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記録の形
Shape of record
莇 貴彦
Takahiko AZAMI |
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■ 心に宿った町の記憶
莇 貴彦(アザミ・タカヒコ)さんは、都内の美術大学で助手として働く25歳。莇さんは以前、巨大なクモのような形をしたインスタレーション『巣くう』がデジスタで紹介された実力の持ち主です。 自身の大叔父が住んでいた島根県大田市大森町が舞台に、思い出の場所を記録しようと街を歩いて写真を撮り作品を制作しました。はとこの緒方しらべさんに地元のアートイベントに誘ってもらったのが制作のきっかけとなったそうです。 >>『記録の形』
::: comments :::::::
● 中谷日出 __今‘スロー’って言葉が流行ってるけど、まさにスローで、見ていると素朴になれる。作り方も素朴で、ジーッとあのモーターが動いてるような感じ、歯車の感じとか半田が残ってる感じ。洗練されたというよりも素朴感。作者が地域に行って、その地域を記録して、その自分の足で歩いた記録を写真と共に、この半田を当てている感じとか、もうその地域を思い思いに、一つ一つ表現してる感じがするんですよね。この手づくり感溢れる、素朴なスローな魅力。作者の、そのスローな感じがすごくよく分かる作品。(コーン:歩くような速さですからね。音楽的に言うと、まさにモデラートですよね)
インスタレーションって、本来その場所でなければ設置できないアート、という意味なんだけど、まさにこれはインスタレーション的に、その町に置いてあるからこそ意味があるみたいなところがある。ほんと新しい形のインスタレーションアートって感じがしますね。
● ブラザー・コーン __ほんとにこれは‘作品’というイメージだね。自分の中に描いているものを形にした、というのが作品的に見える。そういう意味では、すごい思い入れと情景の描写を、ああいうオブジェに託したと。どれだけの時間をかけて作ったか分かりませんけど、相当時間かかってるんだなと。ほのぼのとした感じが、人間的に非常に温厚な方なんじゃないかな、と。作品見るだけで、なんかお話してみたいな、なんて感じがしちゃうくらい。作品としてはお金にならないものかもしれないけど、絵みたいな感じの、見た人たちが皆その価値を求めて来る、そんな作品じゃないかなと思いました。
● 豊岡真澄 __写真って、撮って現像してファイルに入れて見るだけというイメージしかなかったけど、ああやって立体の造形で作品を作って、一瞬照らし合わせて出すことによって、その時の思い出とかが、また違う意味で蘇ってきたり…。夏休みの自由研究とかに、もうちょっと簡単にして作りたいなとか思っちゃいました。それぐらい皆でやっていくのが楽しいんじゃないかなって。
● ジョージ・ウイリアムズ __作品の隣にずーっといて、じーっと見ていると、あのゆらゆら加減で自分も本当に町の中に入っちゃう。その町に連れて行かれる。そういうパワーを持っている作品だと感じた。ほんとすごい、愛情、何か強い思いを感じますね。
どの町も20年30年経てば変わるから、記録として、昔はこうだったんだよ、って100年後200年後でも見せられる証しでもある。 |
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