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第206回  
タイトル
中谷日出セレクション後編
2004年 12月 18日放送
イントロ 作品レビュー ベストセレクション ピックアップ クリエーターズカフェ
 
作品レビュー
 
ノミネートNo.1
作品写真
khaki
阿部伸吾
ノミネートNo.2
作品写真
WATCHING is LIVING
畔柳鉄兵
ノミネートNo.3
作品写真
loops
重田佑介+矢山貴之
ノミネートNo.4
作品写真
Touch the Sound
早瀬将一
ノミネートNo.5
作品写真
音点字
福森みか
ノミネートNo.6
作品写真
煙舞
Jean-Marc PELLETIER
ノミネートNo.7
作品写真
through the looking glass
筧 康明+苗村 健
   
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作品写真
作品写真
作品写真
 
khaki (カーキ)
阿部伸吾 (アベ・シンゴ)
作品ノート
授業中窓の外を見ながら耽った想像が、自在に駆け巡るさまを表現した。大学での卒業制作。吸い込まれるようなグルーヴ感を楽しんでいただければと思っている。すべて身のまわりにある山形県の何気ない風景だが、切り取り方ひとつで、様々な見え方ができるという、自分なりの提案をした。
阿部さんは、今年なんと2作品がベストセレクション受賞という快挙を果たしている。

★講評を読む >>第173回浅野忠信セレクション w/ヤマタカEYヨ

★『real/MAZE(2連作)』:
第167回寺井弘典ベストセレクション w/高松 聡
★『6/9 TOKYO STATION』:
第172回田中秀幸ベストセレクション w/白土謙二
 
コメント

▼ 中谷日出

「この作品、実は映像じゃなくて全部写真、画像なんです。(:そうなんですか!)一枚の写真なのに、それを、‘パン(横に移動)’したり、‘ズーム(寄る)’したりすることによって時間軸を持たせている。一枚の写真に寄ったりズレたりしながら、人の気持ちを推し量りつつ、“やるぞ”とか、期待に反して、“そこ行く? こっち?”というところも感じられるじゃないですか。その辺がこの人の心憎い映像センスというか、画像センスって言うのかなあ・・・いいんですよね。

:写真とかを使ってこうやって作っていくことは、珍しいことなんですか?)いや、結構いらっしゃるんですけど、その中でもこの方のは、‘見やすい/見にくい’っていうのがすごくよく分かって、より‘引き’を考えてらっしゃるような気がする。そういう意味ですごく光る作品なんですね」

▼ 安めぐみ

「普段見慣れている光景を、本当にあたかもそこに自分がいて、自分の目で見ているような感覚になりました」

▼ 吾妻 謙

「何の変哲もない日常の風景が重なっていくだけなのに、寄っていって広がる、寄っていって広がる・・・。“この向こうには、次、何が見えるんだい?”と、見ながら訊きつつ、思わず自分で近づいていくっていう雰囲気が、いいですよねえ」
  
   
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作品写真
作品写真
作品写真
 
WATCHING is LIVING (ウォッチング・イズ・リビング)
畔柳鉄兵 (クロヤナギ・テッペイ)
作品ノート
初めて制作した作品。ものごとを表面的にしか捉えていない自分に気づき、ものごとには裏面があるけど、見ようとしなければ見ることができない、ということをテーマとしている。主人公の男性は自分自身。ムービーではなく、弟に撮影してもらった写真を一枚一枚つなげたストップ・モーション・アニメ。頭の上についているロープは、目で見たことが蓄積されていく経験値のようなもので、見ることをやめるとロープも外れてしまうという抽象的なアイテムとして登場させた。

★講評を読む >>第188回森本晃司セレクション w/ぜんじろう
 
コメント

▼ 中谷日出

「これはかなりコンセプチュアル。そこに含まれている思いや、哲学的な意味合いがすごくありますよね。まずタイトルから『Watching is Living』。‘見ることは生きること’。まさに哲学っぽいでしょ? 作者にはそういう思いがあるんですよ。さすが!」

▼ 安めぐみ

「あれは、映像、CG・・・、何なんですか?(中谷:普通に撮った写真を加工してると思います。ちょっとリアルでしょ)だからすごくリアルなんですね。

作者の方が伝えたかったことが、すごく出てる感じがしましたね」

▼ 吾妻 謙

「我々アナウンサーだと、いかに感情をわかりやすく多くの人に一発で伝えるかということを目標に頑張るんですが、こういう作品を見てると、伝わってくるんだけど、伝え方がずいぶん違う。悔しいなあっていう思いがありますよ」
   
   
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作品写真
作品写真
作品写真
 
loops (ループス)
重田佑介+矢山貴之 (シゲタ・ユウスケ+ヤヤマ・タカユキ)
作品ノート
「ニワトリが先かタマゴが先か?」という堂々巡りのモチーフを、アニメーションの動きの気持ちよさと共に味わってもらえればと思っている。

★講評を読む >> 第180回竹中直純セレクション w/佐藤 大
 
コメント

▼ 中谷日出

「映像の原理を表す‘ゾートロープ’というシステムがあるんです。裏側に描いてあるループされた絵をぐるっと動かして、それを隙間から見ると、全部動いて見えるというものなんだけど、それがこの作品の根本にある。つまりアニメーションをモチーフにアニメーションを作ってるという…僕も今まで見たことがない作品なんです」

▼ 安めぐみ

「絵の動きに、すごく気持ちいいスピード感がある。すごく面白くておシャレで、楽しめました。可愛らしいんですけど、ちょっと変わってて…発想がとてもユニークですよね。卵かと思ったら鶏の目になって、また卵になって…(中谷:それが全部つながってるから、また不思議な空気感を醸し出している。アニメーションの面白さって、こういうところから生まれるんだよってことを、作者は言ってますね)」

▼ 吾妻 謙

「(アニメーションの面白さが)“どうだ! 分るか!”っていうメッセージが、ガーンと感じられましたね」
 
   
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作品写真
作品写真
作品写真
 
Touch the Sound (タッチ・ザ・サウンド)
早瀬将一 (ハヤセ・マサカズ)
作品ノート
子供からお年寄りまで、誰でも無理なく音楽の演奏を楽しめる作品が作りたいと思い、この作品を制作。作者自身は楽器が弾けないのだが、そんな自分でも、この作品を使えばミュージシャンになった気分で楽しく演奏ができる。楽器が出来ないからこそ、生み出せた作品。

★白い台の上でたくさんの色付きのゴムボールを転がして音楽が奏でられるというシステム。上に設置してあるカメラがボールの色を判別してその位置を特定し、コンピュータへ送る仕組みで、位置によって音の種類が変わる。ボールは、メロディ、ベース、リズムなど、色の違いによって機能が様々。一つだけ大きなボールがあり、全体の曲調を変えるものとなっている。現代的なテクノ風、沖縄民謡風など、いろいろな曲調が楽しめる。真ん中に置くと、リズム・セクションの音が動物の声に変わるという裏技も。

★講評を読む >>第200回竹中直純セレクション w/金田美香
 
コメント

▼ 中谷日出

「安さんみたいに、“音楽好きだから私やりたいの”っていう人もいれば、僕みたいに、音楽すごく苦手な人もいる。中学の時に縦笛が出来なくて音楽室に残されて、一人だけピィィイーッなんて吹いちゃって(笑)、そういう僕にとっては、あれがあったら、僕は多分音楽家になっていただろうと思うんですよ(:ほんとですか? 笑)ほんとですよ。やりたい気持ちはあるんですから。

大事なポイントは、メディアアートという、コンピュータを使ったアートによって、我々の未来の生活が見えてくる、ということ。科学と芸術の融合によって私たちの未来の生活を垣間見ることができる。その代表選手みたいな作品ですよね」

▼ 安めぐみ

「もう率直に、見ててすごいやりたかったです。(中谷さんがインスタレーションとは)体験できるって始めに仰ってましたけど、こういうことだったんですね。特に私音楽すごい好きなんで、あれで覚えて、自分なりの音楽を作ってみたいなと思いましたね。

学校とかに、ああいうのが置くようになれば、すごく変わるかもしれないですね」

▼ 吾妻 謙

「プロ・タッチ・ザ・サウンド演奏家っていうのがいて、全てを知っていて同じものを作れたらすごいと思いますし、逆に何も音楽を知らない子供でも、わーっと転がすことによってできる。これ、二通りの楽しみ方があるんじゃないかと」

▼ 相沢礼子

「楽器が弾けない人も楽しめるっていうのがいいですね」
 
   
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作品写真
作品写真
作品写真
 
音点字 (オトテンジ)
福森みか (フクモリ・ミカ)
作品ノート
3見えることと見えないことの差に興味を持ち、盲学校などへ訪れるようになって自然と点字に触れることに。自分が学ぶための学習道具として今回の作品を作り始めた。

★透明な玉を6つの穴の上に並べて点字を作ると、音でその文字の読み方を教えてくれるもの。点字を知らない人でも簡単に学習することができる。アルファベットバージョンもある。点字は、母音を表す部分と子音を表す部分を組み合わせて、一つの音を表す仕組み。この作品では、その母音と子音の部分が色分けされていて、覚えやすくなっている。

★講評を読む >>第202回立花ハジメセレクション w/野田 凪
 
コメント

▼ 中谷日出

「“点字っていうのは、こんなにすごいものなのか”とか“やってると楽しいね”というようなエンタテイメントな部分から、エデュケーション(教育)につながっていく。これは‘エデュテイメント’と言われるものですが、このアーティストはそういうところに挑戦しているわけです。アーティストが挑戦することによって、すごくきれいなシステムでものが作れるから、さらにみんながそれをやりたくなって楽しくなり、社会に広がっていくんじゃないかと」

▼ 安 めぐみ

「点字を覚えようって普通に思うと、難しいとか…そういう気持ちが先に行っちゃいますけど、これだったら、全然そんなことない気がしますね。何と言っても色がとってもきれいでした」

▼ 吾妻 謙

「完成形の色合いとかデザインとか、すごくきれいじゃないですか。母音と子音で色を変えて…色にも意味合いがあるんですね。覚えやすい」
  
   
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作品写真
作品写真
作品写真
 
煙舞 (ケムリ・マイ)
Jean-Marc PELLETIER (ジャンマルク・ペルティエ)
作品ノート
カナダ出身の作者は、日本のお寺で目にしたゆらゆら揺れている線香の煙がすごく音楽的に見えこの作品を思いたった、とのこと。

★線香から立ち昇る煙が生み出す音を楽しむという作品。立ち昇る煙をカメラで撮影して、太さ・角度・輪郭をコンピューターで解析。そのデータをもとにあらかじめプログラムされている音が選ばれ、再生される。煙がまっすぐ立ち上っていると笛の音、少し複雑になると風鈴の音、大きく乱れると海の音がする。

★講評を読む >>第202回立花ハジメセレクション w/野田 凪
  
コメント

▼ 中谷日出

「‘煙’というアナログな存在を、デジタルという力を使ってあるものに変換してみると、こんなことが出来てしまうんですよね。

音もすごく和的な音の選び方をされていますが、多分その線香の煙に‘和’を感じたことがモチベーションの一番強いとこだと思う。その辺がやっぱりアーティストの視点。アーティストはいろんなものを見て感じて、それをどういうふうに表現したら人の心を揺さぶることができるかっていうことを考えますよね。その辺が非常にうまく展開されていると思うんです」

▼ 安 めぐみ

「お線香の煙を見て、“あっ”と思ったんでしょうね。確かに私もお線香を焚いた時に煙を見てると、音というか、何とも言えない感じがしてましたね」

▼ 吾妻 謙

「カナダには線香の文化っていうのはないんでしょうかね。(中谷:ないでしょうね)日本人の当たり前じゃないところから入ってくるという、その発想が良かった」
 
   
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作品写真
作品写真
作品写真
 
through the looking glass
(スルー・ザ・ルッキング・グラス)
筧 康明+苗村 健 (カケヒ・ヤスアキ+ナエムラ・タケシ)
作品ノート
次世代の映像表示装置の研究者。本来違うものが映るはずのない普通の鏡に、違うものが映っているという驚きを味わって欲しいとのこと。

★鏡に映る自分自身と対戦するホッケーゲーム。ポイントは光を真っ直ぐ通す性質がある特殊なフィルム。このフィルムを通して、2台のプロジェクターから別々の映像を投影することで、鏡の中と、自分の手元に別々の映像が見える仕組み。

★講評を読む >>第189回クワクボリョウタ・セレクション w/進藤晶子
 
コメント

▼ 中谷日出

「科学と芸術が融合して、こういうものを生み出すわけですよ。アートの原点というのは、すごく新しいもの世の中で生まれたものをいち早く取り入れて作品に仕立てることだと思うんですが、この作品を見ると、まさに“これぞ現代のアート!”って感じがするわけ。科学者が生んでいるにも関わらず、やっぱりアートなんですよね」

▼ 安 めぐみ

「な、な、なんか・・・(笑)、ただただびっくりしちゃって。“どうなってるんだー!?” って。(中谷:体験すると、もっと不思議な気持ちになっちゃうんですよね)でも、ただ驚いてほしいっていうだけじゃなくて、いろんなものが入っている気がするな」

▼ 吾妻 謙

「勝っても負けても、“あなた勝ち”“あなた負け”って言ってるわけじゃないですか。(:私が勝って私が負け)“勝者は誰?”と突きつけられてるみたい。勝負を賭けているというか・・・、驚きを味わってほしいっていうものを超えた、何か挑戦的なものを感じます。“あなたは勝者ですか、敗者ですか”って問われているみたいで、これはすごく気になる」
   
   
 
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