今回のテーマは、セットの飾り変え。1つのセットを使用しながらも、シーンにあわせて飾りを替えて、まるで別の背景をつくってしまうというテクニックです。なかなか聞けないドラマの裏話も交えて、詳しく解説していただきました。
■本物よりも神秘的な森がスタジオに出現。
シーズン2における森は特別な場所で、タルの民にとって神聖な空間というところに繋がるので、実際の森に行って撮るよりも神秘的でなければならない。だとするとスタジオ内に神秘的で大きな森をつくると発想した方が、勝ち目がある…という判断をしました。
ひとくちに森と言っても、いろいろなパターンがあります。「森と祭儀場のセット」では、まず祭儀場をつくって、原作では遠い場所にあるのですが、その周りを森にしておきます。その後で、祭儀場の石を取り払って、その他のシーンの森に活用しました。「ツーラムのセット」は、その後に、港の船を取り払って交易市場に替えて、違う方向からアジアの市場のシーンを撮影しました。さらに、今度はその市場を取り払って小屋を建てて、ロタの平原へとつくり替えました。そうやって同じセットをうまく使い回して、色々なシーンを撮影して、予算を節約しながらも相乗効果を出して、スケール感のある表現を実現できたと思っています。
■歌番組でおなじみのムービングライトをドラマに!
シーズン2では照明にもこだわっています。例えば、ロタ王国の禁域の森にある結界のシーンは「ムービングライト」を使っています。これはNHKホールの紅白歌合戦などの歌番組や、コンサートで必ず使われる、ステージ用の照明器具です。コンピュータ制御で、光の強さや幅、動きを出せる照明なのですが、森の中に差し込む強い光を表現したくて、照明さんたちが用意してくれました。ドラマのスタジオで使うのは初めてだったのですが、斜めの光を出して、深い森のきれいな光を表現することができました。
『精霊の守り人』アイデアの結晶 「アスラエフェクトのスゴ技に迫る!」
「精霊の守り人」番組公式ホームページ
http://nhk.jp/moribito
投稿者:スタッフ | 投稿時間:12:00 | カテゴリ:精霊の守り人