
<最終回>ツアーの合間に1日で回る!「赤と黒」ソウル近辺のロケ地めぐり
<その6>読めば韓国ドラマがわかる!?韓国女子のリアルな恋愛事情を聞いてみた
<その5>モネ役 チョン・ソミンさんにロングインタビュー!(後編)
<その4>モネ役 チョン・ソミンさんにロングインタビュー!(前編)
<その2>韓流スターと兵役についてのあれこれ
<その1>これだけ違う!韓国ドラマと日本ドラマ

高麗大学大学院に留学中の韓流ジャーナリスト、ナカヅミです!
ちょっと遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。みなさん素敵はクリスマスとお正月を過ごされたでしょうか?
ソウルで過ごした初めてのクリスマスには、ちょっとですが雪も降って、素敵なホワイトクリスマスになりました。
大晦日には、こちらでも鐘閣(チョンガク)駅前の普信閣(ポシンカク)と言う鐘つき堂で除夜の鐘が突かれるのですが、毎年ものすごい人出だそうなので、私はおとなしく、部屋で年末恒例の音楽番組(残念ながら紅白ではないのですが)を鑑賞していました。そう、ちょっとさびしい年越しでした(笑)
さて、韓国に来て何が楽しいかというと、それはもちろん『何を食べても本当に美味しい!そして安い!!』ということです。
韓国ドラマにも美味しそうに食事をする場面がよく出てくるので、みなさんもドラマを見ていて「うわ~、食べてみたい!」「この食べ物はいったい何?」「これってこう食べるの!?」って思っちゃうことがよくあると思います。
そんなわけで今回は、「赤と黒」の食事シーンを例にとって、韓国の食文化やB級グルメについて解説しちゃいます!
「赤と黒」の第2話では、超お金持ちの家族、ホン・ファミリーと、庶民の代表ともいえる、ジェインとウォニン姉妹の食生活の違いをあらわすシーンがありました。かわいい末っ子・モネの誕生日に、ホテルの個室を貸り切って、豪華なバースデーパーティーをする場面です。
…といってもこれが「韓国の平均的なお誕生会」であるわけはなく(笑)、このシーンは超お金持ちの世界の話ですね。普通はレストランなどで、友達同士で集まってお祝いをすることが多いです。センイル(お誕生日)を祝うパーティーということで、みんなセンパと呼んでいます。歌手や俳優のファンミーティングも、このセンパを兼ねて行われることがよくありますね。
韓国では、ほとんどのお店でケーキの持ち込みがOKなので、普通の焼き肉屋さんでも、コーヒーショップでも、センパをすることができます。またケーキはお店の冷蔵庫に入れておいてもらえるので、焼き肉を食べてからデザートにケーキ、というメニューの組み立てもできるんです。
みんなに「センイルチュッカーハムニダー♪(ハッピーバースデーの歌の韓国版)」ってやってもらうのは、いくつになってもうれしいですよね。韓国でお誕生日を迎える時には、お気に入りのケーキを持ち込んで、美味しいレストランでセンパ(センイルパーティー)をやってみて下さい!
![]()
同じく2話には、ジェインとウォニンの姉妹が、近所の食堂(シクタン)で、スンデと蒸し餃子を食べるというシーンが出てきます。このスンデですが、春雨と野菜に豚(の血)を混ぜたソーセージのことです。見た目が少し生々しいためか、日本人女性には人気がありません。ところが韓国ではきわめてポピュラーな食べ物なので、若い女の子が屋台で普通に食べていたりします。
私の通っている高麗大学の近くには、このスンデを売るトラックが毎日やって来ます。このスンデトラックは(男女を問わず)学生にとても人気で、小腹がすいた学生達が、よくその荷台を囲んでいます。注文するとおじさんが、アツアツのスンデを蒸し器から出して切ってくれます。
私も何度か買ったことがありますが、ドラマでジェイン達が食べているものと同じように、スンデは注文すると、レバーなどのホルモンの蒸したものを一緒に盛り合わせにしてくれます。
このスンデとホルモンの組み合わせ、においがキツイと言う人もいて、やはり日本人には敬遠されがちなようです。でも、この蒸したてプルプルのスンデに、お塩をちょっとつけて、ホルモンと食べるのがめちゃめちゃ美味しいんです。試さないのはもったいないですよ!
ちなみにこのスンデですが、そのまま食べるだけではなく、野菜や麺と一緒に炒める食べ方もあります。ソウルの西側の新林(シンリム)には、「スンデタウン」(そのまんま笑!)と呼ばれる一画があって、このスンデの炒め物が食べられるのですが、あまり辛くなくて、すごく美味。ソウルを訪れたら、勇気を出して訪問してみてくださいね。
みなさんがすり切れるほど(DVDなのですり切れない!かもしれませんが!笑)ご覧になられているはずの第7話。ここでジェインの妹・ウォニンと、ゴヌクがアイスキャンデーを食べるシーンが出てくるのですが、コンビニでもアイスクリーム屋さんでもない、このお店が気になった人がいらっしゃるのでは、と思います。
このなんでも売っていそうなお店を、韓国では「マート」(韓国語の発音では「マートゥッ」)と呼びます。いわゆる「よろずやさん」なので、飲み物やお菓子、ちょっとした野菜や卵、シャンプーなどの生活用品からお酒類まで、一通りのものがそろっています。
ドラマではゴヌクがテーブルに座っているのですが、マートは大体が住宅地に建っており、敷地が小さいため、路上にテーブル等を置くスペースはありません。なので実際には、テーブルとイスがあるマートはあまりないと思います。
いっぽう、コンビニは店の前にスペースがある場合が多いので、このシーンのような、青いプラスチックのテーブルとイスが置いてあることが多いのです。
そして8話では、ジェインが1人で焼酎を飲むシーンが出てきます。ビニールハウスのようなところで飲んでいるので、ちょっと違和感を感じられた方も多いのではと思います。
韓国ではこのような店を「ポジャンマチャ」(幌馬車)と言うのですが、ジェインみたいに女性がひとりで飲んでいるのはあまり見たことがないですね。韓国ドラマでは、このポジャンマチャで登場人物が酔いつぶれるシーンをよく見ますが、実際は若者グループが集まって飲んだり、アジョッシ(おじさん)が2人で焼酎を飲んだりしていることが多いようです。
とはいえ、女性だけで入ってはいけない、ということではないので、韓国旅行の際には勇気を出して、一度ポジャンマチャで焼酎を味わってみてください。
ちなみに韓国式の焼酎、飲み屋さんでは300円ぐらいで売られているのですが、お店で買うと100円ぐらいです。なのでわざわざお店に行かず、コンビニで焼酎とおつまみを買って、店の前で飲む人も多いのです。とはいえ、冬はマイナス10度とかになるので、さすがに誰もいませんが…マネして風邪をひかないでくださいね(笑)
同じく8話には、ゴヌクが、昔住んでいた家を訪れて、両親との楽しかった生活を思い出すシーンがありました。そのシーンで家族と食べていたのが、ふかしたサツマイモです。
サツマイモは韓国では「コグマ」と言います。コグマと聞くと、やはり日本では「小熊」をイメージしてしまうので、なんかかわい響きですよね。
サツマイモのケーキ?日本にもあるじゃん!と思ってしまうのですが、これはちょっと違います。なんと、イチゴショートのイチゴの代わりに、サツマイモが乗っているんです!!
ほかにもコーヒーショップには、「コグマラテ」がありますし、ピザ屋さんには、「コグマピザ」が定番としてあって、溶けたチーズとよく合うので、私のリピートメニューになっています。
このように、韓国ではサツマイモが本当に幅広く使われているんですね。なので、ドラマでサツマイモの乗ったケーキを目撃しても、決して驚いてはいけません(笑)。
そうそう、このふかしたコグマで思いだすことがあります。
高麗大学は韓国では超難関大学の一つなので、青春時代をおしゃれより勉強に費やした人が多いせいか、女子大生たちは「ウチにはイケメンがいない~」と口々にヒドいことを言っています。
ところが私がとっていたマーケティングの授業には、びっくりするほどお洒落なイケメンがいたんです。
このイケメン、韓国では珍しくゴヌクのようなヒゲを生やしていて、ただものではないイケメンオーラがバリバリ出ていたのですが、ある日の休み時間、廊下のソファーで何か食べているのでよく見たら、このふかしたコグマだったのです!!!
どうもコグマを自宅でふかして、密閉容器に入れて持ってきているご様子。
イケメンが自作のふかし芋を学校で食べている??なぜ?と思ったのですが、韓国では俳優やモデルがダイエットの時にコグマを食べると聞いていたので、きっと芸能関係の人に違いないと思っていたら、やはり学生をしながら、モデルで活躍している男子だったのでした。
食物繊維が豊富なサツマイモ。韓流コグマダイエットとして、そのうち日本でも流行るかもしれませんね。とはいえ、サツマイモだけ食べていても良くないと思うので、小腹がすいた時のおやつにいかがでしょうか。
韓国ではイケメンが食べている…ということで、堂々とふかして会社や学校に持ってきちゃってください!
9話には、キム・ジェウクさん扮するテソンが酔いつぶれるシーンがありました。韓国人はお酒が大好きなのか、夜のソウルを歩いていると、酔いつぶれている人を結構見かけます。
そんなソウルの飲み屋さん街として有名なのは、高麗大学の永遠のライバル・延世(ヨンセ)大学のお膝元、新村(シンチョン)です。弘大(ホンデ)もそうですが、24時間営業の飲み屋さんが多いため、週末など、夜遅くまで…と言うか、朝まで飲んでいる人が沢山います。
飲み屋さんで人気なのは、焼酎(ソジュ)の他にはマッコリがあります。マッコリは、チャン・グンソクさんのCMで、日本でもすっかりおなじみになりましたね。
ところがこのマッコリ、韓国では(お酒中心の)飲み屋さんで、チヂミと一緒に食べるものとされているのです。
私はお酒を全然飲まないので、マッコリ屋さんに行くこともなく、韓国に来て半年以上経っても、大好きなチヂミを食べられない!!という悲惨な状況が続いていました。そこで「チヂミがどうしても食べたいからマッコリ屋さんに行きたい」と友人を拝み倒して、高麗大学近くの飲み屋さんに連れて行ってもらい、やっとありついたという悲しい思い出があります。
マッコリとチヂミについてもうひとつ。
韓国では「雨の降る日にはマッコリを飲みたくなる」と言われているのですが、これはマッコリとチヂミを合わせて食べる習慣を表しているのだそうです。
言葉の由来にも諸説あって、雨の音とチヂミを焼く音が似ているからだとか、いろいろな説があります。
韓国で雨に遭ったら、いやだな~と思わず、マッコリとチヂミを味わう風流なチャンスだと思ってくださいね。
10話には、テソンの家からワイシャツ1枚で追い出されてしまったジェインが、迎えに来たゴヌクと一緒に朝ごはんを食べるシーンがあります。早く食べろと言うゴヌクの言葉に、やっと食べ始めるジェイン…。
ここで二人が食べているものは、店内のポスターを見る限り「ソルロンタン(牛骨のスープ)」のようなんですが、ジェインが食べようとしたスプーンに、キムチをのせてあげる場面がありますね。これ、実は韓国では愛情表現とされているのです。
ソルロンタンに限らず、相手が使っているスッカラ(韓国のスプーン)におかずをのせてあげたりする行為は、愛情表現として韓国ドラマによく出てきます。なので、こういったシーンを見ると「仲が良いんだな」ではなく「あっ、恋がはじまってるな」「ふたりは恋人なんだな」「口説こうとしているんだな」と解釈するのが正しい(?)わけです。
そしてドラマではあまり見ないのですが、実際に韓国人のカップルはサムギョプサル(豚の焼き肉)の食べ方にも愛情表現を入れてきます。
このサムギョプサル、焼き上がった肉をエゴマの葉っぱで巻いて食べるのですが、それを巻いて相手に食べさせてあげる…と言うのも、親しみを込めた表現とされているんですね。
日本では「素手で食べ物を誰かの口に押し込む」なんてことはまずありません。なので、韓国のレストランやドラマで見かけるとビックリするかもしれませんが、こちらでは普通のことなんです。
ちなみに私も一度、友達の男子にやってもらったことがあります。
「お~!これかあ!!!」と嬉しくなっちゃいましたが(笑)、これをやられるとドキッとしますね。二人の距離が近づくかもしれませんので、韓国料理でデートをする際などに、ぜひお試しください。
…というわけで、「赤と黒」の食事シーンから、韓国人の食生活や、食を介した愛情表現についてご紹介しました!
韓国人は、食べることも恋することも大好き。韓国の食文化を少しずつ知っていけば、韓国ドラマの味わい方も、韓国料理の味わい方も、どんどん深みが出てくると思います。みなさんも食事シーンをチェックしながら、赤と黒を楽しんでくださいね。
そしてこの連載も、いよいよ次回が最終回となりました。
最後の最後まで、韓国や「赤と黒」にまつわるホットな情報をお伝えしていきますので、お付き合いくださいね!
(というわけで、最終回につづく!)