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BS2 毎週土曜日 24:30〜25:10(日曜0:30〜)
BShi 毎週日曜午後11時00分〜11時40分 再放送 金曜午後4時00分〜4時40分
2005年 09月 17日放送 (第235回)
テーマ:「インタラクティブ」
キュレーター:竹中直純  ゲスト:篠原ともえ
イントロ 作品レビュー ベストセレクション ナビゲーターズ・アイ
セレクション作品
「Code」
藤岡 定+三分一 修
「view rise」
後藤映則
「Augmented Coliseum」
杉本麻樹+中村享大+小島 稔+冨田正浩+稲見昌彦
「ハウリン」
柳澤真梨奈
Selection#1
Code  コード
藤岡 定+三分一 修  Sadamu FUJIOKA+Osamu SAMBUICHI
 
音と映像を生み出す新感覚タイピングソフト
キーボードで文字を打つことで、映像と音楽を同時に奏でることができるというソフトウェア。映像を表示する入力キーワードとして、「dot」=点「line」=線「face」=四角い面などがあり、様々なキーをランダムに打つことでそのオブジェクト(点・線・面)を画面上に表示することができる。さらに映像をコントロールするキーワードとして、飛び散る「spatter」幾重にも重なる「blur」などが用意されており、それらを演奏中にちりばめていけば、誰でも簡単に音楽にともなったオシャレなグラフィックを表示させる事ができるというもの。

スタジオで自ら(カッコいい!)デモンストレーションをしてくれた作者は、藤岡 定(フジオカ・サダム)さん。パートナーの三分一 修(サンブイチ・オサム)さんとは、大学の先輩後輩の関係で、後輩の藤岡さんがアイデアを持ちかけ、プログラミングが得意な三分一さんが作品に仕上げた。作品のアイデアは、インターネットでのチャットがきっかけに…。
 藤岡「チャットをしながら音楽を演奏したり映像が動いていくようなシステムを作れたら楽しいだろうなぁという気がして。チャットのやりとりには流れがあって、そういうのを表現する部分に使いたかった」

別プロジェクトでも、チャットで遠くの人とコミュニケーションをとりながら、演奏したり映像が出てくるようなソフトを開発中だとか。笑顔のすてきな二人のコンビネーション。これからもいろんな可能性を追求して下さい。期待しています!

::: point of view :::::::

【完成度】竹中直純
__作品そのものの完成度も高いけど、出てくる音の完成度が高い。拍に合わせて音を整形するとかの割り切りはあると思うけど、そんなに音楽の才能がない僕みたいな者でも(笑)一応聴けるものが出来るという意味で。

コンピュータに向かって音楽を奏でる行為って、難しい顔して肘つきながらやってる方がいるけど、これはその場のノリでキーを叩いて、身体も動く。楽しそうに出来る可能性を秘めてると思う。しかもビジュアルと音を同時に制御できるのは素晴らしいのでは。

もともと楽譜は、記号で表しにくいものを記号で表すために、譜点とか音符の、ああいう文法を作ったわけですが、これはそれを飛び越えて、単語で表現するというところで‘一回転’してるような気がしたんです。dotとかlineというプリミティブな言葉で音楽を奏でていくという、逆からのアプローチに思えて、そこがすごく面白い。言葉ですから、単語の種類を増やしていけば、無限に使えますよね。音楽の幅も広げて、いろんなバリエーションが出来るようにするとよいのでは。

【オリジナリティ】篠原ともえ
__私みたいな素人でもパーッとやって楽しめるし、竹中さんのようなプロフェッショナルでも楽しめるっていう、幅がすごくあるなぁ。タイピングソフトみたいな感じで、音楽もやったことない方でも遊び感覚で親しめるな、と。

本当に自分が作曲をして奏でているという感覚があるんですよ。すごく楽しかった。カッコイイし。すごいハマりそう。これもうのっけから超ヤバイ。世界レベル。同じのは二度と出来ない、毎回ライブですね。

【デザイン】中谷日出
__この作品は、音や映像や画像や文字や、『Code』というネーミングも含めて、全てのことを総合的にデザインされてるもの。その完成度が非常に高くなって、「ここまで来たか」っていう感じがしますよね。可能性がすごく見えてくる。キーボードを打ち込んで、音楽と映像を生成するというものは過去にもあったけど、これほどノれて、見てきれいで盛り上がれるようなシステムはなかった。さらに追求して、子供の教育に使えるようなものにまで展開すれば、電子音楽という世界がもっと我々の身近になって広がっていくと思う。これからも続けていただきたい。
 




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Selection#2
view rise  ビュー・ライズ
後藤映則  Akinori GOTO
 
映像が宙に浮かぶ幻想的な空間演出
床に設置されたプロジェクターから映像が投影され、その途中で、小さいスクリーンがいくつもあるという作品だが、そのスクリーンは、なんと回っているプロペラ。天井から様々な高さで無数につり下げられているその回転体(紙製!)の一つ一つが半透明のスクリーンの役割を果たしているわけだ。下から見上げると、まるで空中に映像が浮かんでいるように立体的に見える仕組みになっている。空中で操作できるパソコンのマウスを使って、まるで夜空に絵を描くように映像を操作することができ、12種類の映像を手元で切り替えることも可能。

そんなファンタジックな作品を生み出したのは、後藤映則(ゴトウ・アキノリ)さん。現在美術大学4年生で、グラフィックデザインやインタラクティブ作品を制作している。 床に寝転がりながら空中に手を伸ばし、そこに絵が描けたらどんなに楽しいだろう…という子供の頃に抱いた思い、そんな「自分だけのヒラメキ」を実現するために後藤さんが考えたのは、意外にも簡単な装置でした。一個150円の小型モーター、そして厚みのある白い光沢紙という身近な材料。短冊状に切った光沢紙を、モーターの先に取り付け「回転体」を作り、これをいろいろな高さで天井からぶら下げて電池をつないでスイッチを入れると…ハイ!『view rise』の出来上がりです。

「体育館とかにたくさん吊るして、ぱぁっとやれば、体育館中の天井に映像が浮かび上がる…そういうものを作ってみたい」と新たな夢を語る後藤さんですが、今回特別に篠原さんの映像を作ってきてくれました。プロペラに映し出される、たくさんのともえちゃん! 篠原さん、大コーフンでございました。

::: point of view :::::::

【オリジナリティ】竹中直純
__小さい頃からのアイデアを暖めて実現された作品。その小さい頃のインスピレーションが確実にオリジナルで、それを実際の作品にきちんと落とし込んで、形にしているところは非常に嬉しいし、素晴らしいと思います。

モーターやプロペラがあって、プロジェクタから投影されたCGが見えてるのに、なぜか和の心、侘び寂びを感じますよね。いい感じでパラパラ音がするし。こういうテイストの作品は少なかったので、皆さんに紹介したいと思いました。

マウスを使ってプロペラに映像を投影する作品になってるけど、放っておくと(映像がなくて)真っ黒になったり、コツをつかんでない方が操作するとはずれたりしますよね。寝転がってるというのは楽な姿勢なので、その部分をもうちょっと楽にして、楽な状態で目に楽しくて、くるくる回ってる音が心地よい作品にすると、完成度が上がるのでは。ベッドに心拍センサーとか体温センサーをつけて、その気分に応じて、ちょっと体温が高かったらクールダウンする映像をながすみたいなのも考えられますね。

【完ペキ】 篠原ともえ
__もう完璧! プラネタリウムみたいな感覚。これ、音楽ついたらパビリオンですよ。近い将来、ああいうパビリオンをぜひ作っていただいて、近未来プラネタリウムみたいなのを作ってほしい。特典映像で、最後はともえちゃんっていう(笑)。

感動しちゃう。花火見てるみたい。映像の超未来花火。このプロペラがあると立体感があって、不思議度が何百倍にもなって、映像が落っこってきそう。下から見ると別世界で、これは体験してみて初めてその素晴らしさが分かる作品だなと思いました。

【将来性】中谷日出
__空間演出装置を普及させていくために何が必要かというと、やっぱりコストが安い、作りやすいってことだと思うんです。手軽なモーターと紙だけでこんなに壮大な映像装置を作ってしまうこと自体が素晴らしい。パビリオンみたいな大きな展開も出来るし、家庭でいつでも楽しめる、子供たちの夢を叶えるような空間演出装置が出来るということが素晴らしい、将来性はすごいぞと。

こんな積層化された映像を見たことがないんですよ。それが回転するリズム感とあいまって、なんとも不思議な感じがします。映像をもっと詰めていったら、可能性すごいと思う。でもマウスを持たなくてもいい方法が何かあれば、本当に子供が空を絵を描くようにできるかな。僕、マウスが難しかったんで(笑)。
 




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Selection#3
Augmented Coliseum  オーギュメンテッド・コロシアム
杉本麻樹+中村享大+小島 稔+冨田正浩+稲見昌彦  Maki SUGIMOTO+Akihiro NAKAMURA+Minoru KOJIMA+Masahiro TOMITA+Masahiko INAMI
 
実際のおもちゃとCGが連動する、近未来バトルゲーム
プロジェクタから投影されたCG映像と、ラジコンカーがリアルタイムで連動してゲームができる作品。コントローラのボタンを押すとレーザービームなどが発射され、相手とバトル。車の横に表示されたパワーゲージがゼロになるとゲームオーバー(爆発!)です。さらにCGの障害物に当たると、それにも反応して車は進行不能に。これまで画面の中でしかできなかったバトルゲームが、実際のラジコンカーを操作しながら体験できる画期的な作品です。

作者は、東京・調布市の電気通信大学・稲見研究室の仲間たち。ロボットの遠隔操縦や、CGを使ったバーチャル・リアリティの研究で常に世界の最先端を走り続けている研究室なのです。
「これまで研究でつちかってきた技術で、夢溢れる作品を作りたい…」そんな志で集まったメンバーが目指したのは、子供の頃自動車やロボットのおもちゃで遊んだ楽しかった思い出。「子供の頃、我々はおもちゃと想像力で遊ぶことができた。それをおもちゃとCGに置き換えることで、子供でも大人でも遊べるエンターテイメント環境を作りたかった…」その思いが見事作品として結実したわけですが、その技術の仕組みはいったいどうなっているのでしょう。その秘密は、ナビゲーターズ・アイでチェック!

::: point of view :::::::

【将来性】竹中直純
__すぐに、子供たちが自分の部屋で遊ぶところを想像しました。センサーがついていて動けるものであれば何でも使えるから、おもちゃ箱にあるようなクマちゃんとかアヒルちゃんとかを、こういうものに出来るかもしれない、そんな可能性を秘めた作品。この技術は、このまま開発し続けていけば、時間的な精度も位置の精度も上がるでしょうから、やれることがどんどん膨らんでくると思う。この作品はその芽ですね。その芽をちゃんと双葉にして、葉が出来て、花が咲くような状況になってくれればいいなぁと思って「将来性」にしました。

背景がCGなので、実際には目に見えないレーザーみたいなものがちゃんとビジュアライズできるというところがすごい。現実にはあり得ないものを実際のものを使って表現できるという、非常に優れたシステム。この手のものはセンサーが鍵で、今までは上にセンサーなどがあって、それを使って追いかけるのが一般的だったんですが、プロジェクタが一個しか必要ないという点で、かなり進んでる感じはします。すごい割に手軽なんですよね。

【技術力】篠原ともえ
__「こんなことが出来るの?」っていう、未来を一気に見たような感動があったんですよね。立体的な別世界に私たちを連れて行ってくれて、急にボルテージが上がりました(笑)。すっごい楽しい! ラジコンを映像という新しい概念で打ち出してきたチームワークにすっごい感動しました。背景の灰色の画面をお花畑にしてお散歩バージョンとか、いろんなバージョンで出してほしいなぁ。そういう女の子バージョンも作れるくらい、いろんなことをしてくれそうな気がする。

【技術力】中谷日出
__「オーギュメンテッド・リアリティ」という分野は、「拡張現実感」と言って、現実の世界とCGの世界を合わせることによっていろんなことが出来るという、未来の我々の生活が豊かになるような世界を作っていくためのベースになる、すごく大事な研究なんです。あらゆる分野に応用できるので、間違いなく世界の最先端の分野。研究の結晶ですね。我々は軽くやってますけど(笑)、実は大変なことをやってるわけです。それも制御がすごくよく出来る。すごく研究されてますよね。にわかに考えたものじゃなくて、積み重ねられた技術の集積によって出来上がっていると。

アートというのは、発想の斬新さとか美しさもすごく大事なんだけど、先端技術をいかに使っているかということも大事な要素。この技術力は、作品のポイントとしては非常に大きいし、デジスタもこういう作品をもっと応援していかなくてはならないと思っています。
 




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Selection#4
ハウリン  howlin
柳澤真梨奈  Marina YANAGISAWA
 
ハウリングが奏でる美しいハーモニー
普通は耳障りないわゆる「ハウリング」を音楽として楽しむという新しい楽器。アクリルパイプの中にスピーカー、上にマイクがついている。手元のボリュームで音量を上げると、わずかなノイズをマイクが拾い、スピーカーとの間で無限に増幅され、ピーッというハウリングが起きる仕組み。筒の太さと長さの違いで、高音、中音、低音という音階パートを構成。さらにパイプの上に手をかざすことで音波に微妙な変化をもたらし様々な音色が奏でられるのだ。テルミン(※2本のアンテナに触れることなく手を近づけたり遠ざけたりしながら音程やボリュームをコントロールして音楽を奏でる楽器)みたいな感覚でもあるので、テルミンにかけて『ハウリン』。
 柳沢「もともとハウリングって、すごくいやな音っていうので嫌われていますけど、それをもっと自分でコントロールして、音楽的な価値を作れないかなっていう発想でハウリングを使おうと思いました」
‘新しい音楽の概念を打ち立てようとしている開拓者、ハウリンガル(by 中谷)’の柳沢さん、これからも新しい音色を追求して下さいね!

::: point of view :::::::

【おしゃれ】竹中直純
__まず‘ハウリング’を制御するという視点がカッコイイ。作品自体も、ハウリングを透明な筒に閉じ込めてる感じがよく表れてますよね。文句なしです。音色は、和楽器のひちりきとか笙とかを感じましたね。きっかけの音は環境の音。周りの音を拾って、初めて音が鳴り始めるという、控えめな面も持っている。非常に面白い作品です。

細かい基盤とか低音の箱の中身、全部自分で作ってる、そこに彼女の強い意志みたいなのを感じて…。何かを実現したくて、その実現に向かってなりふり構わず突き進む姿が、僕にとっては「おしゃれ」なんです(笑)。

単体では管の数を増やすとか、距離を伸ばしてみるとか、そういうバリエーションしかとれないと思う。ハウリングだから、強いアタックとか、長いエコーみたいなことも無理だから、何かの楽器と合わせることで幅が出来るんじゃないかな。コラボレーションにすごく期待できます。

【将来性】篠原ともえ
__やってみて、初めて音の温度みたいなものを感じた。『ハウリン』がいつか一つの楽器として認知されて、オーケストラと一緒にコンサートとか、DJの横でハウリン演奏とか、セッションで今後どんどん世界に広まってほしい。そういう未来を叶えられるんじゃないかって、それぐらい衝撃的な楽器でした。ハウリングなんて大嫌いでしたもん。でも今は大好き! 私も第2号になって、ぜひとも一緒に歌いたいです。私ハモリン。あの子ハウリン。コンビでハウリンガール。

【デザイン】中谷日出
__装置の設計やデザインもそうですが、ミュージシャンの分野というより、装置からハウリングをどうデザインしていくかという、デザイナーの分野になっているような気がする。いろんな見えないものをデザインしていくような発想でやってるんじゃないかな、と。新しい音楽の概念を打ち立てようとする、開拓者のように思えますね。

今人間の手で制御している部分を、コンピュータを介在して展開すれば、また違うステージに行けるのかな。可能性は増えると思う。

せっかくアクリルなので、LEDとかつけて、青い光がパーッと見えたりすると、まさにビジュアルの世界にも羽ばたいて行けるような広がりを感じます。
 




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