『七帝柔道記』演出の吉田です。こうした原作物をドラマ化するときは、自分に課している決まりごとがひとつあります。それは、原作の面白さを絶対にそこなわないこと。面白い原作というものは作家の方が身をけずる思いで、それこそ死ぬ思いでお書きになられています。
こちらは、その思いに応えなければならない。その理由で、私はセリフの収録現場には必ず原作者の方、あるいは編集者の方をお呼びします。しかも、この増田俊也さんの『七帝柔道記』という原作! セリフ収録のスタジオは正に「真剣勝負の場」でした。
セリフ収録後も、編集、効果音作成、音楽作成、すべてのステージで、真剣勝負の場はとことん続き・・・・・・そしてできあがった、この『七帝柔道記』全10回、面白くないわけがありません。
ご自身『七帝柔道記』のファンでもある柄本佑さん、柔道経験者の渡部豪太さん、まさに格闘家の肉体を持つ松田悟志さんの、魂と熱のこもった芝居のぶつかり合い。加えて野間口徹さん、政岡泰志さん、児島功一さん、有福正志さんの軽妙洒脱な芝居で第1回から思いっきり笑い、しみじみし・・・・・・古河耕史さん、岩渕敏司さんの芝居で、第6回、第7回必ず泣ける!
最終回では岸井ゆきのさんの芝居も実に注目です。と、頭から最後まで、その面白さは毎回15分間、充満しています。そして、熱のこもったナレーションは一体、誰が? それは最終回でのお楽しみ。
だいたい、試合や乱取り(スパーリング)のシーンで、現場の効果音としてご参加いただいている北海道大学柔道部のみなさん、何とも「男の笑顔」ではないですか! 良いご表情です。またセリフ収録の現場にも北大柔道部旧交会・東京支部のみなさんにご参加いただき、柔道指導をはじめ、北大寮歌の歌い方ばかりか、試合のシーンの審判、呼び出しとして、ご出演されています。
脚色の池谷雅夫さん、音楽のおかもとだいすけさん、川崎良介さん・・・・・・毎度毎度のベテラン・スタッフとともにみなさん、良い仕事をしていただいております。
全10回、お楽しみ下さい。間違いなく、面白いです!
青春アドベンチャー
七帝柔道記(全10回)
青春の全てを賭け、男たちが目指したもの。それは「絆」だった
【NHK FM】
2016年5月30日(月)~6月3日(金) 午後10時45分~午後11時(1-5回)
2016年6月6日(月)~6月10日(金) 午後10時45分~午後11時(6-10回)
【出演者】
柄本佑 渡部豪太 松田悟志 野間口徹 政岡泰志
古河耕史 有福正志 児島功一 岩渕敏司
岸井ゆきの 和泉ちぬ 寺部智英 山岸拓生
高山和之 羽場涼介 永尾斎 島崎裕気 中野愛弓
【原作】増田俊也
【脚色】池谷雅夫
【音楽】おかもとだいすけ 川崎良介
【スタッフ】
演出:吉田浩樹
技術:加村武 山田顕隆
音響効果:石川恭男 久保光男
投稿者:スタッフ | 投稿時間:18:14 | カテゴリ:オーディオドラマ