取材ウラ日記

マレーシア・ボルネオ島『かわいい忍者ガエル』 編

激流を跳ねるカエルが本当にいるの!?

日本で「渓流の水面をジャンプして渡る忍者のようなカエルがいる。その名はナガレガエル」そう聞いたとき、胸が高鳴ると同時に、にわかには信じられませんでした。不安定な水の上でジャンプするだけでも驚きなのに、流れの強い川の上を軽々と飛び跳ね渡っていくというカエルの姿が、自分にはなかなか想像できなかったのです。しかし今回、忍者ガエルを紹介してくれた京都大学の西川完途さんは、ボルネオの森で何度もカエルの調査を行ってきたエキスパート。その先生が「自分の目で見た」と言います。その言葉を信じ、ボルネオの森を訪ねたのでした。

ナガレガエルのすみかは森の奥の渓流。途中何度もヒルの襲撃を受けながら、川の中を進むこと約2時間。しかし、現場に到着してもどこにもお目当てのカエルの姿がありません。実は、ナガレガエルの体の模様はコケの生えた岩とそっくりなんです。まさに隠れ身の術!擬態をするカエルは他にも有名なものが数多くいると思いますが、今回のナガレガエルはかなり高度でした。「自然は本当に良くできているもんだ」と感嘆してしまいました。

撮影前、私が最も心配していたのは「ナガレガエルは一体どの程度、川をジャンプして渡ることができるのか」ということでした。私は10年近く前に「ダーウィンが来た!」の制作で、バシリスクというトカゲを取材したことがありました。このトカゲは水上を走ることができるのですが、走れるのは流れのない静かな水面だけでした。しかし、今回のナガレガエルは流れの強い、いわば激流の水面をジャンプして渡ることができるといいます。「本当にそんなことが可能なのか?」自分の目で見るまでどうしても信じられない気持ちがありました。しかし撮影を始めて間もなく、そんな不安はまったくの杞憂だったことが分りました。ナガレガエルは、いとも簡単に激流の上をピョンピョン跳んで渡っていったのです。

でも、一体どうやれば不安定な水の上で飛び跳ねることができるのか? 

今回、番組ではナガレガエルの水面ジャンプの様子を4Kハイスピードカメラで徹底的に撮影することにしました。しかし、撮影は困難を極めました。カエルは小さい上に、動きが速いのでピントを合わせるのが大変。しかも、熱帯雨林ならではの猛烈な湿気で、撮影機材の調子が次々に悪くなっていくという事件も発生。こうした苦労の末に撮影したのが、水面ジャンプの様子を克明に捉えたハイスピード映像です。今回の映像から、ナガレガエルが後足はもちろん、前足も器用に使いながら水面を見事に飛び跳ねている様子が見えてきました。その珠玉の映像は、是非番組で見てもらえれば幸いです。

  • カエルの楽園 ボルネオの森

    カエルの楽園 ボルネオの森

  • 渓流を進む取材班

    渓流を進む取材班

  • かわいい忍者ナガレガエル

    かわいい忍者ナガレガエル

  • 4Kハイスピードカメラで撮影!

    4Kハイスピードカメラで撮影!

  • ハイスピード撮影で見た水面ジャンプ

    ハイスピード撮影で見た水面ジャンプ

  • 跳ぶ姿も意外とかわいい忍者

    跳ぶ姿も意外とかわいい忍者