2008年 これまでの放送
12月12日放送 (第344回)
松山:よく学校の身体測定とかって、女の子も男の子もいるから、体重を知られたくなくて。体重計の目盛りを服とかで隠しながらやってるんですよ。
竹中:本当に?
松山:イヤなんですよ、やっぱり。だから正確に体重はわからないけど、楽しんでみんなでワイワイやりながらやる測定のしかたも楽しいなと思いました。
中谷:おっしゃったように、ワイワイみんなで盛り上がるっていうのは、正確に数字を出さないあいまいさが、話を盛り上げてると思うんですよ。そのへんがすごく上手。ニクイなあ、そこが。
竹中:ニクイ演出ですよね。しかも結果が手に持てる、携帯電話内に保存できますよね。そうするとそれは自分のものになります。普通のインタラクション作品だとなかなかそういうことって体験できないので、非常に優れたシステムだと思います。
ジョージ:所有感っていうんですかね?
竹中:はい、所有感ですね。オーナーシップっていうか。
中谷:所有感ですよね。自分の携帯で情報をとるわけだから。
竹中:しかも自分のことですからね。思い入れが自然にできてしまう。(ここで作者の3人が登場)
ジョージ:久我さんはどういう役割なんですか?
小澤:女の子的な視点で、作品の監修というかアドバイスをしてもらうような立ち位置で。最初は、座った瞬間に体重を読み上げられるっていう作品を考えていたんですけど、久我さんにだいぶダメ出しをくらって(笑)。こういう形まで変わってしまったという感じですね。
久我:男の子だからそういうのわかんないのかなあと思うんですけど、さっき松山さんもすごい隠してたじゃないですか。私も最初に体重が読み上げられるってことを聞かされたときに「えっ!?」って。自分の体重は絶対人に言えないと思って、イヤだって言って。「ダメじゃない?そんな作品」ってダメ出ししました。
小澤:一晩かけて徹夜して作ったプログラムを、翌日久我さんに見せたら「面白くない」で終わりになったりとか。
松山:厳しい〜(笑)。
竹中:2次元コードを取り入れたきっかけってなんだったんでしょうか。
小澤:最初は画面にいきなり表示する予定だったんですけど、これもまた久我さんから苦情が出て。そんなのイヤだって。
久我:体重って本当にシークレット中のシークレットで、友達にも絶対話さないようなことじゃないですか。だから、携帯出して撮ってダウンロードして、すごい面倒くさい手順を踏んでまでも、女の子は絶対隠したい。でもレモン何個分とかになったとき、見せられる状態になるじゃないですか。コミュニケーションができるので。やっぱりインタラクティブアートって、コミュニケーションが大事な部分だと思うので、すごくいいなと思いました。
竹中:もの作りをやっている人は、ずっとつきつめてると、作っているものがいいか悪いかわかんなくなるときがあって。そんなときに、男女の違いがある第3者的な視点からガンっと言ってもらうと、妥協がないわけですから。それが非常にいい方向に働いた気がしますね。
ジョージ:松山さん、いかがでした?
松山:普通の木の箱に息を吹きかけるだけで、映像が回るっていうのがすごく楽しい感覚で、フーフーずっとやってました。
竹中:我を忘れますね。
ジョージ:ただ楽しんでいる自分がいましたね。じゃあ、走ってやろうとか。
竹中:家庭用ゲーム機が普及したあとは、みんなもう当たり前になってきているんですけど。コントローラーを使って何かを操作すると映っているものが反応するっていう状態を作ると、人間って本当にその場で何かが起こっているように感じるんですよ。それを支えている技術というか、けっこう大変なことをやっていると思うんですけど、スマートに何の気なしに見せているところに、作品の完成度の高さを感じます。
ジョージ:作者の伏見再寧さんです。
伏見:よろしくお願いします。
ジョージ:映写機からヒントをもらったっていうのはわかりましたけど、なぜ風車なんですか?
伏見:制作の時期がちょうど夏頃で、ふと縁日の風車がいっぱい並んでいるイメージが浮かんできて。風車だったら吹いて遊べるし、見てもきれいかなと思って…。
中谷:これだ、と。
松山:中身がすごい気になるんですけど、本当に風車が入っているんですか?
伏見:えーと、実はですね…。(かぶせてあった布をとる)
松山:あー、あった!
中谷:ちっちゃ!これはすごいね。
ジョージ:1円玉くらいですか?
伏見:15ミリを基本に作りました。
竹中:このレンズは何か工夫したんですか?
伏見:実はそれは、百円ショップの双眼鏡を分解して、重ねて作ってるんです。ちょうどサイズもピッタリで。
松山:すごいリーズナブル(笑)。
竹中:ものによってピントがずれてたりしているのは、その精度ってことですか?
伏見:そうです。
松山:なんでまわりの箱を木にしたんですか?
伏見:けっこうおもちゃとかが好きで、いちばんしっくりくる…。
松山:あったかい感じもあるし、風車にもすごく合ってますよね。
伏見:そうですね。
<Akio TOKITA+Nobuhito KAN>
ジョージ:この作品を選んだいちばんのポイントはどこですか?
竹中:持って帰れるじゃないですか。楽しいですよね。しかも年賀状にしたり。
ジョージ:年賀状でもらったら、たぶん会社や学校に持っていったりして友達に見せるんじゃないですか。
松山:ちゃんとこれ送れますよ。
竹中:しかもジョージがやったみたいに、自分がどう動けばいちばん面白く見せられるかということも追求できますよね。原理の楽しさじゃなくて、中身を追求する楽しさもあるので、バランスもよくとれていて、優れているなあというのがポイントです。(ここで作者の2人が登場)
ジョージ:初完成作品!デジスタに送って、これで世に出た!いかがですか?
時田:驚きましたね。実は連絡がきたのが、応募して半年後くらいだったので。二重の驚きがありました。
中谷:連絡がきたとき、どうでした?
菅:ずっと前のことだったので、なんのことか最初わからなくて、全然実感がわかなかったんですけど。だんだんわいてきて、今はマックスにうれしい状態で。
松山:よかったですね(笑)。(作者の2人が、パネルに絵を描いて仕組みを説明)
中谷:要するに人間の視覚の特性を生かして、黒い部分も残像として見えるから、そうやってアニメーションになっていくっていうことなんですね。
時田:そうですね。
竹中:今の原理を聞いて、じゃあ8コマは無理だったのか?とか思いませんか。
松山:そうですね。なんで4なんですか?
菅:それもちゃんと考えて、6とかでもやったんですけど、6を超えると黒い部分が太くなりすぎて。真っ暗で見にくくなったので。
松山:あ〜。ベストが4なんですね。
ジョージ:今後も2人はいっしょに作品を作り続けるんですか?
時田:いや、まだ構想中なんですけど。インスタレーションは作っていきたいなと思っています。
中谷:たぶんデジスタはちょうどいい場所だと思うので(笑)。
時田:はい、出来しだい。
ジョージ:でもそう思ってくれたことは、すごくうれしいですよね。




