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「第3話」カメラマン奮闘記!

一口にテレビ番組と言っても、報道からバラエティまで様々なジャンルがあり、それぞれに専門性を持ったスタッフがいます。しかし、「55歳からのハローライフ」では、そんな垣根を取り払い、ドラマ以外のフィールドで活躍しているスタッフにも参加してもらい、新たなチームで番組づくりに臨みました。

第3話「結婚相談所」のメインカメラを担当したのは、普段は主にNHKスペシャル等のドキュメンタリーを撮影している小嶋一行カメラマンです。今回は、ドラマ初挑戦となる小嶋カメラマンの奮闘記をお読みください。

*  *  *

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    「台本にいっぱい書き込んでいるね、
      絵を描いているの?考えすぎじゃない?」

撮影現場で私が台本を開くたびに、幾度となく声をかけられました。とても恥ずかしいことに、私の台本には落書きのような絵がたくさん書いてあるのです。今回、この場で恥を忍んでお見せしたいと思います。何故このような落書きを描いたのか。

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(クリックすると拡大します)

普段、ドキュメンタリーの撮影を行っている私が、今回初めてドラマの撮影を担う機会を得たのは今年の1月下旬。その日から原作を読み、改稿される台本を読み返す度に、このとても拙い絵を何度も台本に描き直したことを覚えています。

撮影をする場面を想像し、自分なりに思い描いた映像を台本に描き留めておく。ドキュメンタリーの撮影では出来ない、ドラマだからこそ出来る映像表現を模索していました。

初めてドラマの撮影現場にカメラマンとして立つことはとても不安でした。
ドラマ制作は高い専門性を有する多くのスタッフの総合力で成り立っています。瞬発力が求められるドキュメンタリーの撮影において最小メンバーは3名。ディレクター、音声マンそしてカメラマンです。それに比べドラマのスタッフは30名を超えます。そのような大勢のスタッフの中で、初めてドラマの撮影を行う私が思い描く映像は通用するのだろうか?

これまで培ってきた撮影経験や美意識が問われていました。
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「何にせよ、最大の根拠とは経験である」
とイギリスの哲学者は言っています。

撮影するにあたり極めてシンプルで且つ重要なことは、サイズ、ポジション、アングルを的確且つ効果的にカメラマンである私が決められるかということです。

それは、ドラマの撮影を経験したことのない私にとっては未知の領域でした。
カメラマンとして根拠の伴わない撮影ほど画の持つ力が弱いものはありません。その映像が持つ意味や込められたメッセージは大勢のスタッフにはもちろん視聴者になど到底届きません。私に果たしてドラマの撮影が務まるのか。

この落書きは、そのような不安を抱えていた私が自問自答した結果です。
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台本には、「赤いショーツに足が通される」とありました。女性がお風呂の脱衣所で下着を着けるところなど見た事がありません。想像する他ありません。

一体どのようなサイズ、ポジション、アングルであれば美しく撮影することが出来るのか、研究しなくてはなりませんでした。自宅の脱衣所で妻の協力を得ながら、ショーツに足を通す姿を美しく感じるとはどのような映像なのか?色々な角度から見つめ、絵を描いてみました。

言葉で説明するよりも、下手でも良いから絵を描いて、それを見て貰い少しでも自分の考えを伝えられたら・・・。ドラマ撮影に必要とされる映像言語が乏しい私は、この拙い絵を頼りに監督や美術デザイナー、共に撮影に臨んだ先輩カメラマンを始め、多くのスタッフに自分が撮影したいイメージを伝える手段としました。
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ただ、やはり事前に思い描いていた映像が貧相な発想で、現場で通用しないことがほとんどでした。経験値が少ないということだけではなく、如何にドラマにおける映像表現が難しいかということを知ったのです。

それは自分が描いたこの拙い絵を思い出す度に思い出します。

ただ表現すべきことを現場で発見することの重要性にも気がつきました。事前に想定していた事柄に執着するのではなく、撮影現場でいま何が重要なのかを感じ、見つけることを表現する。映像表現の手法や過程は違えども、本質がどこにあるかを見抜く力はドキュメンタリーにもドラマにも強く求められるものだと改めて思う限りです。

今回、この拙い絵を紹介するにあたり台本を久しぶりに開きました。
大いなる不安のなか喜びも悔しさも共にしたこの台本に描かれたひとつひとつの落書きが私の掛け替えのない経験です。この落書きが、これからも撮影を続けて行く私の根拠の一部になってくれると信じています。

 *  *  *  

6月28日(土)夜9時から放送の「55歳からのハローライフ」第3話では小嶋カメラマンの、思いの詰まった映像にも、ぜひご注目ください!

投稿者:スタッフ | 投稿時間:13:11 | カテゴリ:55歳からのハローライフ

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