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正確無比であること 〜デザインあ おとなスペシャル2020 放送に寄せて〜

 紋。円と線を巧みに組合せて描き出される、デザイン。
その美しさの秘密は職人たちに継承された、
極めてシンプルで正確無比な作図法にありました。
針先1つ分のズレで紋は台無しになると、職人は語ります。

取材をしたディレクターの荒木です。
今回の「もん(紋)」は、おとなスペシャルだけの特別版。
普段は明かさない、職人の正確無比な作図法に迫りました。

例えばこれ。
五弁の花びらを描くときの基本中の基本。

 mon.jpg

 

円の中に、5つの円をピタリと収めています。
どの位置に、どの大きさの円を描けばこうなるのか…
もちろん、コンピュータなど使いません。
職人が使うのは「割り出し法」と言われる紋の作法です。

写真を見ると、薄っすら針で引いた線や、ちょっと付けた印が分かりますよね。
それが割り出し法の筆跡です。
このピタリ円(←勝手に名付けました)を描くには、
まず、円を描き、その円に内接する正五角形の一辺の長さを割り出します。
更にそれを正確に等分し、円を十分割します。
そこから更に定規を4回、コンパスを3回使い、
ようやくその円に内接するピタリ円の中心点(=針を置くポイント)を導きだせます。

熟練の職人ともなれば、感覚だけでも、ほぼ正確な位置に針を置けるでしょう。
それこそ、手順を踏んで導いたポイントとほぼ変わらない位置に。
けれど、決してそうはしないのです。「ほぼ」ではダメなのです。
まずもって、正確無比は紋の生命線。
真に正確なピタリ円を描かなければ、真に美しい紋の花は咲かせられないと、
職人たちは考えています。

番組では、その正確無比の凄さを伝えようと、数学を使って解説を試みました。
おとなの皆さんが、かつて数学で習ったはずのアノの定理まで持ち出し、
紋の世界を一層ディープに堪能していただく趣向を凝らしています。


デザインあ おとなスペシャル放送は

Eテレ:1月5日(日) 午前 0:00〜0:20(土曜深夜)

BS4K:1月5日(日) 午前11:35〜
    1月9日(日) 午前12:00〜