スタッフブログ

★こちらのページは2022年2月で更新を終了いたしました。

【忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段】美術セットの裏話を伺いました。

「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」前編お楽しみいただけましたでしょうか?このドラマのもう一つの主役ともいえるのが、江戸三座のひとつ、江戸の芝居好きが熱狂した劇場・中村座です。今回の番組では、当時の中村座を、観客に見える舞台側だけではなく、舞台裏や奈落まで再現。勘九郎さんも思わず「持って帰りたい!」とおっしゃっているほどの出来栄えでした。そんな夢の芝居小屋を再現したデザイナー小出憲さんと装飾の三木雅彦さんにお話を伺いました。

 1204nakazo_06.jpg
装飾 三木さん(左)とデザイナー 小出さん(右)

セットデザイナー 小出憲さん

Q今回の芝居小屋のセットデザインの発想はどこから得ていますか?デザインにあたって心掛けたことは何ですか?

現在に至るまでの間に、日頃から見てきた各劇場を自分なりに結合させ、ブラッシュアップした結果が今回のセットの仕上がりに繋がったのだと思います。

劇場内に関しては、中村座をはじめとする江戸三座の浮世絵などの歴史資料を元に、熊本県の八千代座の採光部や二階桟敷の構造などを参考にし、奈落に関しては、前述の劇場や秋田県の康楽館のそれを参考にしつつ、最終的には、台本から読み解ける芝居動線を成立させるように心がけました。

芝居小屋の長い歴史で、連綿と受け継がれてきた変遷を経て完成したとも言えるカタチ。そこにいかにして近づけていけるのかというところでした。芝居を成立させる全ての要素、舞台、花道、セリ、スッポン、奈落、楽屋、桟敷、大向こうなど、それら全てを歴史、資料に逆らわず、台本を裏切らず、立体的に構成しました。

Q一番苦労したことは?

平素より、美術として芝居場を構成することに邁進しているので、この作品に限らず苦労は尽きないのですが、ただ一つあげるのであれば、「歌舞伎役者が演じる為の小屋を建てる事」それ自体が一番の悩みどころでした。ごく単純に、役者さん自身(※勘九郎さんのこと)のルーツとも言える江戸時代の中村座を再現する事において、その再現度、完成度、もしくは創作性など、NGが出ないかと撮影初日まで緊張していました。

Q視聴者にぜひ気づいてほしいポイントなどあれば教えてください。

視聴者の方々には、是非お芝居そのものをご堪能していただければ光栄です。

 1204nakazo_01.jpg
小出デザイナーによるセット図


 装飾 三木雅彦さん 

Q芝居小屋のどのような部分を担当しましたか?

舞台の引き幕(中村座独特の配色の定式幕)、揚げ幕、天井から下がる大提灯、桟敷席の軒提灯、毛氈(もうせん)、酒肴膳、タバコ盆、燭台、表の櫓(やぐら)提灯に櫓幕、絵看板、招きなど、そして楽屋内部のありとあらゆる家具調度、小道具全てです。

大提灯は祇園祭や五花街などに納品している京都の老舗の提灯屋さんに頼みました。

Q装飾にあたってこころがけたことは何ですか?

今回は特に、映る映らないにかかわらず、濃密に飾りこむ事にこだわりました。演技者のみなさんに本当の江戸時代の中村座にいるような感じでお芝居していただきたかったので。

たとえば、團十郎や傳九郎の楽屋のフロアに他にも小さい間口のエキストラの楽屋ができていて、暖簾の隙間からチラ見えしかしないんですが、ちゃんと楽屋道具一式入れてます。あと一階の角にお芝居には関係無い小部屋がありましたが、そこは床山さんの部屋として飾っていました。舞台の二階桟敷の欄干のところにも酒肴膳や菓子鉢、重箱など置きました。中身入ってます!作り物ですが。

Q一番苦労したことは?

浮世絵や資料が豊富な時代より少し前のお話という事で、美術の小出くんやご指導いただいた中村いてうさん(※勘九郎さんのお弟子さんで今回ドラマの歌舞伎指導にあたった)などと相談しながら良き落とし所を探ったりしながらやりました。

苦労したと言えば.提灯、幕など、ありものでの勝負が出来ず、ほとんど新規作成でしたので、予算との兼ね合いですかね。

あと、大提灯に関しては、浮世絵や資料の絵本ではサイズが分からず、セットの大きさと画面に映るバランスを考えて、寸法を割り出して決めたのですが、お高くついてしまいました。

Q視聴者にぜひ気づいてほしいポイントなどあれば教えてください。

楽屋の鏡台周りには各役者の家の柄が入った手ぬぐいを置いたり、風呂敷包みとかにも小さな家紋とか入っていたりします。


細部まで作りこまれた夢の芝居小屋が再現できたからこそ、勘九郎さんをはじめとする俳優の皆さんの熱のこもった演技も生まれました。

作り手の工夫や思いを知るとさらに番組の楽しみが増えますね。どうぞ録画して繰り返し細部チェックしてみてくださいね。

1204nakazo_07.jpg
クライマックスの定九郎シーンメイキング

1204nakazo_04.jpg
劇中劇「忠臣蔵」撮影風景

1204nakazo_05.jpg
劇中劇「長生殿常桜」リハーサル風景

1204nakazo_08.jpg
劇中劇「忠臣蔵」五段目メイキング

1204nakazo_11.jpg
劇中劇リハーサル風景

1204nakazo_13.jpg
奈落セットでの撮影風景

1204nakazo_14.jpg
セット工事も大詰め。花道にはスッポンも作ってあります。

1204nakazo_02.jpg
大提灯、定式幕、ロウソクも雰囲気を盛り上げます。

1204nakazo_15.jpg
江戸時代の芝居小屋の花道は斜めだったそうです。

1204nakazo_09.jpg
芝居小屋の表は東映京都のオープンセットで。

1204nakazo_10.jpg
芝居絵の登場人物は俳優さんに似せ描かれています。

1204nakazo_12.jpg
2階の桟敷席にはお膳が!

1204nakazo_03.jpg
中村座前で記念写真!


忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段

nakazo_p.jpg

【放送予定】 <前・後編>2021年12月4日・11日(土)夜9:00~10:29 BSプレミアム・BS4K
【脚本・演出】源 孝志(「京都人の密かな愉しみ」「スローな武士にしてくれ」「ライジング若冲」)
【音  楽】阿部海太郎
【出  演】中村勘九郎/上白石萌音 中村七之助/谷原章介 若村麻由美 尾上松也/
      髙嶋政宏/藤原竜也/大東駿介 山西惇 波岡一喜 本田博太郎/
      名取裕子 笹野高史 石橋蓮司/吉田鋼太郎/段田安則/市村正親
【制作統括】宮坂佳代子(NHK)伊藤 純(NHKエンタープライズ)八巻薫(オッティモ)
【プロデューサー】川崎直子(NHKエンタープライズ)八木康夫(オッティモ)森井敦(東映京都撮影所)

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:10:30 | カテゴリ:忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段

月別から選ぶ

2022年

開く

2021年

開く

2020年

開く

2019年

開く

2018年

開く

2017年

開く

2016年

開く

2015年

開く

2014年

開く