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FMシアター『鯨と銀杏(ぎんなん)』の脚本を書いていただいた劇作家の東憲司さんからメッセージが届きました。

FMシアター『鯨と銀杏(ぎんなん)』 

2021年1月23日(土) よる10時~10時50分 FM

NHKネットラジオ「らじる☆らじる」での同時配信、「聞き逃し」サービスの配信(放送終了後から1週間)でもお聞きいただけます。


演出の小見山です。私は、東憲司さんが書く故郷・福岡を舞台にした物語が好きです。私自身は、福岡で暮らしたことはありませんが、そこに描かれる情景は、かつての日本のどこにでもあった日常であり、福岡言葉で語られる家族の姿に、強い懐かしさを感じるのです。私は此処に、いつの日か確かにいたのだと。
といっても、今回の舞台は、福岡の海の底に眠る「海底炭鉱」です。ファンタジックな世界ではありますが、2021年の“家族のありよう”を感じさせ物語です。

 

僕の故郷にはたくさんの古墳があった。
子供の頃、古墳で良く遊びんだ。裏山にある名もなき小さな古墳である。
その古墳は少年達の集会所だった。
秘密基地に隠れているような気分で、遊びの計画を練ったり、捨て猫を連れ込んだり、拾った木の実を食べたり…。あの黴臭い狭い場所で過ごした少年時代が、今でも懐かしくてたまらない。今回はそんな故郷の光景を思い浮かべながら、家族の絆を取り戻そうとする一人の男の物語を書いた。

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…男の冒険が古墳から始まる。男は少年時代を象徴する人物達と出会い、冒険をする。過去と対峙し、ロマンと遭遇する。しかし、戻る先は厳しい現実だ。
現在のコロナ禍の状況に立ち向かう人間の姿と重なる部分もある。
…「鯨と銀杏」…この不思議な物語を魅惑的なキャスト陣が演じてくれた。
僕も出来上がりが楽しみである。
ラジオから流れる少年時代のロマンを、皆様も是非お楽しみください。      (東憲司)


FMシアター 「鯨と銀杏(ぎんなん)」


【NHK FM】 2021年1月23日(土) よる10時~10時50分
【出演者】 村井國夫 斉藤とも子 石橋徹郎 原口健太郎 藤吉久美子 板垣桃子 大手忍 鈴木めぐみ 奥田一平 新上貴美 ネグル未羽偉
【作】 東憲司   【音楽】 澁江夏奈
【あらすじ】 東京オリンピックの開催が決まった昭和34年。そして60年経った。主人公は図らずも日本の高度成長期と21世紀のグローバリゼーションの狭間を生きた。だが、確固たる自信は今揺らめいている。人生の荒波を遡る旅。その先にあるのは悔恨か、それとも、赦しだろうか?

勇作(村井國夫)は定年退職し、故郷の海辺で暮らしている。人当たりが良く、誰からも好かれていた。妻(板垣桃子)は十年前に死んだが、可愛い孫に会いに行くのが楽しみだった。しかし…彼が生まれ育ったのは気性の荒い土地だ。家族に対しては頑迷固陋だった。男はそういうものだと思っていた。死んだ妻への態度に反発した娘(大手忍)とは、関係がギクシャクしたままだ。先日も電話でつい怒鳴ってしまった。ある日、勇作は幼い頃近所に住んでいた遊郭の女・ナオミ(斉藤とも子)と出会う。ナオミは天真爛漫に笑い、「おい、銀杏坊主…約束を守りに来たよ」と言った。約束とは、ナオミの恋人・ススム(石橋徹郎)に海底炭坑に連れて行ってもらう事だった。

投稿者:スタッフ | 投稿時間:10:00 | カテゴリ:オーディオドラマ

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