スタッフブログ

『サギデカ』舞台裏より #10 今宮たちが首魁を逮捕するまで

プロデューサーの須崎です。
『サギデカ』最終回「信じるもの」をご覧くださった皆さん、本当にありがとうございました。
それぞれの決着、
皆さんはどのように感じられたでしょうか。 

今夜のドラマでは捜査二課・南新宿分室チームが総力を挙げて、詐欺組織の“首魁”を逮捕・立件しました。
このスタッフブログでは、その捜査過程のディテールについて、少しずつ掘り下げてみようと思います。

 

冒頭、加地が姿を消したのを見て、今宮が電話をかけます。
sagideka10-1.jpg

どこにかけているかと言うと、
森安「110番通報して緊急配備かけてもらえ」

そう、刑事でもこういう場合、110番にかけるんだそうです。
台本作成の段階で、警察指導の志保澤利一郎さん・土井紀人さんに「緊急配備をかけるには、手塚係長に連絡すれば良いですか?」と聞いたところ、「いや110番です。110番に情報が入ることで、警視庁地域部か当該所轄警察署が判断して、キンパイ(緊急配備)がかかります」とのこと。意外でしたが110番って結構すごいんですね。
dois.jpeg
(撮影現場に立ち会う土井さん)

 

翌朝、加地から今宮へ、息も絶え絶えながら電話が。
番頭にバレたスマホではなく、ガラケーの方(2話で番頭から渡されたヤツ)で、いつかの今宮との約束通り、番号を通知してかけてきました。
sagideka10-2.jpg

sagideka10-3.jpg
加地は、4話で番頭車のトランクにスマホを隠した時、どうやらガラケーもしのばせていたようです。何かあった時のことを予感しての、とっさの行動だったのかも知れません。

それがきっかけとなり、今宮たちは首魁が桑原傑だと当たりをつけますが、
相手は有力暴力団の組長。どこにいるのか、そうそう分かるものではありません。
そこで今宮が狙い目をつけたのは、とある写真記者の男。
kisha2.png

ふだんは芸能人のゴシップネタを追っかけているようですが、実はアングラ社会にも精通した骨のあるジャーナリストなのでしょう。今宮に重要なヒントをもたらします。
「きょう、何日だっけ?」
池内万作さん、独特の雰囲気で演じてくださいました。

 

sagideka10-5.jpg
かくして捜査班は、桑原を山あいの閑静な温泉旅館で待ち伏せ。
やがて到着した番頭の車から降りて来たのは、 

sagideka10-6.jpg 
「番頭じゃない…、誰だ?」
そう、この男は誰なのか。それは半ば想像におまかせしますが、
あるいは、どこかの町の一角で番頭に声をかけられ「おじさん、お金あげるからこの車、〇〇温泉の△△旅館まで乗っていってくれないかな」と頼まれ、怪しいと思いながらも金欲しさに引き受けた男、なのかも知れません。

 

sagideka10-7.jpg
ついに桑原を取り囲んだ一同。
森安「桑原傑さんですね。この男性(加地)への逮捕監禁容疑で逮捕します」

あれ? 詐欺容疑じゃないんだ、と思われた方もいるかも知れません。
実はこの時点では、詐欺容疑で逮捕するのはちょっと難しいのだそうです。確かに桑原は現金の入ったカバンを手にしたものの、肝心の引渡し役である番頭が姿を現さなかった。首魁の詐欺容疑立件に万全を期するためには、これだけだと証拠が弱い。

しかし桑原は、鍵を手にして自分の管理下に置いている車のトランクに、血まみれの青年が閉じこめられているにも関わらず、助け出そうともせず放置している。手塚と森安は、言わばとっさの機転で「加地に対する逮捕監禁容疑」という文脈で、桑原を「現行犯逮捕」したのです。
いったん地元県警へ連行。後日、逮捕された番頭から供述を引き出し、首魁本人にも(おそらく手塚自らが)取り調べを行い、ついに「詐欺容疑で再逮捕」となりました。
sagideka10-8.jpg
これについては、複数の警察OBの方や、弁護士さんにも見解を出し合っていただき、このような流れといたしました。

 

逮捕した桑原と、廻谷誠の関係をめぐって、手塚が捜査二課長(演・瀬川亮さん)に持ちかけます。sagideka10-9.jpgのサムネイル画像
手塚「サンズイの匂いがしませんか、二課長」
二課長「手塚警部は詐欺専門になったと聞きましたけど、相変わらず汚職案件には鼻が利くんですね。

 サンズイとは、「汚職」「贈収賄」を指す警察の隠語。汚職の「汚」に「さんずいへん」がついているのが語源だそうです。知能犯罪を担当する捜査二課では、サンズイ、とりわけ議員の贈収賄事案は“花形”と言われて来ました。手塚はかつてその花形を扱う刑事だったようです。でも、

「俺は今は詐欺が面白いですよ」
ここで言う「面白い」とは言うまでもなく「打ち込むだけの価値がある」ということ。
振り込め詐欺が市民にとってこれだけ根深い犯罪となっている今、この言葉は手塚のホンネ
であるだけでなく、実際に詐欺捜査にあたる警察官たちの本心ではないだろうか、と私は思っています。

  

 sagideka10-10.jpg
あるお年寄りの家に残されていた、留守電のカセットテープ。
なぜ廻谷は、ここにメッセージを残してしまったのでしょうか。

このタイプの留守番電話が主流だった頃、皆さんは、初めて応答メッセージを録音する時になんだか緊張したりしなかったでしょうか?私はとても緊張して、すぐにはうまく話せなかった記憶があります。
このご婦人も、使い勝手がよく分からず、たどたどしく「はい、里崎です。・・・えーっと、ただいま留守にしております。ご用件のある方は~」とメッセージを吹き込んだ。途中で妙に長い「間」が空いてしまったけど、やり直す方法も分からないのでそのままとした。
電話をかけた廻谷は、そこに「間」が出来たので留守電とは思わず、受話器の向こうに相手がいるつもりで話しかけてしまった・・という事ではないでしょうか。

廻谷のようなきわめて賢い人間にしては、ずいぶんと不覚をとったものです。いや、でも、プライベートで見せる「グリちゃん」の様子からすれば、「らしい」ことなのかも、知れません。

 

sagideka10-11-1.jpg
いずれにせよ、今宮はまた、動き出しました。
最終回の終盤をどう描くか、特に、どうすれば廻谷のような人物に、捜査の手を届かせることが出来るのか。これについては、脚本の安達さんや演出の西谷Dも含め、試行錯誤の連続でした。 

そんな中、今回、匿名で台本考証に協力してくださっている刑事OBの方から、
・廻谷が仕事柄、海外へ行くことがあるならば、その間の時効進行は止まる。
・所轄捜査員になると日々の事件事故に追われ、元の捜査を継続するのは非常に難しいのだが、でも継続捜査していれば、点と点がつながって線になることがある。他署で耳にした事件が、自署の事件につながることもある。
といったアドバイスをいただきました。そして、

 「なんとかしようという向上心、食らいついたら離さない、っていう今宮の刑事魂、私は好きですよ」
その言葉にも背中を押され、あのようなシーンとなりました。

果たして今度こそ、廻谷を逮捕することができるのか。
今宮夏蓮の武運を、心から願ってやみません。

 

sagideka10-12-1.JPG

最終回、再放送あります! 
10月3日(木)総合 午前0時55分~(水曜の深夜です!)

 

番組ホームぺージはこちら

投稿者:スタッフ | 投稿時間:21:43 | カテゴリ:サギデカ

新着記事

新着ブログ

月別から選ぶ

2019年

開く

2018年

開く

2017年

開く

2016年

開く

2015年

開く

2014年

開く

放送終了番組

開く
ページトップへ