ダーウィンが来た!ブログ

2017年3月12日


totugekiin.jpg
どうも~ヒゲじいです。
01.jpg
1月に2本連続で放送されて大人気だった恐竜シリーズ、
「史上最強!ティラノサウルスの真実」「初めて見た!日本の巨大恐竜」
番組を担当した植田和貴ディレクターに、制作秘話を聞いております。
今回は、2回目。
ではさっそく、質問タイムを始めちゃいますぞ~!

 


 

21.jpg
植田さんが、これまでのロケで感動したコトは?


NHKスペシャル「生命大躍進」という番組のロケで
カナダ・ロッキー山脈のバージェスという所に行った時のことです。
そこには今から5億年ほど昔の「カンブリア紀」という時代の地層があります。
当時は生命進化が爆発的に多様化した時代とされていて、
バージェスではその頃の生きものの化石が次々と見つかっている現場なんです。

でもその場所の標高は2千メートル。
重たい撮影機材をたくさん持っていく必要があったので、
現場にはヘリコプターで行くことになりました。

その時のパイロットは現場の地形を熟知したベテランで、
山の稜線に沿って飛んでくれたんですが、その時に見た風景が本当に美しかった。
山頂付近の氷河も間近に見ることができて、本当に感動しました。
絶景の中の絶景、でした!

 

 

2017031201.jpg

 

2017031202.jpg

 

 

23.jpg

ほぉ~、実際に目にするときっと、ものすごい感動だったんでしょうな。

 


はい、そうでした。
しかも現場の地層からは、
当時の動物の化石が極上の保存状態でザクザク見つかるんです。
三葉虫など当時の動物たちの化石が次々目の前に現れて、本当に驚きました。
今回は「ダーウィンが来た!」で恐竜時代を特集しましたが、
いつかはこのカンブリア紀の不思議な動物たちも番組でご紹介できたらいいな、
と思っています!

 

 

2017031203.jpg

 

 

21.jpg
それは楽しみですな~。
では、ロケ中にこれは困った、なんていう思い出はありますか?


これも恐竜に関するロケだったんですが、
NHKスペシャル「恐竜絶滅 ほ乳類の戦い」という番組で、
南米ボリビアのスクレという町に行った時のことです。
ここには恐竜の足跡が数百も残されている巨大な絶壁があるんです。

 


23.jpg
恐竜の足跡だらけの絶壁!?
そりゃスゴい!!

 


はい、でもその足跡を取材するためには、
ロープを使って絶壁を降りなければならないんです・・・。
「番組ディレクターである以上は実際に自分の目で見る必要がある」と考えた私は、
事前に日本でロープワークの研修を受け、絶壁を降りてみることにしました。

きちんと研修を受けて現地に行ったんですが、
実際に崖の上に立ったときは、さすがに足が震えました。
日本にいるときは
「実際に自分で降りて足跡を見てみないと番組のコメントも書けない。絶対に崖を降りる!」
と意気込んでいましたが、文字通り足がすくみました。
上から見ると崖の下に止めてある車はまさに豆粒です。
落ちたらひとたまりもないことは明らか。
万全の態勢で臨んでいるとはいえ、自分の全体重を一本のロープに託し、
体を崖の外側に出す瞬間は本当にゾッとしました。

 

 

2017031204.jpg

 

2017031205.jpg

 

 

21.jpg
うわ~、そりゃ恐ろしい。
大変な取材ですなぁ・・・

 


でも幸い、いったん降り始めたら、ほどなく心は落ち着きました。
いやっ、むしろ目の前にある恐竜の足跡に大興奮。
気付いたときには、恐怖心はどこかへ飛んで消えていました。
実際、こうして撮影した映像は番組の冒頭を飾る重要なシーンとなったので、
勇気を振り絞って、本当に良かったと思っています。

 


23.jpg
では、植田さんが担当された「ダーウィンが来た!」で
印象に残っているエピソードがあったら、教えて下さい。


今年1月放送の「ティラノサウルス」のエンディングです。
「ティラノサウルスの大人がピンチの子供を助ける」
というシーンが登場します。

でも実は最初、監修をしていただいた恐竜研究の第一人者の先生からは、
「ティラノサウルスの子供がピンチに陥ったとしても、親が本当に助けに入るか
どうかなんて分からない。そんなこと調べようがない」と言われてしまいました。
確かにこのような恐竜の生態に関する手掛かりは化石になかなか残らないため、
実証することはとても難しいんです。

でも今回、その答えを求めたのが、現代の動物の生態でした。
今回の番組では「ティラノサウルスは鳥の仲間に近い」ということを紹介しました。
で、鳥と言えば、子育てをするのが基本ですよね?
親鳥がピンチのヒナを助けようとする様子も、よく観察されています。
実際、私自身もアイスランドでカモを撮影した時に、そんな様子を観察したことがありました。
こうした経験もあったので
「ティラノサウルスが鳥に近い仲間である以上、親はピンチに陥った赤ちゃんを助けるに
違いない」と私自身、思っていました。

しかし先生はあくまでも慎重。
「鳥はティラノサウルスと関係は近いが、一方でワニとも近い関係にある。
果たしてワニは子どもを助けるかなぁ・・・?」
と悩んでしまいました。

そのとき重要な役割を果たしたのが、今回の番組の背景ロケを担当したカメラマン。
これまでに何十本もの「ダーウィンが来た!」を世界各地で撮影してきた、
百戦錬磨のベテラン動物カメラマンです。
その彼がひと言。
「僕は、ワニの親がピンチになった子供を助けようとする様子を目撃したことがあるよ」
って言ったのです。
この証言で先生も
「鳥だけでなく、ワニも子供を助けようとすることがあるなら、
ティラノサウルスも子供を助けることがあったかもしれませんね」
という考えに落ち着きました。
その結果、あのエンディング、
「ティラノサウルスの子供を襲った翼竜が親ティラノに追い払われる」
というシーンを作ることが出来たんです。

 

 

2017031206.jpg

 

2017031207.png

 


数々の動物の生態を撮影してきた
「ダーウィンが来た!」だから描くことのできた、
とても魅力的なシーンだったと思っています。

 

 

21.jpg
感動の物語のウラに、そんな話があったとは、驚きです!

 

はい。
CGで作る番組だからこそ、こうしたひとつひとつの「裏付け」が大切なんですよ。

 

 

23.jpg
ナルホドね。
では、最後の質問!
植田さんは、私ヒゲじいのコト、好きですか?(笑)

 


はい、もちろん大好きです!
いつも鋭い突っ込み、ありがとうございます!
番組を見ている人の立場になって突っ込んでくれるから、
さらに理解が深まりますからね!

今回は「ダーウィンが来た!」史上初めて、
絶滅動物である恐竜を特集することができました。
次回は是非、ヒゲじいが主役、ヒゲじいの知られざる生活を、
番組史上初ということで特集させてください。
何卒よろしくお願いします!(笑)

 


11.jpg
いやいや、私はあくまで、突っ込むのが大好きなおじさん。
それだけは勘弁してくださいね(汗)。

時空を超えて描かれる、植田さんの動物たちの世界。
これからもますます、期待しておりますぞ!