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取材ウラ日記
「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」のロケはディレクターとカメラマンの2人きり。耳寄りな情報があれば、砂漠やジャングル、極寒のツンドラ、世界中どこへでも出かけていきます。このコーナーでは、ディレクターの撮影裏話をのせていくことにしました。これを読むと、一味違った番組の楽しみ方ができるかもしれません。
この先はディレクターの個人的見解と誇大な表現が満載です。マユにツバをつけてお読みください。
スズメのオモシロ情報大募集!
フィリピン・マクタン島の水中編 →取材の成果:「海中の流星群!神秘の発光魚」
取材ウラ日記のバックナンバー
地元の人も知らない幻の魚
舞台はサンゴ礁の楽園マクタン島
舞台はサンゴ礁の楽園マクタン島
こんな光景見たことありませんか?
こんな光景見たことありませんか?
情報をくれた漁師さんの息子さんフランシス君
情報をくれた漁師さんの息子さんフランシス君
今回訪れたのは、フィリピンの真ん中あたりに位置するマクタン島の海。目的は、英語でフラッシュライトフィッシュとかストロボフィッシュと呼ばれている発光魚が夜の海面を“天の川のようにきらめく”光景をカメラにおさめることです。

日本では水族館以外で観ることの出来ない“超レア”な魚。いったい、いつ、どこで、どんな光を放つのか?撮影の前に現場を訪れることにしました。業界用語でロケハン。まっ、地元の人たちに聞けば、何か知っているだろうと軽い気持ちで行ったのですが、なんと聞く人聞く人、誰も知らない・・・

街で聞いても「いったい何のこと?」海水浴場を訪ねても「魚が光るわけないじゃない!」ならばと、地元のベテランダイバーの方に訪ねても「ホントに海面が光るの?」いったいどういうこと!?手がかりがまったくつかめません。本当に見られるのかなぁ? 不安な気持ちで夜の海にボートを走らせ偵察すること3日間。あらら、まったく姿を現しません。困った・・・どうしよう?困惑するスタッフに救いの神。ある漁師さんが“月の出てない”暗闇の夜にマクタン島の沖で、光る生きものが群れになって泳いでいるのを見たという情報が入ったんです。ヤッター!ガセネタではなかった。やっぱり漁師さんはエライ!
溜飲が下がる思いで、ロケハンを終え帰国の途に着いたスタッフでした。
暗くて深い!悪戦苦闘の洞くつ撮影
海中洞くつ
海中洞くつ
悪戦苦闘のスタッフ
悪戦苦闘のスタッフ
使ったカメラは4種類
使ったカメラは4種類
赤外線で見るとこんなにハッキリ!
赤外線で見るとこんなにハッキリ!
さて、いよいよ本撮影の開始。"月の出ない"新月の夜が来るまでの間、発光魚の普段の生活を取材することにしました。
発光魚の住みかは、 "ドロップオフ"と呼ばれるサンゴ礁の端にある崖に開いている海底洞くつ。水深は天井が30m、下が40m。コレは深すぎる!
普通のスキューバ・ダイビングで潜ることが出来る限界に近い水深です。水深30〜40mだと海中での滞在時間は20分もありません。これでは、カメラマンがじっくり撮影することが出来ません。それ以上時間潜ると「潜水病」になる危険性があります。
さらに、洞くつ内は真っ暗。発光魚を探すのに時間がかかってしまいます。
そこで、固定カメラで撮影することにしました。まず、カメラを持たずに発光魚を探し出します。そして浮上。次にその場所に直行して、カメラを設置、録画します。こうすれば、ダイバーの滞在時間が短くできて安全です。
しかし、ここでまた問題発覚しました。発光魚が極端に水中ライトを嫌うんです。発光魚なのに光が嫌いとは・・・ライトを照らすと一目散に逃げてしまいカメラの前に姿を現しません。
そこで、赤外線カメラで撮影することにしました。いままでの経験から魚は、赤い光線が見えないはずです。これがダメだったらどうしよう!恐る恐る赤外線ライトを点灯。良かった? まったく気にしません。
この他、高感度カメラなどを駆使し、謎に包まれていた発光魚の"ヒカリ技"の撮影に世界で初めて成功しました。
発光魚は2種類いた!
コレがヒカリキンメダイ
コレがヒカリキンメダイ
こちらはオオヒカリキンメダイ
こちらはオオヒカリキンメダイ
洞くつ内で発光魚を観察してしばらくすると、不思議なことに気づきました。ピカピカたくさん光っているのですが、その光の形がどうも2種類あるようなんです。宿に帰って、高感度カメラの映像を観ると、だ円形の光と半月形の光。コレはいったいどういうこと〜? 今度は赤外線カメラを再生。赤外線カメラで撮影すると魚の体もハッキリ分かります。なっ、なんと、発光魚が2種類いたんです。ヒカリキンメダイとオオヒカリキンメダイ。体格はほぼ同じですが、オオヒカリキンメダイの方が発光器が大きく半月形。コレは面白い。二つの発光魚の共通点、違いを取材することにしました。その驚きの結果は番組の中でご紹介しますので期待して下さい。
見て下さい!見事なサンゴ礁!
見て下さい!見事なサンゴ礁!
見て下さい!見事なサンゴ礁!
ダイナマイト漁を悲しむYさん
ダイナマイト漁を悲しむYさん
 
今回の舞台フィリピン・マクタン島は、世界有数のサンゴの楽園。その一部は、国立公園に指定されているほど美しいサンゴ礁が広がっています。
その海に潜っていたスタッフが悲しい体験をしました。
洞くつでの撮影を終え、浅いサンゴ礁を泳いでいると、突然、体を揺るがす轟音が響いたんです。「ドーン!ドーン!」いったい何事が起こったのか?ダイビングボートに戻って、コーディネーターの方(今回お世話になったのは、マクタン在住の日本人、Yさん)に聞くと、悲しい顔をして「ダイナマイトなんだよ」との返答。えー!ダイナマイト?港で水中工事でもやっているのかなぁ?と思ったら、違いました。実は、魚を捕っていたんです。ダイナマイトを爆発させ、その震動で魚を失神させて網で捕らえる「ダイナマイト漁」。地元以外の心ない人たちの密漁が後を絶たないそうです。ダイナマイトは、貴重なサンゴを一瞬にして粉々にしてしまいます。しかも、国立公園の中でも行われることもしばしばあるそうです。サンゴ礁は何百年もかけて作られた地球の宝物。多種多様な生物を育むオアシスです。
苦しいけど、やりがいのある楽しい取材で、唯一の悲しい出来事でした。
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