大阪ラブ&ソウル

"在日コリアン"の青年と"ミャンマー難民"の女性が大阪で恋に落ちた――

 日本有数のコリアンタウンを抱える大阪と、韓国・済州島を舞台に、恋人たちの"ラブ(愛)"と、在日コリアンの"ソウル(魂)"が激しくぶつかり合う。在日外国人との"多文化共生"を模索する日本の現状をあぶり出し、"国籍"とは何か…?"生きていく場所"とは何か…?を問う、大阪発ならではの愛と絆の物語です。

【放送日時】

2010年11月6日(土)

NHK総合 夜 9:00〜10:13 放送

【作】 林 海象

【音楽】 村松崇継

【演出】 安達もじり

【出演】 永山絢斗 ダバンサイヘイン 南果歩 石倉三郎 三林京子 岸部一徳 ほか

平成22年度文化庁芸術祭参加

あらすじ
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 "在日コリアン"の青年と"ミャンマー難民"の女性が大阪で恋に落ちた――

  日本有数のコリアンタウンを抱える大阪と、韓国・済州島を舞台に、恋人たちの"ラブ(愛)"と、在日コリアンの"ソウル(魂)"が激しくぶつかり合う。在日外国人との"多文化共生"を模索する日本の現状をあぶり出し、"国籍"とは何か…?"生きていく場所"とは何か…?を問う、大阪発ならではの愛と絆の物語です。

 "ソウル五輪"の年に生まれた在日コリアン三世・金田哲浩(22歳)。ブルースをこよなく愛し、就職活動もそっちのけでプロのミュージシャンを目指す大学4年生。そんな主人公の青年とミャンマー難民の恋人・ネイチーティン(29歳)が、数々の障害を乗り越えながら成長し、結婚を決意するまでの「愛の物語」を瑞々しいタッチで描きます。さらに"朝鮮戦争"の年に生まれ、息子の結婚に激しく反対する二世の父・暉雄(60歳)と主人公との「魂の葛藤」も絡めて、今の日本で生きる"在日コリアン家族"の苦悩と喜びを鮮烈に浮き彫りにします。

 このドラマでは、父と息子が初めて訪ねる祖国、韓国・済州島への二人旅が大きな見せ場となります。美しい自然と悲しい歴史を持つ済州島でロケを敢行し、韓国の俳優も多数出演します。

<オリジナル作品> 

 STORY

 大阪・生野区生まれの在日コリアン三世の金田哲浩(永山絢斗)は大学の法学部4年生。父・暉雄(岸部一徳)は苦労の末、鶴橋で焼肉店を成功させているが、そんな父の期待に反発し、哲浩はバンドでブルースハープの演奏に明け暮れている。2010年5月、父の還暦祝いパーティー席上で、哲浩は突然「結婚する」と宣言する。寝耳に水の暉雄は激怒し大喧嘩が始まる。もめる父子に、祖母・ 順慈(新屋英子)が一族の秘密を明かす。実は、韓国・済州島でおきた歴史的事件「四・三事件」(1948年)を逃れて日本に来たために、金田家は一度も祖国に帰ることがなかったのだと。順慈は「結婚を決めるのはお前の勝手やけど、その前に一度祖国を見てきたらええ」と哲浩を諭す。

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 哲浩の恋人ネイチーティン(ダバンサイヘイン)は、祖国ミャンマーで民主化運動に身を投じ、24歳のとき日本に逃亡。今は難民認定申請中の身だ。バイト先の居酒屋で会ってすぐに、哲浩は彼女の純粋な魂に魅かれたのだ。だが、「家族に祝ってもらえへん結婚は結婚とは言えへん」と、プロポーズ以来ネイチーの態度はどこかよそよそしい。難民認定がなかなか下りない状況の中で、日本を離れなければならない可能性もあって、ネイチーは結婚に踏み切れないでいたのだ。そんな彼女の苦しい気持ちをどうすることもできないまま、哲浩の渡韓の日は迫っていた。

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 済州島に渡った哲浩と暉雄は、親戚たちから大歓迎を受ける。しかし、酒席で酔った親戚に、「辛い時代に自分たちだけ日本に逃げた」と言われたことで、暉雄は激しく落ち込む。翌日、祖父母の故郷を訪れた二人に、一族の長老が、済州島が遭遇した悲惨な虐殺事件「四・三事件」について語る。自分の親たちが体験した凄惨な事実に大きな衝撃を受けた暉雄は、じっと海を見つめ泣き崩れる。その姿に哲浩は父の熱い"魂"を見るのだった。

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 哲浩と暉雄は、帰路をフェリーに変更する。それは、かつて一世たちや恋人のネイチーが「生きる場所」を求めて日本に渡ってきた航路だった。船上で暉雄は「好きな女といっ しょになって、世界のどこにでも住めばええ」と、哲浩の結婚を許す。だがその直後、ショッキングな知らせが入る。ネイチーが入国管理局に収容されたというのだ。大阪港に着くと、哲浩はすぐにネイチーの元に走った。力の限り走った。"愛"と"魂"を込めて、再びプロポーズするために……もう哲浩に迷いはなかった。