第1回「銅鍋とレシピとパイナップル」(7月8日放送)
伝統ある天鴎ホテルのコックの修司は、恋人・亜樹との将来について悩みながら舌平目のソースを作っていると、背後から指が伸びてきた。「修司君、いらいらしているでしょう。料理は愛情です」「ムッシュ!」、前総料理長で今は顧問、牧村信太郎(高嶋政伸)が立っていたー。信太郎は、昭和14年、憧れの天鴎ホテルのコックになった。しかし最初はくる日もくる日も鍋洗い、信太郎が家に戻って愚痴を言う相手は従妹の静代(牧瀬里穂)だった。信太郎は11歳で両親を亡くし、静代の家に居候をしていた。信太郎は静代に励まされ、同じ洗うのであれば厨房にある銅鍋を全てぴかぴかにしようと、休憩時間も惜しんで体を動かした。こうして徐々に先輩たちに認められていった信太郎に、昭和16年、徴兵検査の通知が来た。信太郎は陸軍に志願し、前線で戦っていたある日、重傷を負った兵士が最後にパイナップルを食べたいとつぶやいた。信太郎はしなびたリンゴをパイナップルのような見た目と味に調理して差し出した。「美味い…」、生きる気力を取り戻した兵士の様子を見て、信太郎は料理を作る喜びを心の底から実感し、生きて日本に帰って再びコックになろうと決意した…。 |