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ファンタジーを形にする道のり。『精霊の守り人 最終章』演出・片岡敬司さんインタビュー1

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ファンタジーの世界をドラマにするということは、形のないイメージを具体的な形にしていく作業の繰り返し。キャストやスタッフの想像力と知恵と努力が結集して、物語ができあがります。『精霊の守り人』の独特な世界観づくりの過程やエピソードを、シーズン1と最終章を演出した片岡敬司さんが5回にわたって語り尽くします。第1回は、最終章の意気込みと見どころをお届け!


 

■スケールがさらに大きくなった最終章

最終章はまさに「守り人」史上最大のスケールです。シーズン2は台本に参加しただけなので余計に感じたのですが、最終章はシーズン1より何もかもが数段スケールアップしているの、それに追いつこうと相当苦労しました。シーズン2の魅力は「魔術系」というのでしょうか、ミステリアスでトリッキー、アート感覚な映像ですよね。最終章はそういうのは少なくて、戦争とか天変地異とかもっとリアリスティックなんですよ。そこが大変というか、感覚だけでは乗り切れないぞと覚悟したところですね。

シーズン1から最後まで演出に携わった者として、ここまで広がった話にどう決着をつけるか責任を持たなければならない。個々のエピソード、登場人物の一人一人にゴールを持たせるのは当然として、最後まで観ていただいたみなさんに、「世界は広くて複雑でわからないことだらけだけど、だからおもしろい、だから生き抜く価値があるんだ」と、そんな熱い思いを抱いて日常に戻って行ってもらいたいなと、そんな願いを込めて演出しました。

 

■視聴者はみんな食べ物が好き!

moribito_ishiki_171206-1.jpg「バルサ飯」は演出Iさんのブログにも登場

シーズン1の反応でわかったのは、見てる人は食べ物が好きだということ(笑)。確かに食べ物ひとつみるだけで風土や暮らしがなんとなくわかったりするので、最終章ではすごく大事に撮ってます。特に1回目なんかは食べ物オンパレード。なんでここまでっていうくらい、食べ物が出てくると必ずアップで撮りました (笑)。それから、最終章は人間ドラマをわかりやすくつくっています。ずっと見てきた人でも前までのシーズンを思い出しながら見るのは結構大変ですし、シーズン1と2で描いてきたことがわからなくても見られるようにしようと心がけましたね。むしろ、最終章を見ることで「前にどんなことがあったんだろう?」と、改めてシーズン1,2を見てもらえればと思っています。

 

■上橋先生からの大胆な提案。

原作のシリーズとしては2作目の『闇の守り人』の内容を、最終章でやることになった経緯はおもしろいんですよ。全体の構成を考えるときに、まず原作本を12冊(スピンオフも含めて)ズラリと並べて考えたんです。「シリーズ3作目『夢の守り人』のことはちょっと難しそうですよね」という意見はみんな一致しました。映像化が難しいし、スピンオフ的な内容でもあるので、要素としてところどころいただくだけにとどめると。そして、いろんな角度から流れを確認している内に、バルサの話が途中で終わってしまうことに気がついた。このドラマシリーズはバルサが主人公で、バルサのドラマを貫きたいのに、2作目『闇の守り人』でバルサが抱えている一番大きなトラウマが解決してしまうんです。そうすると主人公としてなにか物足りなくなってしまうので、どうしたらいいのかと悩んでいたら、上橋先生が『闇の守り人』を『天と地の守り人 カンバル編』に持っていって「これでどうですか?」と。「でも、ログサムは死んでますよね?」と言ったら、「いや、生きてればいいんですよ」って、上橋先生の方からものすごいビジョンを出してくれたんですよ。「うわぁ、この人大胆だな」って思いました(笑)。

そんなダイナミックに考えられるなんて、やっぱり原作者はすごいなと思いました。上橋先生は登場人物を愛していて、よく知ってますよね。ひとりひとりがどういう重荷を背負って、10冊の本の中をどう生き抜いたかをよくわかってらっしゃるから、その山あり谷ありの人生をどう織りなせば素敵なドラマになるかという発想ができる。上橋先生は長い大河ファンタジーとしてこの物語をやることをすごく喜んでくださって、「だったら一番いいものを」と考えてくださったんです。


 

第2回は、片岡さんがこだわった「カンバル」のイメージと、特撮監督・樋口真嗣さんを戦争シーンの演出に招いたエピソードをお話ししていただきます。お楽しみに!

 

★大河ファンタジー「精霊の守り人 最終章」

2018年1月6日(土)よる9時 新章突入!
NHK総合テレビ 毎週土曜 (連続9回)
「精霊の守り人」番組公式ホームページ→http://nhk.jp/moribito

第6回「戦下の別れ」
ログサム(中村獅童)が亡くなり、息子のラダール(中川晃教)がカンバル王国の新国王となる。ラダールは、バルサ(綾瀬はるか)とチャグム(板垣瑞生)にロタ王と手を結びタルシュ帝国と戦うことを誓う。そして、チャグムはバルサに別れを告げ、大軍勢を率いて戦へと旅立つ。その頃、タルシュ帝国との戦いの中、タンダ(東出昌大)が負傷してしまう。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:17:51 | カテゴリ:精霊の守り人

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