第2話をご覧いただきありがとうございました。
震災をどう描くか、ということは、このドラマの企画当初からの大きな課題でした。多くの取材を重ね、悩み、考えながら作り上げたのが第2話です。
多くの方々の心に、優しく温かく届くよう、今も祈り続けています。
第2話で描いた避難所のシーンは、神戸市内にある統合により使用しなくなった小学校の校舎・校庭をお借りしました。人があまり立ち入らなくなった校庭は草がぼうぼう。残暑の厳しい9月中旬のにみんなで集まって草むしりをしてから準備を進め、11月上旬に約1週間かけて撮影しました。
3年前から使用されなくなった校舎には、まだ、子供たちの掲示物が残っていました。どれもカラフルで感謝のことばがいっぱいで、大好きな学校だったこと伝わるような素敵なものばかり。美術スタッフの目が輝きました。みんなで、ひとつひとつ綺麗にはがして、ドラマの廊下のシーンで使用させてもらいました。
今回はボランティアスタッフを募集し、準備段階からドラマの美術制作現場のお手伝いをお願いしました。ご参加いただいた方には、被災された方もいて、避難所を再現する上で、「あの時はこうだった」と、実際の体験に基づく貴重なアドバイスを頂きました。震災を体験していないスタッフも、それを生かしながら現場に反映していきました。ドラマと共に、撮影現場も震災のことを伝える場になりました。
さらに当日は、約300人のボランティアエキストラや地元の方々にご参加いただきました。それぞれ、実際に避難してきたような気持ちで、毛布や大きなバッグをご持参いただき、衣装も用意して参加してくださいました。
体育館内では、人があふれてプライバシーもなく、荷物や救援物資で足の踏み場もない状況の中で、参加してくださった皆さん一人一人が声のトーンや表情でお芝居をして当時の様子を再現して下さいました。まさにみんなで創り上げたシーンです。
また、この撮影期間中には、近隣の中学校の全校生徒さんに撮影現場の見学にも来ていただきました。震災を経験していない子供たちに、セットではありますが、避難所を体感してもらうことで、ほんの少しでも震災の記憶をつなげることになればと、中学校のご協力により実現しました
プライバシーも全くない空間。お風呂もなく、グラウンドや廊下で寝ている状況。真冬の寒さや生活の匂いを想像した子供たちは、真剣な表情で現場を見学してくれました。
このロケは俳優・エキストラとして参加してくださった神戸の方々、たくさんの方々の思いや力を結集してできたシーンです。このドラマが、震災や心に傷を抱えた方々に寄り添うきっかけになれば、と願っています。
▽番組ホームページは こちら 。
▽第3話放送は、2月1日(土)午後9時から(NHK総合)
▽見逃した方…第2話再放送は、1月30日(木)午前2時から(水曜深夜)
※全豪オープンテニス放送により変更の可能性あります。
▽第1話から見たい人は… NHKオンデマンド で第1話無料配信中(2月2日まで)
投稿者:スタッフ | 投稿時間:13:00 | カテゴリ:心の傷を癒すということ