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取材記 それはダイオウイカから始まった発光に挑んだ苦難の日々

片山宏昭ディレクター

それはダイオウイカから始まった

最初に興味を持ったのは、「深海生物たちは、なぜ巨大な目を持っているのか?」ということでした。
深海は真っ暗な環境です。ダイオウイカは直径30センチにもなる地球上最大の目を持っています。また図鑑を開くと、大きな目をもった深海生物はたくさんいます。

実は水深200~1000メートルの深さには、人間の目には感じられないほど、ごくわずかの光が届いているといいます。(そのためトワイライトゾーン[薄光層]と科学者は呼んでいます。)ダイオウイカをはじめ、この深さに住む深海生物たちは、大きく高感度の目を発達させ深海の光景を見ているのです。

カメラがとらえた発光するクロカムリクラゲ
カメラがとらえた発光するクロカムリクラゲ

発光生物というと、まずホタルを思い浮かべますが、地球上の発光生物のほとんどは陸ではなく、海に住んでいます。海の生物の8割、深海生物に至っては9割が発光生物です。
ダイオウイカなどの深海生物が見つめる「本当の深海の光景」を撮りたい!
と意気込んで始めたわけです。

しかし、取材を進めるにつれ、研究者ですら調査・観察が難しいテーマだということが徐々に明らかになってきました。

深海生物研究の世界的権威 モントレー湾水族館研究所のブルース・ロビソン博士