2008年 これまでの放送
09月12日放送 (第335回)
ジョージ:和希さん、どうでした?
和希:絵がすごいスピードでどんどん変化していくので、次何になるんだろうって見入っちゃう作品だなと思いましたね。すごい不思議な感覚。
中谷:音とともにね、リズミカルだよね。普通の1枚の絵だけでも十分成立する表現だから、すごくぜいたくなんですよね。何枚見られたんだろう、制作過程まで全部ね。
ジョージ:作者の汗を感じた作品でもありますね。これ大変だったんだろうな。そしてこの絵のリズム、もちろん音楽も影響してるんだろうけど、新鮮なものをすごく感じたんですよ。
田中:映像って、テレビとか映画館で見るような、ストーリーがあってお話があってみたいな、そういうものだけじゃなくて。今は本当にいろいろな…大きなLEDのスクリーンとか携帯の小さいモニターとか、いろんな表現の仕方があっていいと思うんですよ。そんな携帯とかLEDとか新しいメディアで表現するんだったら、こういうことなのかなって。そういう雰囲気が感じられる作品でした。
中谷:よくアーティストがライブペインティングしますよね。あの感覚なんですよね、きっと。次何やるかわかんない、音楽のノリで描いてしまいました、みたいなね。
田中:たぶん自分でも次何が出てくるかわからないで、どんどん進んでいってるような気がするんですよ。そのへんの計画性もなく進んでいく感じが絵画的だなっていうか、抽象絵画的な映像って感じですかね。
ジョージ:作者の嶋田晃士さんです。よろしくお願いします。
嶋田:よろしくお願いします。
和希:あれってどういう気持ちで描いてたんですか?
嶋田:日によってやっぱりテンションの違いがあるので、ノッてるときもあればそうでないときもあります。
和希:この作品はどうやって作られているんですか?
嶋田:パソコンの中のみで。タブレットっていうタッチパネルで描いて保存して、そのくり返しです。
ジョージ:絵も線も色も全部パソコンでやったんですか?絵の具を使ってやっていると思ってたんですけど。
和希:私もそう思った。
田中:やっぱりブラシの形とかが全体的に一緒だったり、じっと見てるとデジタルっぽいパターンが見えてきますね。
和希:これ全部で何枚くらいあるんですか?
嶋田:2500枚くらい。
和希:2500!?すごーい。
田中:インスタレーションとかメディアアートは、一生懸命いろいろ頭で考えて作っていく部分が多いじゃないですか。反対にこういうのって何も考えないで自分の内面をさらけ出すみたいな行為だと思うので、ここからどんどん新しい可能性を見つけて、それを展開していってくれたらいいなと思います。
中谷:ほとんど動かないものをちょっとずつ斜めにしたりずらしたりするだけでこれだけの表情が出せるっていうのは、この作者は相当な力がありますね。
田中:子どもにすごくウケそうじゃないですか。自分で作ったかわいいオブジェを、写真で撮ったらすごくかわいかったから、それをどんどん作って動かしてみたっていうような、シンプルな良さを感じました。
中谷:幼稚園のころって、積み木を擬人化して遊んだりするじゃないですか。その感覚なんですよね。
和希:なんかちょっと懐かしさも感じたんですよね。
ジョージ:作品にすごくリズムがありますよね。それは音楽の力ですかね?
田中:そうですね。音楽と映像がシンクロしてるってことだと思うんですよ。音楽だけの力でもなくて、アニメーションだけの力でもなくて、その2つがピッタリ合っているところにリズム感が生まれているんだと思います。
(楽しそうに作品を見る子どもたちのVTRを紹介)
和希:子どもって正直ですねー。笑い声が作品の良さを表している感じがしましたね。
ジョージ:指をさしたり、立ったり、大笑いしたり、本当に純粋ですね。最初に田中さんの名前が有名になったのも子ども番組でしたね。
田中:有名になったかどうかわからないですけど…、子ども番組やってましたね。
ジョージ:子どもを喜ばすものを作るとき、何を大切にしていますか?
田中:シンプルでカラフルで、あとは音ですね。音楽っていうのがすごく重要だなと思ってます。
ジョージ:何かアドバイスはありますか?
中谷:もっともっと子どもにウケるにはどうしたらいいかなっていう研究をやっぱり。ただ時間を長くするだけじゃないと思うんですね。
田中:子どもが大喜びするようなものを作る力はある人たちだと思うので、今度は子どもたちに何を伝えていきたいかっていうことをちゃんと考えていけば、いい作品ができるんじゃないかなと思いますね。
和希:なんかこの映像を見たときすごいしんみりしちゃったんですよね。自分のお父さんがこんな気持ちになってるのかなあとか、いろんなこと考えちゃって(笑)。
中谷:和希さんの言うように妄想がふくらみますよね。これが本当はどういうストーリーなのかっていうのはよくわからないんですけど、シーンごとに何か意味付けがされてる感じがして。おもちゃの箱の中にいろんな世帯があって…。深い作品ですよね。
田中:自分の姿なのか、街の人たちがみんな同じパッケージに入ってるということなのか、僕はよくわからなかったんですよね。どっちなのかなと思って見てたんですけど。
和希:私もそこがわかんなかったんですよ。自分の過去と未来を見ているのか、まったく違う人を見ているのか。そこが聞きたいですね。
ジョージ:作者の秦俊子さんです。
秦:よろしくお願いします。
和希:女性だと思ってなくて、それがまずビックリ。
ジョージ:男性だと思ってたっていうのは、もしかしたら主人公が男性だからなのかな。
和希:そうですね。ストレートに自分が今抱えている悩みとか不安とかを作品にして表したのかなと思ってたんですよ。女性が出てきたからビックリしちゃった。
田中:僕も最初に見たとき男性だと思いましたよ。男性の学生だと思いました。
ジョージ:先ほど私たちは作品の意味を考えていたんですけど、どんな思いが込められていますか?
秦:自分の将来を投影しています。
和希:自分の将来なんですか?
秦:そうですね。実際にこういう人たちがいるんですけど、自分と重ね合わせて妄想しているというか想像している…。
中谷:世間に自分を当てはめるということですね。
秦:はい。
ジョージ:田中さん、この作品を選んだいちばんのポイントは?
田中:ものすごく目新しいというわけではないんですが、1つ1つのシーンがビジュアルとしてちゃんと丁寧に作ってあるところがいい作品なんじゃないかなと思ったんですね。
ジョージ:そして皆さん、ご覧ください。作品の中に出てきたセットです。まずは人形!
中谷:これすごいよくできてますよ。
ジョージ:人形はもちろん自分で作って。人形の洋服は?
秦:洋服も布を縫って作りました。
中谷:セットがまた丁寧に作られてるじゃないですか。
田中:実物を見るとシンプルというか簡素なんですけど、映像を見るともっと臨場感が出てるというか。そのへんがすごくうまいんだなと思いました。
中谷:天使がビルの上に立ってる夜景のシーンが、すごく映画的な感じがしたんですけど。
秦:けっこう映画から学んでいることは多いです。
和希:目標にしている映画監督はいるんですか?
秦:ティム・バートンが好きです。私も最後は実写の映画監督になりたいなという願望があって、ティム・バートンはコマ撮りアニメも作って、実写の映画も作って。すごく素敵な映画なので憧れています。




