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デジタル・スタジアム
BS2 毎週土曜日 24:30〜25:10(日曜0:30〜)
BShi 毎週日曜午後11時00分〜11時40分 再放送 金曜午後4時00分〜4時40分
2006年 11月 25日放送 (第275回)
テーマ:「ガジェット」
キュレーター:クワクボリョウタ  ゲスト:篠原ともえ
イントロ 作品レビュー ベストセレクション デジスタアップデート
セレクション作品
「Paravie」
臼井 旬+畑山裕貴+佐藤 昴+古岡優実
「鼓心」
齊藤彰宏
「shootball」
ABEBEBIKILA BOYZ
「Light Tracer」
カール・ウィリス
Selection#1
Paravie  パラビー
臼井 旬+畑山裕貴+佐藤 昴+古岡優実  Jun USUI+Hirotaka HATAYAMA+Takashi SATO+Yumi FURUOKA
 
■ 誰もかれも踊らせてしまう新感覚ダンスマシーン!

スクリーン脇に置いてあるディスプレイで踊る曲とお手本とする人を選択。スクリーンの向かって右側にはお手本が、そして左側には、スクリーン中央に設置されている小型カメラによって撮られた体験者の姿が映る仕組み。つまりお手本と見比べながら踊れるわけです。さらに体験者が踊る映像は、お手本として登録することも可能。ジョージをお手本に踊るともえちゃん、ムーンウォークを披露するクワクボさん(!)などなど、みんなホント楽しそう!

作者は同じ大学の研究室でメディア・デザインを学ぶ、臼井 旬(ウスイ・ジュン)さん、畑山裕貴(ハタヤマ・ヒロタカ)さん、佐藤 昴(サトウ・タカシ)さん、古岡優実(フルオカ・ユミ)さんの4人組。そのうちお二人は大学のダンスサークルで踊っていたり、エアロビクスの授業で学生アシスタントを務めていたほど。まさにダンス好きが高じて必要から生まれた機能にはうなずけます。

畑山「この作品はまず4人で作ろうっていうのは決まってたんですよ。それでミーティングをしてたんですけど、なかなかアイデアが出なくて、やっぱり自分たちが踊りたいという欲求があるので、じゃあそれを形にしてみよう。皆も踊ろうぜ。みたいな感じで形にしてみたと」

「ビューア」では、お手本として登録された体験者のダンス映像を一覧することもでき、既に何百人ものダンスが入っています。今後はエアギターにも挑戦してみたいとか!

::: comments :::::::

クワクボリョウタ
__日本人にすごく合ってる感じがしました。僕も含めて、けっこう日本人ってシャイなところがあるから「どうぞ自由に踊ってください」って言われてもけっこう大変なんだけど、これはお手本があって真似すればいい。参加者がどういうふうに楽しむかということを、よーく考えてますね。そこがポイントです。(ビューアで)時間軸が一緒のものを比較できるっていうのも楽しい。

篠原ともえ
__楽しかったですね。最初できるのかなと思ったんだけど、画面に映ってる先生とかジョージさんとかが、すごい思いっきりやってるから、ついつい乗せられちゃうっていうか、一緒に遊ぶ感覚で踊れちゃいました。

(クワクボ・中谷の)お2人が踊るイメージは(今まで)なかったから、そういうふうに2人を踊らせてしまう環境にしてしまうのがすごいなと思って。

踊りって、あんまりやるチャンスがないと、人前で見せることってないけど、実はクワクボさんはムーンウォークが出来たりする(笑)。(クワクボ:練習してた甲斐がありましたね、笑)良かった、発表できて。

中谷日出
__同時に誰かの手本になるかと思うと、使命感が生まれるね。なるべく格好よく踊ろうかな、みたいな。

ジョージ・ウイリアムズ
__皆踊って、皆いい顔してますよ。1人だと、僕絶対踊らない。けど、こうやってお手本があると踊りやすい。入りやすい。普通1人では歌えないけどグループだと歌えるっていう、その心理。(中谷:ここへ立っただけで1人じゃないっていう感覚ね)
 




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Selection#2
鼓心  KOKOKORO
齊藤彰宏  Akihiro SAITO
 
■ あなたの心も丸裸?

脳波をもとに体験者の心を読み取るという作品。まずヘアバンドに取り付けられた10個の電極によって脳波を測定。そのデータを独自に解析し、「喜怒哀楽」4つのパターンに分類、それぞれを異なる色で表示するという仕組みです。また耳に取り付けたクリップで体験者の脈拍をで測定し、それに合わせて球体の中のモーターを振動させてます。

私たちの脳からは常に微弱な電気が出ていて、それを計測したものが脳波。一般的に脳波には周波数の違う波形が4種類あり、例えばリラックスしている状態ではアルファ波が強く、緊張している状態ならベータ波が強いなど、それぞれに特徴があります。さらにそれぞれの脳波がどの位置からどのように出ているかを解析することで、人の感情を知ることもできると言われてるのです。そんな脳波の解析を独自のプログラムで行い、大まかに感情を割り当てることで、さも心が読み取れたように見せているのですね。

作者の齊藤彰宏(サイトウ・アキヒロ)さんは、都内のゲーム制作会社で働く23歳。この作品は、コミュニケーション学を学んだ大学時代の卒業制作です。

齊藤「人の心が丸出しで見えてしまったら、どんな新しいコミュニケーションになるのかを見たいと思ったのが、作品制作のきっかけです」

そこで目をつけたのが脳から出る電気を測定する脳波計。ところが学生の齊藤さんが買うにはあまりに高価なものでした。しかし、ここであきらめないのが斉藤さん。参考書やインターネットで情報を集め、なんと手作りで脳波計を完成させてしまったのです! さらに、普段から感情表現の訓練を積んでいる劇団員から脳波をサンプリング。喜怒哀楽それぞれの脳波のデータを収集し、自力で脳波を解析するプログラムを作り上げました。

齊藤「これはオモチャなんだよ、と。心を表していると言っても、喜怒哀楽をなんとなく表示しているデバイスなので、エンターテインメントとして楽しんでいただければと思います」

::: comments :::::::

クワクボリョウタ
__自分の感情の状態が色となって表れるのも面白いけど、話をしてるうちに相手の感情が色で現れていると、会話がちょっとおかしくなる。相手は笑っているのに怒ってる表示がされていたり、本当はどっちなんだろうと。普段のコミュニケーションをちょっと変わった形にしちゃうところが、コミュニケーションツールとして面白いなあと思いました。

1つのジョーク的な面白さがある作品に仕上がってるけど、別な見せ方をすれば社会的なメッセージを含んだ作品にもなり得ると思う。監視社会とかのヘビーなテーマを、ユーモアを交えつつ作品に出来たりするんじゃないかな。

篠原ともえ
__人の感情はいつも一つじゃないってことですね。いろんなものが混じってるんだなって思う。言葉にしたり、自分では喜んでるつもりでも実は悲しかったり、自分の固定観念で思ってる感情とは違う答えをこの子が教えてくれる。コンピュータから自分の感情を教わるというのは今までない体験だったから、人間って奥深いなって思った。

中谷日出
__脳波を使って色や形を変える作品は今までもけっこうあったけど、この作品はそれに心拍数で振動を加えたり、新たな要素を加えて展開しているところが面白い。色を変えようとする自分の、いろんな気持ちを調節して切り替えていくことが面白いのかな。

モバイル化して、皆がこういうのを腰につけていて、「やばい、今日部長機嫌悪いよ」とか、奥さんとかね。皆持ってたら、コミュニケーションが円滑にいくんじゃないかな。ライフスタイルに合わせて活用できるような展開で、まさに楽しめるコミュニケーションツールのガジェットとして、どんどん育っていけばいいなあと思います。

ジョージ・ウイリアムズ
__ピースな気持ちを世の中に送ろうとしてるのに、顔が怒ってるように見えるとかいうことはあると思うんです。だからこういうもので自分の感情、精神状態を明確に自分でも把握できるようにはめて体験することが大切かな。感情って目で見えるものではないからこそ、こうやって色として表れるとすごく新鮮。
 




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Selection#3
shootball  シュートボール
ABEBEBIKILA BOYZ  アベベビキラ・ボーイズ
 
■ デジタル世代の新スポーツ!

アルファベットと記号が映し出された4枚のスクリーンとボール1個。この作品は新しい球技です。A、B画面はそれぞれ各チームのゴールで、ボールをぶつけるとブロックが崩れ、その面積に応じて得点が表示されます。先に全てのブロックを崩すか、より多くを崩したチームの勝ち。また各ゴール画面の中には好きな画像を貼付ける事ができます。

ゴールでない、記号が映された2種類の画面は試合の鍵を大きく握るもの。シフト画面にボールをぶつけると、全ての画面が左にスライド、チェンジ画面はAB両画面が一瞬で入れ替わります。また試合中はボールを持ったまま歩いてもオッケー。さらにバウンドを繰り返すとボールにエネルギーがチャージされ、より多くブロックを崩せるという一発逆転のチャンスも!

作者のABEBEBIKILA BOYZ(アベベビキラ・ボーイズ)は同じ大学の研究室でメディア・デザインを学ぶ、菅野吉郎(スガノ・ヨシロウ)さんと、望月さん、薄井さんの3人組。今回の作品は、菅野さんのある発想がもとになり生まれました。

菅野「スポーツって、もともと人間と環境とか、人間と空間とかの中から生まれてきたから、今デジタルで環境がたくさん変わってきてる中からもスポーツが出来てもおかしくないんじゃないかって感じで始めたのがきっかけです」

どのような競技にしたら、体験者に楽しんでもらえるか? そのヒントを得るために、まずいろいろなスポーツを楽しむ事から始めました。結果的に3人が辿り着いたのはハンドボール。でも、どうデジタル技術を取り込むか…。そこで着目したのがゴールマウス。テレビゲームでおなじみのブロック崩しのような映像効果をそこに取り入れた新しいスポーツ。いわばデジタル・ハンドボールなんです。

スクリーンの上にはカメラが設置されていて、ボールがどの位置に飛んできたかを検出。さらにボールの中に入っている衝撃を計測するセンサーが、ぶつかった衝撃力をパソコンに伝えます。こうしてボールの位置と衝撃力を同時に計測することで、ブロックを崩すという仕組み。

このシステムを作り上げるために、菅野さんがプログラミング。センサーやデバイスの設計は望月さん。そしてルール作りは薄井さんを中心に行われました。チーム全員が一丸となって完成したデジタル世代のスポーツ。うん、青春っていいですね。デジタルが生んだ新しいスポーツ。目指せオリンピック!

::: comments :::::::

クワクボリョウタ
__普通、スポーツでゴールが勝手に動くというのはあり得ない話なんですけど、コンピュータを使うとこういうことが出来て、さらにルールが複雑になって、スタンドプレイじゃ太刀打ちできないような、密に連絡をとらないと出来ないような感じになってる。コミュニケーション・ツールって感じですよね。

篠原ともえ
__けっこう白熱しましたよ。負けたくないと思って…勝ちたかった、絶対勝てると思ったー。ほんとのスポーツが出来た感じ。

普通ゲームって指だけを使う感じなんだけど、ほんとに声を出したり体を動かしたり相手に触ったりとか、そういうコミュニケーションの取り方が(こういう装置で)出来るのがすごいと思いました。

中谷日出
__シミュレーションとして、例えばゴルフとか野球とかのゲーム的なものはあったけど、この作品のようにデジタル時代に本格的なスポーツに参戦していくようなものってなかったと思うんですよね。そういう意味ではすごく意義のあることだし、僕はもっともっとこれを拡大して、精度を高めて、さらにこのゲーム性、スポーツ性を高めていく方向を目指していって欲しいなと思いますね。

ジョージ・ウイリアムズ
__いい勝負だった。汗かいた! 引分もまた素敵ですね。(篠原:お互い頑張りましたね)こういうことはね、台本には書いてないんですよ!
 




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Selection#4
Light Tracer  ライト・トレーサー
カール・ウィリス  Karl D.D.Willis
 
■ 光が生んだインタラクティブアート!

自分が映し出されたスクリーン。そこにペンライトの光を使って、自由自在に絵を描いていくことが出来る作品。顔などに光を当てても、その残像が映る。光を直接描き込めるだけでなく、反射させて映し出すことも出来ます。描かれた絵は徐々に消えていくので、何度でも重ねることが可能。しかもこれ、特別な光ではなく、携帯電話でも出来ちゃうんです。

作者はカール・ウィリスさん。ニュージーランド出身の26歳で、デザインを学ぶため、現在日本の大学院に留学中です。

カール「ユーザが創造性を活用して何かを作れるような作品、インタラクティブ・システムを作りたいと思いました。あとは、誰でも参加できて時間を忘れて夢中になってしまう感じ」

まさにジョージとともえちゃんは果てしなく夢中になっておりました。カールさんのデモンストレーションもファンタスティック! けっこう練習したのかと思いきや、やはり楽しいからいくらでもやっちゃうみたいです。でも、なぜ光を使ってスクリーンにペインティングできるんでしょう? Mr.中谷お願いします。

★ナビゲーターズ・アイ★
Mr.中谷「まずスクリーン上に設置されたカメラで体験者を撮影、パソコンに接続したプロジェクターから投影します。でも、それだけではスクリーンにペインティングしたり、顔の形を写したりする事は出来ませんよね。この作品はここからがポイントなんです。まず、撮影している映像をパソコンに取り込み、それをモノクロに変換します。モノクロに変換した場合、強い光だけが白で表示されます。さらに背景をグレーにすることで、この色よりも明るい白だけが表示され、強い光だけを抽出できるんです。さらに、抽出した光はある一定の時間がくるまでは消えないようにします。それで光の軌道が絵の具のように表示されているんです。これを、加工を加えていない元の映像とミックスすると…、ここでようやくスクリーンにペインティングできるようになるんです。パソコン上でのリアルタイム処理が、それを可能にしていたんです」

なるほど、だれもが夢中になってしまうこの作品は、こうして生まれていたんですね。サンキュー、Mr.中谷!

::: comments :::::::

クワクボリョウタ
__まずルールがシンプルで面白いですよね。あとは参加する人にかなり多くを委ねているって感じで、何をやっても自由なところがすごく面白い。しかもその人なりにいろんなやり方、遊び方を見つけられるという、そういう楽しさを見つけられる。

篠原ともえ
__最初仕組みが分からなかったんですけど、あ、こんなことも出来るんだって、どんどんやっていくうちにアイデアが浮かんできて、それで夢中になって遊べた。すごい楽しい。

中谷日出
__これ楽しいからさ、表現のツールとして、アートしたいなって気持ちにだんだん移って来るよね。覚えれば覚えるほど、こんなんことも出来るのか、と。(篠原:コツも分かってくるんですよね)

(作者のデモンストレーションに)グラフィックセンスを感じたね。構成がすごく良かった。さすが。その辺は上手いですよ。

ジョージ・ウイリアムズ
__空間がキャンバスになったっていう…。びっくりしたっていうより、楽しかった。
 



上部に据えたカメラで
光の動きを撮影
撮影した映像を分析
光跡を残して合成する
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