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『精霊の守り人 最終章』脚本家・大森寿美男さんインタビュー 〜イメージが動き出す瞬間まで〜Vol.1

seirei_omori_180124.jpg『精霊の守り人』の原作『守り人シリーズ』は、外伝を含めると全12巻にわたる長編作品。この壮大な物語を3つのシーズンに再編し、スタッフや役者の指針となる脚本を担当した大森寿美男さんのお話を、全5回で紹介します。ドラマとしての新たな魅力が引き出された秘密が明らかに――!? 第1回は、シーズン2までの感想や大森さんお気に入りのシーンを教えてもらいました!


■想像を越えた世界観が生まれた。
シーズン2まで見てきて、「すごい作品だなぁ」と思っています。美術、衣裳、演出、撮影、編集、音楽、音響効果…もちろん役者も。みんな最高の仕事をしてるんじゃないでしょうか。以前「ファンタジーは"舞台"が大事だから、そこが偽物っぽくなるとすごく嘘くさい話になってしまう」と話したことがあったんですが、想像以上に、むしろ想像もしてなかったような世界観が生まれてよかったですよね。シーズン2になってからいろんな国が出てきましたが、明確に色分けして国を表すのではなく、食べ物や動物、そこに息づいている雑多な人間の"匂い"みたいなものが非常に感じられるセットになっていた。そういうところを重視してつくっているのがすばらしいと思います。すんなりと物語の世界に入っていけました。

■美術チームの発想が物語を動かす。
舞台については、美術チームの発想に物語が影響を受けて、変わっていった部分がたくさんあります。いくらこちらが「このシーンはこういう場でないと困る」と言っても、美術チームに勝算みたいなものがないとうまく世界観がつくれません。四路街にしても、ロタ祭儀場にしても、ああいう舞台設定はまったく考えてなかったので、美術や演出からの提案に対して「それもおもしろいな」というところから、また展開を発想していったりしました。

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■「ロタ祭儀場」のシーンに感動。
シーズン2の、ロタ祭儀場でバルサがアスラを救う回は秀逸だったと思っています。僕は最初、ものすごく広いコロシアムみたいな壮大なセットを頭に浮かべて書いたんです。でも、スタジオの中で撮らなきゃいけないので、いろんな制約や条件もあって。「どんな画になるんだろう…」と不安を抱えつつも、演出家と美術チームが力を結集して、限られた条件の中であれだけ物語の奥行きにあったステージをつくり、あのシーンを描き切った。

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だだっ広いところにロケセットをつくり、ものすごい人数を集めて撮れば、それは感動的な画は撮れるでしょうけど、エキストラの人数なども限られていた中でああいうシーンができたのは、スタッフひとりひとりに「物語を語る」というスピリットがあったからだと僕は思います。制約を見せず、想像力で全部補ってやるんだっていう意気込みが感じられましたね。役者も自分の個性に頼らず力だけで見せ切るというか、その物語の世界の中で、ちゃんとその心を伝えようっていう芝居をしていた。それはロタ祭儀場に限らずですが、スタッフと役者全員の一致団結感や目標が如実に出てたシーンのように思えて、アクションシーンに涙が出るほど感動的でした。

■楽しみなシーンが多くて絞りきれない!
最終章は見どころがいっぱいありますが、バルサがカンバルに帰って故郷の人々と初めて対面し、ジグロ以外のカンバル人と言葉を交わしていくところが楽しみですね。ログサムとジグロの過去のシーンや、ログサムとバルサの対決も気になるし、カグロ(ジグロの兄)とバルサが戦うシーンもどうなってるんだろう?と思います。あとは、なんといってもタルシュ帝国の戦争シーン。どこまでのスケールになっているんでしょうね? 樋口真嗣さんが演出されると聞いて、すごく安心しましたよ。すごいことになるなっていう期待も込めて「どこまで許すんだろう」と思いましたね(笑)。

最後の大洪水は、3.11(東日本大震災)のこともありデリケートなところですが、逃げちゃいけないと思いました。このドラマの企画が上がったのは3年くらい前で、その頃はそのラストシーンは無理じゃないかって空気でしたが、3年たつと、「だからこそやらなきゃいけないんじゃないか」って空気に変わっていきましたね。僕もあんまり日本と重ねる必要はないと、重ねたくないなとも思いました。ここも「物語」の力を信じました。

 


次回は、原作と大きく構成を変えたことについて、大森さんが詳しく語ります。著者・上橋菜穂子さんとのエピソードも必読です!

★大河ファンタジー「精霊の守り人 最終章」

2018年1月27日(土)よる9時 ついに完結!
NHK総合テレビ 毎週土曜 (連続9回)
「精霊の守り人」番組公式ホームページ→http://nhk.jp/moribito

最終回「旅立ち」
バルサ(綾瀬はるか)と捕らわれの身であるタンダは、魂をトロガイの元に飛ばし、ナユグに春がきたことを伝え、光の鳥を飛ばし人びとに早く逃げるよう警告することを提案。そのさなか、タルシュ帝国が滅びる。やがて一気に濁流が押し寄せ、川の水が増水。大勢の人たちが逃げまどう。そして、物語はクライマックスに。新ヨゴ国の都は消えてなくなるのか?再び離ればなれになったバルサとタンダは再会できるのだろうか...。

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:12:24 | カテゴリ:精霊の守り人

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