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『精霊の守り人 最終章』樋口真嗣さん&尾上克郎さん登場!特撮鼎談vol.2

第2回は、制作が始まり、NHKのドラマ制作の進め方を初めて経験した監督たちのとまどう姿。映画の現場との違いに驚き、葛藤したエピソードなど、監督たちの本音をお届けします。

moribito_higuchi2_01.jpgNHKのドラマ制作を初めて経験した樋口さん。映画の進め方との違いに驚くこともあったようです。


 ■NHKのドラマ制作を初体験。イメージ発注とは?

樋口:
いざ始まって、意外とびっくりしたのは、進め方が微妙に違うことですね。まず「イメージ発注」っていう打ち合わせが、美術発注の前にあるんですよ。これは何かって言うと、台本に沿って演出家が「僕はこういう風にしたいんだ」っていうのを、2時間半くらいずっと喋り続けるという、素晴らしい儀式(笑)。演出家が何を言ってもいいんだっていう。まず演出家がイメージをみんなにつまびらかにするんです。映画だと、そこは根回しの上でやるんです。そうじゃなくて、トップダウンです。それに対して逆の根回しがあるっていうか。ある意味、演出主導でありながら演出が試されているって感じましたね。

尾上:
演出家が「起きているうちに言ってる寝言」を聞くような感じですよね。「なんか寝言を言ってるなー」(笑)って、みんなで聞くわけですよ。

樋口:
そう!みんなちゃんと聞いてくれるんですよ。

尾上:
とっても面白い経験でしたね。

樋口:
その後に美術発注という、美術部からのリターンがあるんです。その前にまず演出が、「これをこうしたいんだ!」っていうのを全スタッフが聞いてくれる。なんとも斬新な場でしたね。


樋口さんが描いたタルシュ軍の指揮車。細部にもアイデアが書きこまれています。

樋口:
そのときに喋ったことは、結構、実現できていたように思います。できなかったことは自然と自分の中で、「あれは縁がなかったな」と思って忘れちゃうんです(笑)。監督には二種類いて。「ほんとはこうしたかったんだけど」って、いつまでもネチネチ考えるタイプ(笑)もいますが、僕は忘れるほう。

尾上:
今回はやれて、良かったよね(笑)。それは、普段やりたいことをやめさせられるのに慣れていて培った諦めですよ。(笑)。

樋口:
いつも諦めて忘れてる(笑)。忘れさせられる...。なんだっけそれ、みたいな。

尾上:
「そういえば、最初にそういうこと言ってたよね」ってことよくあるね。

 いちばん驚いたのはリハーサル。これって毎回いるの?

樋口:
現場に入っちゃえば進め方とかは基本は同じですね。ただ、リハーサルっていうのは初めてやりました。リハーサル室でリハーサルをするんです。何もないところで箱馬(撮影する際に被写体などを載せる用途で使う台)相手にやるっていう、あれはけっこう新鮮でした。

結城:
映画ではリハーサルはないんだね。

樋口:
近日中に撮る場面の俳優部を集めてやるんですけど。最初が、藤原竜也君演じる帝が一心不乱に祈るという1人だけの場面で。そんな場面を、リハーサルをする必要があるんだろうかって(笑)。NHKのやり方に疑問を呈するというほど大げさなものではないんですが、やっぱり疑問に思っていて。藤原君に「これさ、現場でいいよね」って言ったら、「現場でいいですよね」ってその場は終わってしまいました(笑)。

樋口:
例えば、何人か複雑な人間がいて、それのブロッキングとかをちゃんとやる必要があれば、現場に入る前にきちんとやっておくべきだと思うし。俳優にとってのお芝居とかで、あらかじめ考える時間を与えなきゃいけない場合は、いると思うんですけど。

尾上:
たしかにね。

樋口:
『精霊の守り人』は、特殊な扮装とかも含めて、俳優がおそらく役に入り込むのに、ワンステップ置かなきゃいけないタイプのお芝居ですよね。そういう場合はやっぱり扮装してもらってからのほうがいいなと思うんです。だとしたら、リハーサルじゃなくて現場に入ってからの方がいい。明らかに、みんな扮装すると出来上がってくる。役者さんが役になりきるために扮装って大事だなと思います。こういうファンタジー作品は特にそうですよね。

樋口:
あとは「撮れ高」というのが、日報で上がって来るのは怖かったですけどね。「お前は今日1日で何分撮れたのか」って。いっぱい撮ったつもりだけど、2分しか撮れてないとかね。貴重な経験でした。


 次回は、制作の段階で特撮チームが苦労したところやこだわったところについて、ご紹介します。
中でも火薬がない時代の戦闘シーンをどう解決したのか、樋口監督と尾上監督の掛け合いは必見です!

どうぞお楽しみに!


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『精霊の守り人』シリーズの美術セット360度コンテンツを公開中!

 

★大河ファンタジー「精霊の守り人 最終章」

2018年1月20日(土)よる9時 クライマックスへ!
NHK総合テレビ 毎週土曜 (連続9回)
「精霊の守り人」番組公式ホームページ→http://nhk.jp/moribito

第8回「神なき世界」
チャグム(板垣瑞生)がロタ軍とカンバル軍を引き連れ戦場に現れる。火の粉と黒煙を巻き上げる戦場で指揮し勝利に導く。新ヨゴ兵に出迎えられ、チャグムは、父・帝(藤原竜也)と母・二ノ妃(木村文乃)に再会。その頃、バルサ(綾瀬はるか)とタンダ(東出昌大)は青霧山脈での異変をトロガイ(高島礼子)に相談に向かう。民衆に軍神が舞い降りたと崇(あが)められたチャグムに対し、帝が取った行動は...。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:18:08 | カテゴリ:精霊の守り人

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