ビジュアルストーリーテリング
2016年02月13日
今回の演出を担当させて頂きました。伊東です。
本作で触れているような撮影と編集の手法というのは、昔から培われてきた映画の基本的な文法であります。
かつて映画に音声がなかった時代は、ビジュアルだけでストーリーを伝えなければならなかったので、キャラクターの感情をアングルやカメラワークで伝えてきたわけです。
そう考えていくと、映画の要素には、台詞や音楽以外にストーリーを転がす要素が沢山あることに気づきます。カメラワーク、フレーミング、距離、時間、ライティング、色、小道具、衣装、ロケーションなどがそれにあたります。映画はそれらを設計してストーリーを伝えているということですね。
近年の僕のお気に入りシーンは、ゼロ・グラビティのラストシーンで主人公が湖から這い上がるシーン。
彼女が宇宙から生還し、まさに地球の重力を感じながら立ち上がるカットをローアングルから描いています。
様々な困難を経て生還したキャラクターの力強さを感じます。
「SHOOT&EDIT」をきっかけに、スマホで動画を撮るときは、カメラワークやフレーミングをちょっと意識してもらえたら嬉しく思います。