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土曜ドラマ「64」#10「エンディングのタイムラプス映像解説その3」

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「64」エンディングのタイムラプス映像を担当した

NHK映像デザイン部の佃ディレクターとフォトグラファーの菅原康太さん。

おふたりに制作の裏話を伺う直撃インタビューシリーズ第2弾です!
(タイムラプス=同じ場所で1~2時間、数秒おきに写真を撮り続ける撮影方法)

___________

IMG_7525-1.jpg
 
菅原 今回挑戦したのが、カメラを動かしながら撮る手法です。
レール上に乗せたカメラが、ゆっくりゆっくり動きながら、
一定の間隔で数秒に1枚ずつカシャ、カシャと撮っていきます。
カメラは横に動くだけでなく、回転も出来る。
例えば、レール上を横に1センチずつ移動しつつ、
カメラは左から右に1度ずつ角度を変えてパン(カメラを横方向に振ること)
していく。その動きを機械に読みこませるんですが、
毎回そのための計算をしなきゃいけない(笑)

 頭の中で描いた仕上がりを、数値化しなきゃいけないんです。

Q 撮り直しする時間の余裕は無いわけですよね…?

菅原
 無いですね(笑)

 一度失敗すると1~2時間ムダにします(泣)
ドラマのエンディングではひとつのタイムラプスが2~3秒ですが、
その中に何時間かが濃縮されているんです。

菅原 はじめは技術的に分からない部分も多かったので、パソコンを持参して、
撮ったものを現場で見返せるようにしていました。
現場で仮につなげて見て、「あれ?全然動いてない…」とか
「この動きはムダじゃない?」と、試行錯誤していました。
昼間より夜の方が雰囲気が出ることにも気づきました。


 

64_04-1p.png
Q暗闇で光を放つものがあると見栄えが良くなるんでしょうか

菅原
 そうですね、夜の世界って、白日にさらされていない分、
異次元な雰囲気がありますよね。
タイムラプスによって時間が凝縮されて“この場所はどこなんだろう”
と思わせるようなものになりました。

 写真だからこそ、真夜中なのに空の雲の流れをくっきり撮れたり、
タイムラプスでしか出来ない表現は夜の方が多いんじゃないかという
結論にたどり着きました。


 

64_03-1p.png

 <渓谷のタイムラプスを指して>ここが大変だったんですよ。
シャッタースピードが長いので、速く動くものは映り込みにくく消えてしまいます。
ものすごく雪が降っていたのに、全く写ってないんですよね(泣)

IMG_5968-1.jpg  IMG_5966-1.jpg
    
この日は雪がガンガン降ってまして、
カメラを設置しておいたらカメラに積もってるんですよ(笑)
(写真右・雪が積もっているのは動画用のカメラ)
ガタガタ震えてるのに、撮影は2時間くらいかかるので、雪の中で待ってなきゃいけない。
タイムラプスは辛抱が必要です(笑)

菅原 撮り始めた最初の頃は、待ち時間の間は不安しかなくて。
狙い通りに撮れているか全くわからなかったので、
やっていくうちに仕上がりが想像できるようになっていきました。
それでも小さな失敗はありましたが。



Q 車で撮影ポイントを探して走り回ったそうですね

 群馬で三日間、埼玉で丸一日、です。ポイントが見つかったら車を置いて、
1~2時間かけて撮影して、また次のポイントを探して走って、の繰り返しです。

菅原 ふつうのロケではありえないことですが、
その日の“取れ(撮れ)高”が読めないんですよ(笑)

 読めないので、初日だけは宿を予約したけど、二日目以降はしてない(笑)

菅原 しかも群馬の撮影は徐々に山の方に行くルートでしたね(笑)

 渓谷の方に行ったとき宿はとっていなくて、スマホで宿を探しながら走るという。
周辺で1件だけの民宿を見つけて泊まることができました(笑)
江戸時代から続く旧街道沿いにあった宿場町のなかで一件だけ残っている
“旅の宿”だったんです。

菅原 僕たちは珍しい客だったので、この寒い時期に何しに来たの?と言われました。

IMG_5958-1.jpg  IMG_5955-1.jpg

    

*******


 この前日に、山の中から群馬の夜の町の景色を撮ったんですが…
そのときにちょっとした事件が…。

菅原 夜9時くらいだったと思います。ホテルにチェックインして、
翌朝の撮影ポイントを探そうと出かけたんです。
高台から町が見下ろせるポイントを調べてあったので。
行ってみると夜の眺めが非常に良かったので、ここで今から撮ろうと決めました。
真っ暗闇の中、撮影を始めたら…遠くでガサガサっと音が。
山なのでタヌキとか動物はいるだろうと気にせず撮影を続けていたら、
ガサガサ音が近づいてきて、
明らかに森の中から抜け出て来た音がしたんです。
そうしたら、20メートルくらい先で、
ブヒブヒ言いながらイノシシが駆けずりまわってるんですよ(笑)

 闇の中だから正確な位置は分からないですが、音が近づいてくる(笑)
一方こっちでは数秒おきに、カシャ、カシャ、と一眼レフが撮り続けていて。

菅原 いろんなこと考えましたよね、あの時。

 考えました。武器になるのは…この三脚しかないな…と。

菅原 イノシシがこっちに来たらカメラを犠牲にするしかないと(笑)
足の方をイノシシに向けるよりは、カメラが乗ってる方を向けるのが
武器としては強力だと(笑)ああ、カメラよさようなら…みたいな(笑)
でもイノシシに襲われて明日の朝刊に載るのは嫌だと思って(笑)

 なかなかスリリングでしたね(笑)

菅原 まあでもイノシシくんは去ってくれて無事に撮り終わりました。
で、この話が“旅の宿”につながってまして、
翌日に泊まった宿の夕食が“シシ鍋”だったんです(笑)
しかも、明らかに地元で獲れた、新鮮で臭みも無い、
非常に美味しいシシ鍋なんですよ。

 「これ、もしかして…あいつかな…?」みたいな(笑)



________


【菅原康太氏プロフィール】
1981年福島県生まれ。
スタジオ勤務を経て、アジア・ヨーロッパを放浪。
ベトナムで出会った20歳前後の青年が一人前の漁師として働く姿に感銘を受け、
プロフェッショナルとしてやりたいことに打ち込もうと決意。
2006年に帰国後、桐島 ローランド氏に師事。
2009年7月フリーランスフォトグラファーとして独立。
人物ポートレートを中心に、CMグラフィック、
テレビや映画の宣伝写真、料理写真など幅広く活動。


【佃尚能氏プロフィール】
NHKドラマディレクターとして大河ドラマ「平清盛」「坂の上の雲」
「55歳からのハローライフ」等を担当。
主な演出作に「ゲゲゲの女房」「浪花の華」「放送博物館危機一髪」等。
映画「スキャンダル!」(脚本・監督)で
第45回ヒューストン国際映画祭グランプリ(短編部門)を受賞。
2014年7月より、NHK内で初となる、ジャンル・部署を横断した
様々な番組のクリエイティブ・ディレクションを担当。

________


雪にもめげず、イノシシにもめげず、

タイムラプスに合う撮影ポイントを求めてさまよう二人。

話を聞くほど、予想外の苦労があったことに驚きました!

 

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「スタジオパークからこんにちは」に

5月1日(金)は、D県警 本部長役で3話に出演の、

古今亭菊之丞さんが登場です!!


番組ホームページでは、

古今亭菊之丞さんへの質問・メッセージ募集中です♪

 l_head.gif
総合 午後1時5分~
http://www.nhk.or.jp/park/




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【ドラマトピックス】

ピエール瀧さん主演 土曜ドラマ「64(ロクヨン)」制作開始!
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/6000/203012.html

【番組ホームページ】
http://www.nhk.or.jp/dodra/rokuyon/
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【放送予定】
4月18日から総合・毎週土曜<連続5回>午後10:00~10:58

【原作】
 横山秀夫『64』
※横山秀夫作品のNHKでのドラマ化は、2005年放送の『クライマーズ・ハイ』
(放送文化基金賞本賞・ギャラクシー賞優秀賞受賞)以来。

【脚本】
大森寿美男

【音楽】
大友良英

【出演】
ピエール瀧、木村佳乃、新井浩文、永山絢斗、山本美月
/ 萩原聖人、高橋和也、村上淳、平 岳大、きたろう、古今亭菊之丞、入山杏奈
/ 吉田栄作、尾美としのり、中原丈雄、段田安則、柴田恭兵 ほか

【演出】
井上剛    増田靜雄

【制作統括】
屋敷陽太郎

 

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:20:30 | カテゴリ:64(ロクヨン)

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