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『精霊の守り人』人物デザイン図鑑 vol.2

第2回は、人物デザイン監修とはどんな仕事なのか、そしてシーズン2から登場した新しいキャラクターに込めた思いや衣装のみどころについて人物デザイン監修柘植伊佐夫さんに語っていただきました。

■人物デザインは衣装をつくるだけじゃない!?

「人物デザイン監修」というのは物語にフィットするように、衣装も含めて人物を表現していく仕事です。僕が示すのはあくまでも方向で、その中に衣装の形や色、意味など、色々なものが含まれています。実際につくるのは衣装、ヘアメイク、かつら、帽子、特殊メイク、小物、小道具など、それぞれのチーム。僕はすべてのチームを束ねるクリエイティブディレクターとして存在しているわけです。それでは、シーズン2の新キャラについて解説していきましょう。

■ロタ王国を揺るがす力を秘めた【アスラ】

シーズン2のメインとなるロタ王国は草原地帯で、遊牧的な民族なので砂や風から身を守るために、布を巻くスタイルが基本になっています。アスラはシーズン2のカギを握る人物。異能の力を持ち、ロタ王国のなかで抑圧される「タルの民」というマイノリティな民族です。彼らは国家の根幹を担う神話的な側面を表出させるという役割なので、衣装も布を巻くのはロタと同じですが、そこには人の目から「隠れる」、身を「守る」という意味が込められています。タルの民のイメージカラーは赤。当初、台本では秘匿され、忌避された世界の象徴として「黒い衣装」とあったのですが、既視感のある意味づけを避けたかったのと、インパクトを表現したかったので赤にしました。彼らが赤い染料を自分の手で額や首に塗るのは、民族的なアイデンティティを表現しています。

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アスラは、第3回でバルサの昔なじみのマーサの店(サマド衣装店)に身を寄せることになります。ここでの衣装が一番の見せ場であり、楽しいところです。花をモチーフに刺繍とステッチをあしらった可愛いワンピースで、それまでの暗い出来事から解放されて、1人の女の子に戻ったアスラを表現しました。ここで楽しさを演出することが、シーズン2のなかではとても重要なので、「パーッと明るくしよう!」とみんなで話し合って、アイディアを出し合いました。このシーンのセットもすごく綺麗なので、楽しみにしていてください。あと余談ですが、アスラ役のリオちゃんが俳優陣のなかでは一番のしっかりものでした(笑)。

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■禁域に忍び込んだ【トリーシア】

トリーシアはアスラとその兄チキサの母。第1回の登場シーンは実にショッキングです。彼女も「タルの民」なので、イメージカラーである深い赤色の布をまとっています。額に書いているマーキングは魔除け。その形や付け方は試行錯誤を重ねた結果、シンプルに「指でつける」ことに落ち着きました。また、タルの民には「成人女性は眉をつぶす」という風習があり、眉を白く塗りつぶしています。衣装は、タルの宿命ともいえるドロドロした部分に加え、洗練されていながらも野性味が感じられることをめざしました。

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壇蜜さんとは初めてお仕事をさせていただきましたが、早い段階で本質を取り込む能力が高くて、やりやすかったですね。役の立場とか、イーハン(ロタ国王の弟)との関係性や世間と隔絶された闇のような暮らしをしてきた雰囲気とか。また、肌を守ったり、出したりというのは、その精神も表しているわけで。ある種のだらしなさと潔癖さを併せ持つトリーシアの不条理さ、みたいなことをきちんと表現してくれました。

柘植組には、衣装や小物が出来上がった段階で「扮装チェック」という儀式があります。広いリハーサル室に全スタッフが集合して、衣装から小道具まですべて持ち込こんで、役者さんとそのキャラクターに合うかどうか、一気にチェックします。役者さんも僕たちも本気で取り組むので、かなり時間をかけますよ。その「扮装チェック」でも、壇蜜さんは協力的で飲み込みも早くて、素晴らしかったですね。おかげでイメージどおりのトリーシアになりました。

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『精霊の守り人』人物デザイン図鑑 vol.1

『精霊の守り人』人物デザイン図鑑 vol.2

『精霊の守り人』人物デザイン図鑑 vol.3

 


「精霊の守り人」番組公式ホームページ 
http://nhk.jp/moribito

 

投稿者:スタッフ | 投稿時間:18:00 | カテゴリ:精霊の守り人

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