劇中でインパクト大だったヤス(堤真一さん)の仕事場「瀬戸内通運」。
ここは、北九州市・門司港沿いにある現在は使われていない倉庫群、 「旧農水省食糧事務所門司倉庫」という所です。
(赤い屋根が並ぶ建物)
倉庫と、倉庫沿いに伸びる鉄道の引き込み線、向かい側に建つ古い洋館を大改造。 一分一秒を惜しんで荷物の運び出しを行うプラットフォーム、ヤス達の休憩所もある会社の事務所、そして、美佐子(西田尚美さん)が悲劇の事故に遭う倉庫内と、数多くのシーンをここで撮影しました。
美術チーム渾身の大改造、膨大な量の装飾が出来るまでを追いました。
<2011年8月3日>
今は使われていない倉庫と引き込み線。右も左も前も後ろも雑草、雑草、雑草だらけ。 およそ3000平方メートルの敷地を、制作スタッフ総出の“真夏の大草刈り大会”スタート(><。)。。
<8月中旬>
今回のプラットフォーム設営には、JR九州から多大なご協力をいただきました。
倉庫前の引き込み線のレール、ポイントを使うのは20年以上ぶりで、熱変形を起こしている部分等もあり、枕木も含め2週間ほどかけて補修&修理。
<8月19日〜>
撮影に使う貨車は広島の車両基地に保管されていたもの。
倉庫前の引き込み線は最寄りの幹線とは遮断されているため、車輪とボディーをバラし、道路を走って広島から門司港の倉庫へと大移動!

倉庫へ貨車を積んだトラックが到着
クレーンを使って引き込み線のレール上へ設置
<8月28日>
今回の車両編成は、先頭のディーゼル機関車1両、次に貨車5両、最後に車掌車1両です。ディーゼル機関車(入換動車 ヨ8000)と車掌車は門司の車両基地からやって来ました。

入換動車 ヨ8000

車掌車も到着

アント
各車両をレール上に設置出来たものの、先頭の機関車の自走機能が失われていたため、小型の牽引動車「アント」でゆっくりと移動させることに。(写真の青い機械)
ちなみにこの編成の全体重量は100t。アントは200tまで牽引出来る。
<9月1日>
倉庫内では別の作業がスタート。
山と積まれた木の板から、大量の木箱の組み立てがはじまりました。
ロケではこの木箱が、輸送待ちをしている貨物として使われます。
<9月2日>
倉庫前の舗装の補修。いろいろやることありますね。
<9月3日>

車体色は、機関車→朱、貨車→緑でした。
時代設定に合わせるため貨車を手作業で黒に塗り替えます。
一方その頃、倉庫脇では… 
なにやら骨組みが出来上がってきました。
<9月7日>

骨組みに屋根が乗っかりました。
<9月8日>
貨車の塗り替え完了!
翌日、撮影スタッフが現地入りし、チーフ助監督T土くんから、車両制御&車掌で出演するJR九州のみなさんへの撮影内容とお芝居の説明。
<9月20日>
例の屋根に「瀬戸内通運」の看板が!これはもしや…車庫?
線路前にホームが設置されました。手前は荷下ろし用のスロープ。
完成形に近づいています!
跨線橋も作ってしまいました。
劇中では「安全第一」の看板が付いていたところです。これはもう、ほとんど“駅”です。
<9月25日 撮影前日>
貨車で運ばれてきた設定の荷物も準備完了!
木箱、籠、俵、袋など、今とはだいぶ見栄えの違う荷物。これも美術スタッフの労作です。
リハーサルに備え、貨車の中に荷物を詰め込んで行く、助監督T土くんとI並くん。
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“あの屋根”の下にオート三輪が並んで、レトロ感あふれる車庫が完成!
錆び加工が施され古めかしい雰囲気いっぱいの見栄えに仕上がりました。
ずっと以前からここに建っていたかのようです。
車庫の脇に美術さんが設置した水道(水は出ない)で手を洗おうとして、
「それセットだよ」と言われたスタッフもいるとか(笑)
軍手と汗ふきタオル。肉体労働者の必需品が干してある、という芸の細かさ。
(実際にはこのセットを作った装飾スタッフの必需品かも(笑)
JR九州の方が合流し、明日の撮影に向けて車両の動きをリハーサル。
前述の「アント」はゆっくりと牽引するためのもの。アントで出せるスピードでは撮影用に足りないため、なんと!アナログに人海戦術。地元フィルムコミッションの呼びかけで駆けつけた、地元大学生の皆さん20人と、スタッフが共に車両を押します!
テストで5回、本番では20回以上だったとか。みなさん本当にありがとうございました!
この様子はメイキング動画でもご覧頂けます。
<9月26〜28日 撮影当日!>


ついに、昭和30年代の通運会社で働く、泥臭い男たちの“熱気”が再現される日がやって来ました。一ヶ月に及ぶ準備の成果が収録テープに納められる日、とも言える、気合の入る瞬間です。
学生ボランティアのみなさんの“人力”で貨車がプラットフォームに到着!
堤真一さん、塚地武雅さん、徳井優さんら俳優陣、エキストラのみなさん、そして車両を制御するJR九州の方々、全員が「ホコリまみれ汗まみれ」な“汚しメイク”に“汚し衣装”をつけて、貨車到着〜荷降ろしと、躍動感溢れるシーンを昼と夜のそれぞれで撮影!
長いクレーンも出動し、力の入ったカメラワークで撮影が進みました!
撮影は、貨車到着→荷下ろしの段取りの繰り返し。下ろした荷物を再度貨車に積み込む作業もなかなか疲れます。一日中続いた力仕事に、俳優部の皆さんはかなりお疲れの様子でした…。
すみませんです…(><。)。。
その様子もメイキング動画で少しですがご覧頂けます。
<10月上旬 “後編”の撮影>
時代は変わって、通運業は鉄道輸送からトラックの時代へと移ります。
せっかく作った線路でしたが、それを埋めて、プラットフォームが駐車場に変貌!
線路はどこへ…。
この時代になると従業員は制服を着ています。
運搬する荷物もボール箱が主流に。
跨線橋も役目を終えています。
フォークリフトの注意事項、トラック運転上の安全標語が並びます。
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最後に、前編、後編それぞれの瀬戸内通運のシーンを比較してみましょう。
[鉄道運送時代]

[トラック運送時代]
鉄道からトラック運送へ、
そして、担いでいる荷物、制服も、時の移ろいを感じさせますね。
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…それにしても、元がこうだったとは。
撮影が終わって早数ヶ月。また元通りに雑草が生えているかもしれません(笑)