素材と身体
2016年07月22日
こんにちは。そざい体操第一を担当しています岡崎智弘です。
そざい体操第一コーナーは、
かたいもの、やわらかいもの、様々な素材たちが
規定の体操をしていく映像です。
グニグニと曲がったり、パキっと折れたり、ベコベコになってしまったり、
素材ごとに様子がさまざまなのを観察します。
素材をコマ撮りアニメーションで動かすので
そのモノの、どの部位が頭か?胴体か?腕か?腰か?….
ここから曲がるんだなとか、すぐにボロボロになってしまうなとか、
「モノにとっての身体性」を見いだしながら映像を設計していきます。
ちなみに私は、
身体が、かたいです。
柔軟じゃありません。
(こどもの頃から)前屈姿勢で手の指先が足の指先にやっととどくかどうかです。
たまにマッサージ屋さんにいって身体をほぐしてもらうのですが、「異常なほどかたいですね…」といつもびっくりされます。
なんでも背中の骨を普通はぐいっと手で引っ張ると動くらしいのですが、それが私の場合はぜんぜんうんともすんともいかないらしいのです。
そんな身体で、長く細かいコマ撮りの撮影が問題なくできるのかと思いますが、
撮影の時は周辺にある沢山の触れて動かしてはいけないカメラやライトなどの機材などをぶつからずにうまくすり抜けます(結構自信があります)。
もし撮影の途中でぶつかってしまったら、
不要に画面が動いたりしてしまうため、また最初から撮りなおさないといけません。
絶対に触れてはいけない!と、
すごく思いながら動いているので、仮にぶつかりそうになった時でも、腕が触れる前に皮膚から生えている毛がわずかに先行して触れるのがわかって、それをきっかけに動きを止めることができます。
すごく集中できている時はそのような感覚になります。
辿り着いた先では、物を指先やピンセットで触れて動かしていくわけですが、
(身体が、かたいからなのか)同じ身体の体勢を毎回つくれる気がしています。
同じ体勢がつくれると、自分の目で見えている景色と、自分の身体のかたちと、動かす物と、それがある空間との距離の関係が、自分の中で基準を持って観測ができる気がしています。
つまり、規定の体勢から、胴体をどのくらいひねり、腕をどのくらい動かして、手首をどのくらい曲げた時の指先の空間位置についてを、身体という道具をつかって知ることができます。
そうすると、
物を理想的に動かすにはどう身体を使えばいいのか。
もしくはすでに置いてある物から、別の新しい物へと、同じ場所に置き換えるときなど、ぴったりと正しい位置へ置くための空間認識の精度が高くなります。
実はこのように、
撮影の時は自分の身体をよく観察しています。
すると、今度は
息のしかただったり、力の入れ具合だったり
そういった細々としたことも、どうしたら一番良いのか、意識するようになります。
映像をつくっているけれど、
身体についてのことをいつも考えています。
みなさんも自分の身体の動きや構造について、よく観察してみてください。
気がつかないところで沢山の工夫や判断をしていることがわかって面白いですよ。
あと普段何となく、モノに対して、このへんが頭で胴体、このへんが足だなと、人や動物と同様の身体性を与えて見ている時があるかとおもいます。
そういうことも、気にしてみると面白いと思いますよ。