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ちょっと動きのある風刺画
A picture with a motion
望月由紀
Yuki MOCHIZUKI |
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■ モチーフは社会的なニュース
望月由紀(モチヅキ・ユキ)さんは、去年の秋にCGの専門学校を卒業し現在就職活動中。今回は作品に取り上げたニュースをまとめたレポートを持ってきてくれました。
望月「この作品は4つの街に構成していまして、現代エリア、スラムエリア、ベイエリア、姥捨てエリアを一つの街にしました。」
ずっと気になっていたことを一つの形にしたい、その思いからつくられた今回の作品。アニメーションだと伝える内容がより抽象的になるのに対して、このレポートは文字情報が内容をより具体的に浮き彫りにしています。カカオをもぎ取る仕事をしていながらチョコレートを食べたことがない子どもたち。その様子をテレビで知りつつ、100円以下のチョコレートを食べながら作品に取り組んでいた望月さんは、泣きながらスラムエリアを描いたそうです。そんな世の中への不満が込められているのでしょうか。
望月「不満というより、もうちょっとなにかなったらいいのにって。テレビで見っぱなしで悲しいままじゃないですか。テレビで伝えて、その先、なんかなったらいいのにな、と思って…」
望月さん、これからも社会派アニメーション期待してますよ!
::: comments :::::::
● MAYA MAXX __テーマが重いから、あの線のちょっとあやふやな感じとか抜けた感じで救われているところもある。線が上手じゃないことを生かしていますよね。計算してやっているというより、この人の生きているリズムとかセンス、持って生まれた感覚だけでやっていると思う。
今世界中で起こっている負の現実を表現してみようと思ったところに感心した。これはそもそもの成り立ちからして、ちょっと引かれるじゃない。それでもこれをやってみようと思った独特の感性とか視点。イヤなテーマなのにあまりイヤな感じがしないでしょ。それはこの人の、ちょっと物事を引いて、入り込まずに眺めているというスタンスが上手く行っているんだと思う。それが今の世の中のリアルなんじゃないかな。
● ふかわりょう __切り絵が無機質に動いているので、それがリアルな部分をスリリングに伝えていて、余計にこっちに迫ってくるような感じはありますね。でも風刺と言っても非常に直接的に表現されていたので、いい意味で回りくどくした方が個人的には好きですね。人の苦しんでいる表情じゃなくて、例えばその足下とか影を描写する方が。
逆にハッピーな音楽をかけていて欲しいんだよね。テーマパークの中に一歩踏み入れたら、こういう現代の難問がハッピーな音楽と共にお客さんのところに寄ってくると。テーマが重たいだけに、よりグッとくるかなあと。(MAYA MAXX:「イッツ・ア・スモール・ワールド」がいいよ(笑)。これを見ながら「世界は友達」って言われたいよね。そういうのはやっぱりテクニックだと思うし、より深いよ)
● 中谷日出 __現代社会の問題を描いて表現していて、ややもするとダークになりがちだけど、うまくバランスをとって、訴えかけたいことと表現がぴったり合っている。我々が映像情報でしか見ていない表面的なものがちょっと動いているだけだけど、社会にはこんなにいっぱい問題があって、それをぶち込んだらこんな感じになるよ、とあえて情報てんこもりにやっている果敢な姿勢を感じます。
設定が舞台美術のような装置になっているところも、客観的に我々が見られる演じられている世界だというのをほのかに伝えている気がするんです。
● ジョージ・ウイリアムズ __手描きの良さ。その線の中にある作者の魂を感じて好きだった。白と黒の世界なんだということが分からないくらい、いろんなグレーを使っていたし、普通は薄っぺらい感じがする切り絵がダイナミックに感じた。一歩引いた俯瞰した見せ方だからこそ、僕は説教されていない気持ちになったんですよ。 |
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