第五回 はじめに
『立花登青春手控え』第五回放送御覧頂きありがとうございます。
第五回は新展開として「溜(たまり)」なるものが舞台に登場します。溜とは一体どんなところなのでしょうか。
劇中にもありますがおさらいします。
溜(たまり)
登の判断で、捨蔵(寺田農)が運ばれていった「たまり」とは、「溜」と書きまして、主として重い病にかかった囚人を留め置くための場所です。溜は浅草と品川の二ヵ所あり、重病人はどちらかへ運ばれていきました。牢獄はたいへん不衛生で、持たざる者は食事もろくに食べられないなど、入牢時は健康な囚人でも立ち所に病にかかってしまいます。そのうち重病と認められた者だけを溜に下げて療養させることになっていました。
溜は療養施設だけあって衛生的で、畳敷き、かまど付き。湯、茶、煙草、薬の利用は自由で、毎日入浴できて、夜は行灯が灯されて、厳冬期には焚火が許されました。そのため囚人の中にはわざと絶食して重病を装い、溜へ下げられる途中に脱走を試みようとした者もあったようです。
そのため溜へは本当に重病者でなければ行くことは出来ず、溜で快復した囚人は牢獄へ戻される決まりでしたが、そもそも治る見込みの無い者が送られたためか、溜から戻った者は少なかったようです。
おわりに
たまには現場写真で撮影の裏側をお見せします。
これは、井戸から水を汲むシーンで、しばしばリアリティを出すためこのように誰かが中に入り込んでロープにテンションをかけたりしてますよ、という写真です。ときどき失敗して水を被ってしまうのは御愛嬌です。
次にこちらは、守宮の助五郎のスタントカット。撮影用移動車の動きに合わせて、マットが写り込まないようにしつつ、スタントマンの下へ持っていくセーフティの面々です。
最後はオープンセットの柳につくりものの葉を括り付けているところです。撮影時期の四月下旬であっても柳の葉は青々と繁るとはいかず、こうした造花は随所で使われています。
投稿者:スタッフ | 投稿時間:20:45 | カテゴリ:立花登青春手控え