをも吹き飛ばすほどの熱い芝居や殺陣が、連日のように続き、それはそれは、パワフルな時代劇の仕上がりとなりました。

 そして、第三章では、るいと東吾の長かった「忍ぶ恋」に、遂に終止符が打たれます。二人の結婚の障害の一つが、一途に東吾を慕い続ける七重(吉本多香美)の存在でした。そんな七重と医者の宗太郎(鈴木一真)が、互いに一目惚れをして、二人は祝言をあげます。言わば、るいの恋敵が消えたのです。(第七回「雪の夜ばなし」)

 となると、残る障害は、東吾が部屋住みの身で、収入が無いことです。この障害も、時代の風が吹いて、消えてしまいます。黒船来航で、危機感を抱いた幕府が旗本御家人とその子弟に、武術の訓練をさせようと、講武所(武芸講習所)を開設します。東吾は、その教授方(剣術)に召し抱えられ、収入の道を得て、一家を構えることができるようになるのです。

 さて、第三章では、かわせみに新しい家族を迎えました。畝源三郎を演じる、沢村一樹さん。律儀で生真面目な同心をさわやかに演じます。また、演出では、NHK・OBの大原誠が、4年ぶりに時代劇を演出します。

 四季を巡りながら、人と人との確かな触れ合い描いて、“笑いと涙がいっぱいの捕物帳”、連続12回、どうぞご期待ください。




演出のことば…大原誠

 現代の若者は「発光ダイオード型」と称されています。クールで熱くない。即ち、個人を尊重せず、何事にも熱くならない。「御宿かわせみ」の人物たちは、その正反対です。何事にも熱く、正義感にあふれ、他人に優しく、何よりも「和」と「絆」を重んじます。かわせみ一族の絆、親子の絆、兄弟の絆、友人との絆。人は一人では生きていけません。人と人との絆、見終わった後、ほのぼのとした気持ちになる、そんなドラマをお見せしたいと思っています。勿論、時代劇の醍醐味である悪をやっつける殺陣も存分にお見せし、すかっとした気分になっていただきます。シリーズも三作目となり、これまでの映像を継承しながらも、るいと東吾をさらに魅力的に、恋の終着点である結婚を、「第三章」の終着点とします。

 古巣NHKでの4年振りの仕事、色々な意味で、私自身、楽しさ一杯です。




原作:平岩弓枝「御宿かわせみ」

脚本:斉藤樹実子 山本むつみ 相原かさね 梶本惠美

音楽:大島ミチル

演出:大原誠 岡田健(NHKエンタープライズ) ほか

制作統括:菅野高至(NHKエンタープライズ) 古川法一郎(NHKドラマ番組)


主題歌:「悲しい歌はきらいですか」

歌:田川寿美 作詞:阿久悠 作曲:大島ミチル


挿入歌:「花になれ」

歌:田川寿美 作詞:阿久悠 作曲:堀内孝雄



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