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第136回  

体験!デジスタ・ミュージアム 特集
2003年 05月 10日放送
 
 


Text Rain
Romy ACHITUV


THE DIMENTION BOOK
東京大学+武蔵野美術大学


バーチャル・カーチェイス
チーム・ARIEL


HIS MASTER'S VOICE
Volker MORAWE


グラモンバトル from「天才ビットくん」
五十嵐健夫


Jelly TV System
神里亜樹雄


身・外・闘・機
松田 明


streetscape
中居伊織


inter-reflection
鈴木康広


砂のアニメーション
Ferenc CAKO
   
 
 
Text Rain (テキスト・レイン)
Romy ACHITUV (ロミー・アヒィトゥブ)
プロジェクターで映し出された体験者の姿にアルファベットの文字が雨のように上方から降ってくる作品。文字の雨は、スクリーンに映る体験者のからだで受け止めることができる。その文字列は、英語の詩の一節になっているというロマンティックな作品。
作者のロミー・アヒィトゥブさんはニューヨークで活躍するイスラエル人アーティスト。本作はカミール・アトバックさんとの共同制作。
◆原点となったこども時代の体験

「こども時代のほとんどが引越の連続でした。親と一緒に国から国へ、違う言葉から違う言葉へと場所を変えなければならなかった。新しい環境のみならず、言葉にも適応しなければならないのは覚えるのに時間がかかることもあり、子どもにしてみれば楽な事ではありませんでした。

このような体験から、言葉ではないジェスチャーでのコミュニケーションなど、喋り言葉を越えたビジュアル、ジェスチャーを主とする言語を学んだと思います。

インタラクティブ作品の面白いところは、作品が出来上がっていく過程に参加できること。作品がどのように反応するか、その予想不可能なことを、体験者と共に試行錯誤を通して学んでいく・・・体験者の参加が作品の一部になっているのです。」
   
 
 
THE DIMENTION BOOK (ザ・ディメンション・ブック)
東京大学+武蔵野美術大学 (桝井大輔+顏惠婉+波多野健介+稲見昌彦(IVRC))
映像が映し出されているモニターを手に持って動かすと、中の絵も連動して動き、また、ライトを当てれば光がモニターの中に入り込んで、映し出されている絵に影を作り出す。未来の絵本が、立体画像になることを予想させる作品。

◆波多野健介さん

「例えば普通の本、小さな頃から読んでいた本とかマンガとかは見て終わりなんですよね。これは本を模した作品になっているけれど、静的に描かれたものを眺めて、それを自分の好きなように操作できたり、本というのを何かの形で動かせたらいいなという想いがまずあって・・・

例えば、だましの本というのがあるじゃないですか。その風景を後ろから見たらどうなるのかな?とか、これは一体どういう世界なのかな?とか・・・、それをもっと自分から世界に入っていって体験したいなっていう想いがありました。」

   
 
 
バーチャル・カーチェイス (バーチャル・カーチェイス)
チーム・ARIEL (チーム・アリエル/藤本敦也+岡島 崇+笠井大幹+鈴木大慈+原口智史+葭本香太郎)
背中で回転する車輪の力加減で、実際に車を運転しているかのような感覚が体に伝わる仕組み。 素材は、ペットボトルや脚立など、すべて身の回りにあるものを使用している。一見すると、ハイテクノロジーを使っているとは思えない手作り感覚。 作者が小さいころに遊んでいたおもちゃが作品のフォルムに色濃く出ている。リアルなドライブ感覚が体験できる作品。

◆制作者の一人、岡嶋 崇さん

「子どもの頃から一見不思議な動きをするおもちゃというのが結構好きで、たいてい壊れるまでいろいろいじくり回したりとかして、遊んでいたんです。今回もちょっと、おもちゃ系のモノを作ってみました・・・やっぱりレトロ感とデジタル感の混在に惹かれる人もいるような感じですね・・・昔こういうものがあれば、自分ならとても喜んだと思います。」


<大がかりなデバイスを背負って体験に臨んだ伊集院さんも汗ダクで奮闘!>

   
 
 
HIS MASTER'S VOICE (ヒズ・マスターズ・ボイス)
Volker MORAWE (フォルカー・モラーヴェ)
声をかけたり手をたたいたりすると、その音にボールが反応し様々な動きを見せる。10個のボール一つ一つが別々の周波数の音声に反応。
フォルカー・モラーヴェさんは、独のアーティスト集団furのメンバー。
◆明和電機 VS モラーヴェ

ゲームに負けるとワイヤーで叩かれて体験者が痛さを我慢するというユニークな作品「PainStation」ではアルス・エレクトロニカ2002にも入賞。今回の来日では明和電機との対談が実現!

モラーヴェ:私はドイツのグループfurのメンバーでアナタの作品が大好きです。作品にあるユーモアはどこから来ているのでしょうか?

明和電機・土佐社長(以下土佐):上から来ますね(笑)。

モラーヴェ:ケルンに小さな店を持っているのですが、そこには作業場でもあって、この間、東京にいた時にノックマン・ファミリーをいくつか買って帰りました。
それを私たちの店のウインドウに並べて、売ろうとしたのですが、みんなに喜んではもらえたものの、ちょっと高すぎると思われてしまいました。これが芸術的おもちゃだということを理解してもらえなかったんです。
このような商品を売るには美術館とか特別な店とかの的確な場所を選ばないといけないのですね。

土佐:安くするために大量に作る。そのためには売らなければならない。
そのためには下世話にしなければならない。
過去にはレゴやルービックキューブのような作品も出ている。ボクも今までになかったような画期的なオモチャを作りたいと思っています。

モラーヴェ:明和電機というスペシャルブランドを作った理由は?

土佐:このブランドのおかげで(音楽やアートなどの活動が)一つになってパッケージになっている。明和電機の一番の発明は明和電機。

モラーヴェ:(僕の作品は)あなたの作品と同じように出来ると思いますか?

土佐:ヒズ・マスターズ・ボイスが、ですか?

モラーヴェ:はい。アートトイとして。

土佐:アートトイって純粋すぎるところが売れにくさに繋がっているので、売れるものにするには、どこか下品な部分が必要になってきますね。

モラーヴェ:アリガト。







   
 
 
グラモンバトル from「天才ビットくん」 (お絵かきソフト「テディ」)
五十嵐健夫 (イガラシ・タケオ)
二次元で描いたイラストを3Dのキャラクターに描き直してキャラクター同士を闘わせるゲーム。NHK教育テレビ「天才ビットくん」の人気コーナーで、子どもたちから送られたイラストが次々と3Dの立体キャラクターに変身してはバトルを繰り広げている。

このゲームの原点になっているのが、東京大学の五十嵐健夫さんの作った、画期的お絵かきソフト「テディ」。グラモンは「テディ」をベースにいろいろな機能を追加して、よりエンターテインメント性を高めたものに発展させている。

キャラクターが自然な動きをするだけでなく、闘うための力やスピード、そして様々な技も自動的に設定されるため、体験者はなんの苦労もなく楽しむことが出来る。
<ゲストの伊集院 光さんと篠原ともえさんも自作のキャラクターで対戦!ライブ会場に駆けつけたセイコー(いとうせいこうさん)実況のもと、格闘家風「ボブ・セイコー」(伊集院作)が深海魚ならぬ「新怪ギョちゃん」(篠原作)に圧勝という結果に。これも各々のキャラクターのフォルムに合った動きを自動設定するようプログラムされているからこそ。そのユニークな動きをお見せできないのが残念!>

◆作者五十嵐健夫さん

「今までの三次元CGソフトの考え方っていうのは、あらかじめ作るモノが決まっていて、デザインは全て終わって、頭の中にあるデザインをひたすらコンピューターに打ち込むデータ入力と同じ作業だったと思う。僕がやりたかったのは、手書きの上でクリエートする。考えながらデザインし、新しいモノを作り出す、という表現活動みたいなのをコンピューターの上でやりたいなということ。そこが従来の三次元CGソフトとは違うところですね。」


★「テディ」ソフトの詳細を見る >>五十嵐健夫さんHP

   
 
 
Jelly TV System (ジェリー・ティーヴィー・システム)
神里亜樹雄 (カミサト・アキオ)
『食べる』という分かりやすい行動からアプローチした作品。
巨大なゼリーに映し出された映像が、センサー付きのスプーンで触ると変化する。ゼリーの味にもこだわりあり・・・。
★デジスタ登場時の選評を読む >>#98立花ハジメセレクションw/生意気

★作品を見る >>Jelly TV System
   
 
 
身・外・闘・機 (シン・ガイ・トウ・キ)
松田 明 (マツダ・アキラ)
ボードの穴から顔をのぞかせて、グリップを握りながら大声で叫ぶと、その度合いによって気合い値が出る。ボードには、格闘家胴着がはち切れる!など、その気合いにふさわしい映像が映し出される。
★ デジスタ登場時の選評を読む >>#116八谷和彦セレクションw/こずえ鈴

★ 作品を見る >>身・外・闘・機

   
 
 
streetscape (ストリートスケープ)
中居伊織 (ナカイ・イオリ)
地図をなぞりながら、街の中を歩いているような感覚が楽しめる作品です。
地図上の道路をペンでたどっていくと、その場所のリアルな音が聞こえてくる。

実際に一つ一つ録音した音をパソコンに100カ所以上も割り付けていくという地道な作業が、体験者に臨場感ある音を提供する。
街の中を歩いているかのような感覚が楽しめる作品。デジスタ・アウォード2003グランプリ受賞作。
◆街のイメージと実際の音とのずれを再認識する

中居伊織さん
「・・・街の名前を出したときに、その街のイメージが自分と他人とではずれていることに気づいたのがきっかけ。

たいていの人は、この地図がどこの街のものかを知ると、その街によくある風景、よくある音を期待すると思う。例えばその土地の方言だったり、お寺の鐘の音だったり。けれども実際にはそんな音はなかなか巡り会えないもの。それはこの作品にもちゃんと現れていて、どの街の地図を体験してもあんまり分かんないんですよね。分からないけれども、そこがボクのコンセプトというか、狙いの部分。

それでも、触っている時にペンを動かしていくに伴って音がどんどん変わっていくというエッセンスは誰でも楽しめるものだし、その二面性が何か作品を成り立たせているような気もします。」


★選評を読む >>第116回八谷和彦セレクション w/こずえ鈴

★作品を見る >>streetscape

   
 
 
inter-reflection (インター・リフレクション)
鈴木康広 (スズキ・ヤスヒロ)
ミニチュアで精巧に作られた10数個のイスを大きな壁一面に映し出し、あたかも実物のイスが映っているかのように見える作品。
◆鈴木康広の発見と、体験者への仕掛け。

「同時に二つの事を発見したのですが、まず一つは、イスの影が音符に見えたこと。それが、イスの影ではなく、別のモノを表現しているという状態がボクの中ではすごく新鮮だった。

<目の前に映し出されたのイスが実は非常に小さいことに多くの体験者が驚いた。>

もう一つは、カメラでミニチュアを撮影して、それを拡大して投射するものなのですが、ミニチュアなのに凄くリアルに映ったこと。しかもそのリアルというのは、たぶん実物とは違うと思うけれど、そのリアリティがすごく新鮮だった。

ボクはやっぱり自分の受けたインパクト、発見など同じ体験を人にも体験してもらえるような、そういう場を作るために、どういう方法が一番いいのかというのをすごく考えます。」


★インタビュウを読む >>

★作品を見る >>鈴木康広さんHP

   
 
 
砂のアニメーション (スナノアニメーション)
Ferenc CAKO (ツァコ・フェレンツ)
ハンガリーからやってきたアニメーション作家、ツァコ・フェレンツさんによるライブ・パフォーマンス。ライトボックスの上で自在に「砂」を操りながら描かれていく絵がリアルタイムで次々と変化していく、描かれた絵は同時にスクリーン投射されている。
◆ライブ・アニメーションの醍醐味〜ツァコ・フェレンツさん

「初めはこの砂を使って、アニメ映画を作っていました。コマ撮りの技術なので一つの絵を描いては、写真を撮り、ほんの少しだけ絵を変えては、また写真を撮るという作業の繰り返しです。そのため、8分間のアニメーションを作るのに3、4ヶ月もかかっていました。

ライブで行う砂のアニメーションが完成したのは、6年前のこと。それは、プロジェクターという新しい技術が出てきたことがきっかけでした。

絵画や映画の場合は、作品が出来上がると完全に鑑賞する人のものになってしまうもの。しかし、砂のライブアニメーションの場合は違います。鑑賞者はアーティストが作品を作っている過程に立ち会うことができる。これは、大変面白くファンタスティックです。他のグラフィックアーティストは、このように鑑賞者から直接、拍手をもらうということはないでしょう。絵を描くことで、拍手をもらえることは、何よりも感動的なのです。」